司書様は紅茶がお好き
アフタヌーンティータイム中に、リサさんのお話を聞く空くんのお話です。
Ver.3.0予告番組で、スメールにカフェがあると聞いて思いついたネタです。
・めっちゃ短い
・リサさんの口調迷子気味&飲み物の好み自己解釈
・スメールのカフェに関しても自己解釈多々あり
参考資料
・リサさんのキャラストーリー
・酌み交す酔夢
・Ver.3.0予告番組
※初出 2022年8月21日 pixiv
西風騎士団にある大図書館。
その上階にある錬金工房の休憩スペースにて。
「可愛い子ちゃんが持って来てくれたお菓子…、今日のアフタヌーンティーによく合うわ。」
「それは良かったよ。」
上機嫌な様子で、ローズヒップティーと午後のパンケーキを嗜むのは、紫色の魔女装束を身に纏った柔らかな色の茶髪を紫の薔薇の髪飾りで括った美女、リサである。
アフタヌーンティーの時間に、長い金髪を三つ編みにした旅人の少年、空が焼きたてを持ってきた、と手に午後のパンケーキを抱えていたので、2人で楽しんでいるのである。
「それにしても、色々飲むんだ…。」
テーブルに数種類並んだ紅茶は、1人で飲むにはやや多い量である。空が来たから、少々緩和されたもののそれでも多い気がする。
「あら、今日は特別よ。ジンに紅茶の茶葉を送ろうと思って、試飲してるのよ。」
「ジン団長に?」
「えぇ。気付いたらコーヒーばかり飲むのよ…。」
「あぁ…。」
物憂げに答えたリサに、空は脳裏に大団長室で書類仕事に没頭するジンを想像して納得した。前に聞いたことだが、ジンのコーヒーを飲む量は凄いらしい。
そこで、ふと、ある疑問が思い浮かんだ。
「そういえば、リサさんはコーヒーは飲まないのか?」
思い出すのは、バーテンダー体験ウィークでのことだ。その期間中、エンジェルズシェアに客として来ていたリサとジン、2人が注文した飲み物を作ったのだ。リサは甘めのロマンティックオード、ジンはコーヒーを注文していた。
「あぁ…、そうね。嫌いではないのだけど…。」
苦笑いをするリサが言うには、スメールの教令院にいた頃は、カフェがあってそこでコーヒーを散々味わったから、らしい。
「頭の働きを活発にするためなのか、コーヒーを飲みっぱなしの人が多くてね…。」
「そうだったのか…。」
「紅茶の方がアフタヌーンティーに合うし甘いものだって美味しく感じるわ。」
「確かにそうだな。」
リサの話を聞きながら。空は頷く。確かに、今日持ってきた午後のパンケーキは、少々酸味が強いローズヒップティーに合う(無論、好みにもよるが…)。コーヒーとも合うかもしれないが、まだコーヒーに対して苦味を感じる空にとっては、紅茶の方が合う気がした。
「勿論、わたくしの個人的な好みだけどね。それに…。」
「それに?」
「コーヒーは、飲みすぎるとお肌が荒れちゃうもの…。」
「そういうものなのか…。」
深刻そうにリサは項垂れた。初めて会った時も、元素の流れと血脈の循環の乱れにより肌も気分も調子が悪いと言っていたし、そういったことには特に敏感なのだろう。
確かに、コーヒーは飲みすぎると肌荒れの原因になる、と以前、本で読んだことがある。それを配慮して、ジンの為に茶葉を選んでいるのだろう。
「そうなのよ! だから、ジンにも話をしてるのよ。コーヒーを飲み過ぎなのも頑張りすぎるのも、お肌に悪いわ、ってね。」
そうなると、ちょっと焦るのよね、と少しだけ嬉しそうに話す。
「じゃあ、俺も手伝うよ。」
「あら。良い子ちゃんね。助かるわ。それじゃあ、お願いしちゃおうかしら。」
そんなリサの心遣いに感化されて、空は茶葉選びの手伝いを申し出た。それに、嬉しそうにするリサであった。
その後、紅茶の吟味をひと通り済ませた後、ローズヒップティーに蜂蜜を添えて一緒に飲むことになった。リサの二つ名である"薔薇の魔女"に相応しい選択だ、と空は思うのであった。
-END-
あとがき
スメール、と聞いたら、初期メンでありキャラストーリーの中にもスメールのプチ情報が載っているリサさんが真っ先に浮かびました。スメールに行く前に、リサさんのことを忘れてはいけないでしょう!と思いついたお話です。
あと、予告番組で、スメールにはカフェがあると聞いたので、そこで過ごしていたリサさんのことを妄想したら、筆が進んでいました。
ただ、リサさんを本格的に書くのは初めてなので、こんな感じか…?と悩みながら書きました…。なんか、違っていたらすいません…←
ここまで読んで頂きありがとうございます!
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