バッド・オープン・チューニング
プライベート・ブライアン
「バッド・オープン・チューニング」
暑い。危険。聴けん。いや、聴く。
何を?レコードを。
でも暑すぎて集中できない。
こんな日はどうすれば良いのでしょうか。
すると、内なるブライアン・セッツァーがこう言いました。
「よー、せっかくいい天気なんだから外でギターでも弾けばいいじゃん」
はい、グレッチを持って、バッチバチの炎天下の中、河原へ。
で、ひととおり好きなフレーズとか弾いて飽きてきたので、チューニングをいじってみる。
暑いし。
ギターのチューニング
ギターのチューニングというのは
1弦 E (ミ)
2弦 B (シ)
3弦 G (ソ)
4弦 D (レ)
5弦 A (ラ)
6弦 E (ミ)
と基本が決まっているのですが、チューニングを好きにいじれば、自分オリジナルの独特な響きを作ることができる。逆に、ただのダサい不協和音になることもあれば、アバンギャルドでかっちょいい鳴りになることもある。
オープンDとか、オープンGとか、開放弦だけでコードになるようにもできる。キース・リチャーズなんて、たしか6弦を張らないんすよね。
人生のチューニング
河原で鬼まぶしい太陽にぶっ刺されながら、ギターヘッドのペグを調整し、
チューニングを合わせていく。もしくは狂わせていく。
で、かき鳴らしてみる。
自分の感情に任せて、ざくざくとカッティング、からのジャラ~ンと余韻を残す。残響音の中、たまに川を眺める。遊覧船が通り過ぎていく。
正規のチューニングって、誰が決めたんだろう。
それを正しく守れば、それなりに綺麗に鳴らせるし、楽譜に合わせることだってできる。ひとつの発明だ。
でも、自分だけのチューニング、響きを求めても良いはずだ。
弦だって、6本張らなきゃいけないなんて、誰が決めたんだ。
まじでどうかしてる灼熱の隅田川沿い。
熱中症ぎりぎり手前の状態で、チューニングを続け、
最終的に「これはカッコいい!」と思えたオープンコードは、びよんびよんのシタールのような響きも持った、妙な和音でした(笑)
明日になれば、また違う響きを求めるかも知れない。
でも少なくとも、今日、自分の感覚にフィットする響きを作り出すことができた。
ひたすら正しいとされるチューニングを守るのか、
日々、マイチューニングを探っていくのか。
と、そんな感じで脳みそがぐわんぐわんになってきたところで、内なるブライアン・セッツァーに「そろそろ涼しい場所でビールでも飲もうや」と言われたので、グレッチをケースにしまい、河原を後にする。
風が強くなってきた。
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