お二方様、一緒にどうですか??

綾人さん実装&綾華さん復刻記念(書いた当時)も兼ねて、団子牛乳を堪能する空くん、綾人さん、綾華さん、トーマのお話です。

真のタイトル…神里兄妹+空くんのもちもちもぐもぐタイム(後にトーマも加わる)←

(あと、空くん、綾華さん、綾人さん、トーマに"もちもち"と言ってもらいたかったので思いついたお話でもあります…←)

綾人さんの待機モーションでタピオカミルクティーを飲んでるシーンを見て思いつきました…、というか、剣を構える待機モーションとのギャップがヤバくないですか?!!(語彙力もヤバい)

・めっちゃ短い
・綾人さん綾華さんがボケ全開
・綾人さん、完全に天然キャラ解釈
(マジで怒られそうなやつ…←)
・かつ食の好みも捏造
・今回の空くんは半ボケ半ツッコミ役

参考資料
・【新実装キャラクター紹介】の綾人さんの動画
・天下人の章 第一幕の団子牛乳のくだり
・Ver.2.6 特設ページイラスト

※初出 2022年3月22日 pixiv


神里屋敷の縁側にて。

「団子牛乳、楽しみですね。」

「えぇ。私も飲んだことがないので楽しみです。」

「本当に俺も一緒して良かったのか?」

綾人と綾華、きちんと正座をした神里兄妹が心なしかそわそわとしてた様子で団子牛乳を見つめている。あまりにも楽しみにしている様子の2人に、兄妹水入らずの場で自分は場違いではないか、そう思った空は声をかけた。

「勿論ですよ。何せ旅人さんがおすすめしてくれましたからね。」

「それなら良かった。美味しいから知らないのは勿体ないと思ってさ。」

しかし、そんな空の懸念は綾人の言葉により杞憂に終わった。それに内心ホッとしながら、その言葉に甘えることにした空は、正座をしていた足を崩してあぐらをかいた。

花見坂にて団子牛乳を購入していた空が、偶然、政務が終わって神里屋敷に帰ろうとする綾人と鉢合わせしたのはつい先程のことだ。いつの間にこんな飲み物が出ていたんですね…、と興味津々に見る綾人にもしかして飲んだことないのか?と尋ねたのがきっかけだ。

案の定、はい、そうなんです、と綾人からの返答を聞いた空は、もしかしたら、綾華も飲んでいないんじゃないか?と思い立って、4人分の団子牛乳を買ったのである。空、綾人、綾華、そしてトーマの分だ(ちなみにトーマはお茶請けの用意中だ)。

では、折角なら屋敷に…と綾人の誘いを受けて、現在に至る。

「では…、頂戴致します。」
スッ

「私も…。」
スッ

(2人とも、動作が優雅だな…)
スッ

未知の飲み物を飲む緊張もあってか、綾人と綾華は覚悟を決めたように瓶を掴んだ。その所作だけでも感じ取れる優雅さ、だが、それが向けられているのが団子牛乳、という組み合わせがミスマッチ感がある。そう思いながら、空も瓶を掴んだ。

ゴクン
コク…
ゴクゴク

3人が団子牛乳を飲む。
そして…

ゴクリ
「!! お、美味しいです…!!」
ほわぁぁ

コクン
「えぇ、今まで味わったことがない新鮮な味です…!」
ほわぁぁ

飲み込んだ瞬間、口に広がる甘さと喉越しに綾人と綾華は感嘆の声を漏らした。甘い団子が牛乳を含んだことによって、一層滑らかな食感に仕上がっている。また、牛乳のほんのりとした甘みも団子の甘さと相性がいい為、たまらないのだ。

ゴクン
(やっぱり美味いな…)
「それなら良かった。今度、智樹にも伝えておくよ。」

改めて飲んだ空は、最初、これがあまり好かれていなかったことが信じられない、と今でも思ってしまう。それを広めてくれたのは、雷電将軍、もとい影だ。2人の幸せそうに顔を綻ばせているのを見て、屋台の店主である智樹と影に伝えようと密かに決めた。

「………。」

「? 綾人??…ってもう飲み終わったのか?!」

ハッ
「お兄様、まさか…!?」

押し黙ってしまった綾人に問いかける空だが、その傍には、空っぽになった団子牛乳の瓶がある。それを見て驚愕の声を上げる空だが、その直後、焦ったように綾華が問いかけた。

クッ
「綾華、止めないでください…。」
スッ

しかし、そんな綾華の声も虚しく、綾人は苦渋の表情を浮かべながら懐から何かを取り出した。それは…

ストローが刺さったタピオカミルクティーの容器だった。

(え、何でタピオカミルクティー?)

「団子牛乳も美味しかったのですが…

もちもちが、物足りないんです…!」
ゴクゴク
もちもち
ほわぁ………

困惑する空を他所に、綾人はおもむろにタピオカミルクティーを飲み出した。中に入っているタピオカの食感を楽しんでいるのか、その表情は苦渋の表情から一変して、とても満足そうに微笑んでいる。

「まだ飲むのか?!」

もち…
コクコク

「そ、そうか…。」

コクコク!
もちもちもちもち

驚く空の声を気にかけて、一旦タピオカを食べるのを止めた綾人は頷いて答える。空の困惑気味の声を返答と捉えたのか、再度頷いて、タピオカを食べるのを再開した。心なしか先程より噛む回数が増えている気がする。

「旅人さん…。」

「どうしたんだ? 綾華??」

「お兄様は食感がもちもちとした物に目がないので、見逃してもらえますか?」

「もちもちの魅力凄いな…。って、ん? 見逃す、ってどういうことだ??」

綾華の言葉に、混乱しながらも空は頷いた。一見すると些細なことのように見えるが、あまりにも深刻そうなので、それ以上追求するのは止めた。だが、ひとつだけ引っかかる言葉があったので、それだけは聞こうと言葉を紡いだ。

「実は、トーマにはこういう飲み物は1日に1本までと決められているのです…。」

「そうか…。」
(トーマも大変だな…)

その理由を聞いた空は、苦笑いをするトーマを思い浮かべた。

(でも…)
チラッ

だが、空は綾人の方を見て、その考えを取り払った。何故なら…

あまりにも、幸せそうな顔をしてタピオカミルクティーを飲んでいるからだ。

これを邪魔しようなど、増してやタピオカミルクティーを取り上げるなど無粋になるだろう。

(まぁ、綾人がいいならいっか)

そう半ば納得する空であった。

ゴクン
ふぅ…
(どちらも美味しくて、幸せです…)

半ば納得したように見つめる空を横目に、綾人は恍惚のため息を吐いた。先程の団子牛乳の甘みともっちり感もさることながら、タピオカミルクティーの紅茶が染み込んだタピオカの噛み応えも素晴らしい。それに、いつも美味しいそれが、今日は一段と美味しく感じる。

それは、きっと、タピオカミルクティーを飲む前に空と綾華、一緒に団子牛乳を飲んだからだろう。

ジーーーッ

ハッ
スッ…

綾人から見て左隣、つまり空からの視線を感じた綾人は、飲んでいたタピオカミルクティーから口を離して…

「内緒、ですよ。」
シーッ…

やや眉を下げて苦笑いしながら、左手の人差し指を口元に当てて、"内緒"のポーズをした。

その一連の仕草はとても優雅なものだ。だが、傍に空っぽになった団子牛乳の瓶、右手に飲みかけのタピオカミルクティーの容器を持っているので、いまいち決まらない。

だが…

「あぁ、分かったよ。内緒にする。」
シーッ…

「旅人さん…。ありがとうございます!」

「私からもありがとうございます!」

同じく"内緒"のポーズを取った空に、綾人は勿論、綾華も感謝を述べるのであった。

そんな3人のやり取りをこっそり見守る者が1人…。

(またタピオカミルクティーを飲んでるな…)

それは、お茶請けとして団子を持っていたトーマであった(団子牛乳のお茶請けに団子はどうか、と思うが綾人のリクエストなので仕方あるまい)。

(若は無類のもちもち好きだからなぁ…)

壁に少し寄りかかりながらトーマは息を吐いた。しかし、それは呆れ、ではなく少し困ったような、だが、決して嫌なものではない…。それを表すものであった。

綾華はああは言っていたが、実は、トーマが言いつけを守らなかった綾人を責めたりしたことは一度もなかった。というのも…

(今晩の若の分の料理もバレないように量を調整しないとな…)

そう。
こうして、綾人の食べる量などを徹底管理しているからだ。

長年の付き合い故か、綾人がもちもちした飲み物を飲み過ぎた時が不思議と分かるのだ。意外とお腹にたまりやすいそれは、綾人の食事の量にも関わってくる。今日、空が勧めてくれた団子牛乳だってその類だ。さらには、タピオカミルクティーを飲んだからきっとお腹はいっぱいに近い状態だろう。

いつもであれば、綾人の様子を注意深く観察する必要があるのだが、今日ほど分かりやすい日は少ない。そういう意味では空に感謝したいくらいだ。

それに…

トーマは、綾人が笑っている姿を見るのが好きなのだ。

それを見れれば多少のことは目を瞑るべきだろう。

(まぁ、食事はきちんと摂ってほしいけど…)

正直な気持ちとしては、それが強い。だが、まぁいいか、と受け流すことにするトーマであった。

その後、何くわぬ顔で合流したトーマが持って来た団子を食べる綾人を空が驚愕の表情で見つめていた。

まるで"まだ食べるのか?!"と言いたげ…、というより完全に顔に書いてあるのをトーマが指摘すれば、何でもない、と言って団子を食べたのだという。その様子をホッと胸を撫で下ろした様子の綾華も団子を食べ始めた。

2人の分かりやすい様子に内心苦笑いしながら、トーマも団子牛乳に手をつけたのだという。

-END-

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