【タル空】勧誘返し

タルタリヤを西風騎士団に誘う空くんのお話です。
時系列で言うと空鯨の章の前あたりです。

・空くんボケ全開
・テイワットにおける名刺の概念を完全自己解釈しています。

参考資料

・タルタリヤのボイス 勧誘について
・タルタリヤの顔写真(キャラの顔のアイコンをそう呼んでいます)及び名刺の飾り紋


「だったら、西風騎士団に入らないか?」

「えっ?」

「お前が誘ったから、俺も乗ろうと思ったわんだよ。」

それは、タルタリヤがファデュイに入らないか、という勧誘に対して、空が冗談混じりで言った言葉であった。それには、ほんの少しの意趣返しも含まれている。

クスッ
「空も冗談とかいうんだね。」

「な、何だよ。悪いか??」

笑みを溢しながらからかうようなタルタリヤの言葉に、拍子抜けをした空は、気を引き締めるように言葉をかけた。

「ううん、全然。けど…。」

「けど?」


フッ
「……俺には、西風騎士団は似合わないと思うから、やめとくよ。」

「そうか…。」
(気のせいかな…?)

苦笑いをしながらタルタリヤは断った。その時のタルタリヤが、先程、空の言った冗談に対して溢した笑みよりも少し翳りがある気がしたことが、やや懸念であった。

「それにしても、どうしてそう思ったの?」

「そうすれば…

名刺を活用できると思ったんだ!!」

「えっ?」

タルタリヤが疑問を溢したので、空は答えた。

その返答が相当予想外だったのか、タルタリヤは驚きに目を見開いて、一音溢すような言葉を紡いだ。

「だって、タルタリヤだって名刺を使ったりするだろう?」

「う、うん。」

「それに顔写真だってあるんだから、活用しないとだろ?」

(名刺………、ファデュイの執行官が…………)


空の考えを聞いていくうちに、ファデュイ、それも執行官が名刺を使う、というシュールにも見える場面を想像したタルタリヤは、次第に…


「………あはははは!!」

堪えきれなくなって、盛大に大笑いするのであった。

ビクッ
「な、何だよ。いきなり笑い出して…。」

「だ、だって、空が、面白いことを言うから…!」
プルプル

「真面目なことしか言っていないんだが?!」

身体を震わせるほどに笑うタルタリヤに、猛抗議する空。


(やっぱり…

君といると飽きないよ、空)

その様子を笑い過ぎて涙が出たことにより滲む視界で見たタルタリヤは、そう思うのであった。

その後、彼の弟のテウセルに会って、タルタリヤの事情、そして、どんな気持ちでいたかを知ってからは、自分の言ったことを少し後悔する空だった。

-END-

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