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初心者必見!kintoneアプリ開発のRFPをChatGPTで効率良く作る方法

中小企業診断士のすずかです。

先日、仕事でkintoneのアプリ開発業者の選定を行う際に、ChatGPTを使ってRFPを作成しました。

特に難しいプロンプトを入力することもなく、意外とあっさり満足のいくものが作れたので、やり方を共有いたします。

今回の記事は、以下のような方のお役に立つ内容となっています。

  • RFPの作成を時短したい方

  • RFPの作成方法に困っている方

  • kintoneアプリの開発依頼を考えている方



【ChatGPTでRFPを作る上での前提条件】

  • kintoneで実装したい機能要件やその背景について、あらかじめ文章にまとめておく。

  • なるべく高機能な生成AIを利用する。
    私が当時利用したのはChatGPT4(有料版)です。

  • 生成AIには個人情報や機密情報は入力しない。もしくはモデルの学習に使用させない設定にする。


【RFPとは?】

RFP(Request for Proposal)は、「提案依頼書」と訳される文書で、企業や組織が特定のプロジェクトやサービスの提供を希望する際に、その要件や条件を明示し、サービス提供者に対して提案を求めるために使用されます。

小規模な案件においては、RFPが見積依頼書(Request for Quotation, RFQ)としても機能することがあります。この場合、提案内容だけでなく、具体的な費用や価格の見積もりも求められます。

RFPを通じて複数の供給者から提案を受け、比較検討することで、最適な供給者を選定することができます。

私が今回作成したRFPは、見積依頼を含むものです。

【RFPの作成方法】

ステップ1:まずは、ChatGPTに質問

RFPって書くことがたくさんありますし、慣れていないと何を書いてよいか分かりません。

まずは調べないと、Google先生!

・・・となりますが、最近はChatGPT先生に聞く方が良いことが多いです。

事実を調べるときはGoogleが便利ですが、やり方や進め方が分からないときは、ChatGPT先生一択です。

今回は、システム構築で開発ベンダーと関わることになるので、こういったときに頼りになるのは・・・そう、「ITコーディネーター」です。

ITコーディネータとは、ITと企業経営両方の知識を持ち、経営者の思い描くビジョンを実現する経営戦略策定支援やIT化支援サービスを行う専門家、もしくはその資格名のことです。

経済産業省が推している資格で、中小企業診断士×ITコーディネーターというダブルライセンスの方は結構います。(私もいつか資格を取りたいです)

ITコーディネーターについて、良くまとまっているサイトがありました。ご興味のある方は参照ください。


ということで、
ChatGPTにITコーディネーターになってもらい、手伝ってもらいました。

あなたはITコーディネーターです。
RFPの作成方法が分からないので、手伝ってください。

すると、RFPについて詳しく教えてくれます。

RFP(Request for Proposal、提案依頼書)の作成は、
あなたのプロジェクトやサービスに適したサプライヤーやベンダーから
提案を募集するための重要なプロセスです。

ITコーディネーターとして効果的なRFPを作成するためには、
明確で詳細な要件と期待を文書化することが不可欠です。
以下は、RFPの作成にあたって役立つステップです。

### 1. プロジェクトの概要を定義する

- プロジェクトの目的、背景、目標を明確に記述します。
- 期待する成果物やサービスの範囲を詳細に説明します。

### 2. 応募要件を明確にする

- 応募者に必要な資格や経験をリストアップします。
- 応募に必要な書類や情報を指定します。

### 3. 提案のフォーマットとガイドラインを設定する

- 提案内容をどのように構成するか、具体的なフォーマットを提供します。
- 評価基準や重視するポイントを明確にします。

### 4. 提案依頼のスケジュールを設定する

- RFPの発行日、質問受付期間、提案の締切日、選定通知の予定日など、タイムラインを設定します。

### 5. 評価基準を定める

- 提案を評価する基準を明確にし、可能であればその重み付けを記述します。

### 6. 予算の範囲を示す

- プロジェクトの予算範囲を提示することで、提案者が現実的な提案を行うことができます。

### 7. 問い合わせ先を提供する

- 質問や不明点に対する問い合わせ先の連絡先を提供します。

### RFP作成のヒント

- **明瞭性と具体性**:要件や期待を明確にし、あいまいな表現は避けます。
- **包括性**:プロジェクトに関連するすべての情報を提供し、
 提案者が十分に理解できるようにします。
- **実現可能性**:実現可能な要求を行い、現実的なタイムラインと予算を設定します。

これらのステップとヒントを参考に、
あなたのニーズに合った効果的なRFPを作成することができます。
提案依頼書は、提案者にあなたのプロジェクトの要件を理解してもらい、
最適なソリューションを見つけるための重要なツールです。

ステップ2:ひな形を出力

何かを書くときに、ひな形はあるとスムーズですよね。
ですので、ひな形を作ってもらいましょう。

まず質問し、それからひな形を出力してもらうことで、「質問への回答内容が反映されたひな形」をゲットできます。

了解です。

以上を踏まえてRFPのひな形を出力してください。

すると、以下のように初回の質問への回答内容が反映されたひな形が出力されます。

以下は、ITプロジェクトのためのRFP(提案依頼書)のひな形です。
このテンプレートを基に、プロジェクトの特定のニーズに合わせてカスタマイズしてください。

# 提案依頼書 (RFP)

## 1. プロジェクト概要

### 1.1 目的

- ここにプロジェクトの目的を記載します。

### 1.2 背景

- プロジェクトの背景や必要性について記述します。

### 1.3 目標

- 達成したい具体的な目標をリストアップします。

## 2. 応募要件

### 2.1 資格条件

- 応募者に求める資格や経験を明記します。

### 2.2 応募に必要な書類

- 提案書のフォーマット
- 会社概要
- 過去の実績

## 3. 提案内容

### 3.1 提案の範囲

- 提案に含めるべきサービスや成果物の範囲を詳細に記述します。

### 3.2 フォーマットとガイドライン

- 提案書のフォーマットと内容に関する指示を記載します。

## 4. 提案依頼のスケジュール

- RFP発行日: YYYY年MM月DD日
- 質問締切日: YYYY年MM月DD日
- 提案締切日: YYYY年MM月DD日
- 選定通知予定日: YYYY年MM月DD日

## 5. 評価基準

- 提案を評価するための基準とその重み付けを明記します。

## 6. 予算

- プロジェクトの予算範囲を記述します。

## 7. 問い合わせ先

- 名前:
- 役職:
- 電話番号:
- メールアドレス:

このテンプレートを使用して、特定のプロジェクトに適したRFPを作成してください。
提案依頼書の内容は、目的やプロジェクトの特性によって異なるため、
必要に応じてセクションの追加や削除を行ってください。

ステップ3:ひな形を個別にカスタマイズ

ひな形はゲットしましたが、今回の案件にそのまま使えるのか?
という話ですが、そのままは使えないですよね。

過不足がありますので、カスタマイズが必要です。

個別にカスタマイズしてもらうには、「こちら側の情報」をGPTに提供する必要があり、ここは人の作業が必要です。

こちら側の情報というのは、以下のようなユーザー個別の情報です。

・プロジェクトの背景
・現状の課題
・プロジェクトの目的とゴール
・現状のシステムの状況
・機能要件とその背景
など

どの程度の情報が必要かに迷う場合は、「新入社員にRFPを書いてもらうと想定したときに必要となる情報」を基準に判断すると良いと思います。

新入社員は、業務の目的や必要な情報、その背景などをあらかじめ伝えないと、こちらが思ったとおりに動いてくれませんよね。ChatGPTもこれと同様です。

以下の入力内容をもとに、RFPのひな形をカスタマイズしてください。
カスタマイズにあたり、必要な情報があれば、ユーザーに質問してください。

#入力
[ここに、「こちら側の情報」を入力する]

私の案件では、システム導入の背景や、機能要件などを事前に文章としてまとめていましたので、それをChatGPTに情報として入力した上で、カスタマイズしてもらいました。

以下が、GPTからの回答の抜粋です。

入力した「こちら側の情報」が背景、システムの前提条件、事業の概要などに反映されています。

※データは一部加工しています。

# **提案依頼書 (RFP)**

## **1. プロジェクト概要**

### **1.1 背景**

私たちは基幹システムのリプレイスを行っており、
リプレイス後は〇〇を使用し、20999月に稼働予定です。

基幹システムの入替に伴い、現在オンプレ、フルスクラッチで構築されているサブシステムである
「▲▲管理システム」をキントーンに乗せ換えたいと考えています。

### **1.2 システムの前提条件**

- 〇〇はPaaSとして利用。
- 〇〇とキントーン間で商品マスタ、部門マスタのデータ連携を想定。
- 〇〇側には部門ごとの許認可情報、商品マスタで各法令に抵触するかどうかの項目を保有。
- キントーンから〇〇へのデータ連携の可能性を検討中。
- キントーンは既に導入済みで、約1000アカウントを保有。

### **1.3 弊社事業の概要**

- ■の専門商社で、全国に約20の営業拠点を有しています。
- 取り扱い商品は■や●●で、▲▲面の管理が非常に重要です。

## **2. システム要件**

-----------------------------------------------------------
以下、省略

ステップ4:ChatGPTにフィードバックをもらい改善

なかなか良いRFPができました。が、まだ少し不安です。
そういうときは、ChatGPTに追加で質問し、改善してもらいます。

ITコーディネーターの立場で、
今回の案件に必要となる項目、重要と考えられる項目があれば追加してください。

以下のように、追加で必要になりそうな項目が提示されました。この中から、今回の案件で必要と考える項目をRFPに追加します。

私の案件の場合は、「会社で導入済のシステムでkintoneと連携の可能性があるシステム」「サポート体制やセキュリティ」などの内容を追加しました。

## **1. 技術的要件と互換性**

### **1.1 API連携とカスタマイズ**

- 〇〇とキントーン間のAPI連携の具体的な要件を明記し、
 カスタマイズ可能性についても言及する。

### **1.2 データマイグレーション**

- 既存システムからキントーンへのデータ移行計画、
 特に部門マスタや商品マスタのデータ移行方法。

### **1.3 セキュリティ要件**

- データの保護、アクセス管理、監査トレイルの要件を定義する。

## **2. 法令遵守とリスク管理**

### **2.1 法令遵守**

- ●●法、□□法など、 関連する法律に基づく具体的な遵守要件を詳述する。

### **2.2 リスク評価と対策**
 
- プロジェクトおよびシステム導入に関連するリスクの評価、
 およびこれらのリスクに対処するための対策。

## **3. プロジェクト管理とコミュニケーション**

### **3.1 プロジェクトマイルストーンと納期**

- 明確なプロジェクトマイルストーン、納期、および各フェーズの成果物。

### **3.2 コミュニケーション計画**

- プロジェクトステークホルダー間の定期的なコミュニケーションと進捗報告のための計画。

## **4. トレーニングとサポート**

### **4.1 ユーザートレーニング**

- キントーンおよび新システムの操作に関するユーザートレーニングプログラムの概要。

### **4.2 運用サポート**

- システム導入後のサポート体制、メンテナンス計画、および問い合わせ対応の詳細。

## **5. 財務計画とコスト管理**

### **5.1 コスト見積もり**

- プロジェクトの総コスト見積もり、および予算内での実行計画。

### **5.2 ROI(投資収益率)評価**

- システム導入による期待される経済的メリットの評価。

これらの追加項目と詳細な説明を提案依頼書に組み込むことで、
提案者がより具体的かつ実行可能な提案を行うための基盤が整い、
プロジェクトの目標達成に向けた明確な道筋が示されます。

ステップ5:微調整や校正、不安点の解消

最後に微調整や不安点を解消します。とにかく気なったことをどんどん質問します。

・業者選定の留意点と比較項目を聞いてみる

〇月末に見積依頼をもらって、業者選定をしたい。
業者選定にあたり、留意する点、比較すべき項目について表形式でまとめて

・必要な見積もり範囲を聞いてみる

見積書の提出を受けるにあたり、見積範囲が共通でないと比較ができません。
今回の案件で必要な見積もり範囲を教えてください。

・添削をお願いしてみる

提案依頼書(RFP)のドラフトを作成しました。
添削した上で、修正後のRFPを出力してください。

#添削要件
[ここに、添削の方向性や要件を入力]

 たとえば、以下のような項目
 ・としての不足項目のチェック
 ・誤字脱字
 ・表記ゆれ

#入力
[ここに、作成したRFPのドラフトを入力]


そんなこんなで、
ChatGPTに依頼や質問を始めてから約1時間で、初稿が完成しました。清書後の文書はA4サイズで4枚となりました。

この文書を用いて、ベンダー選定とアプリ開発を問題なく進めることができました。枚数は少なかったものの、今回の案件に必要な事項は過不足なく網羅されていたと感じています。


以下が、実際に作成したRFPの一部です。
※データは一部加工しています。

保安システム構築に関する提案および見積り依頼書

1. プロジェクト概要
1.1 背景
基幹システムのリプレイスを進めており、2099年9月の稼働を目指して〇〇を導入予定です。この変更に伴い、現在オンプレミス、フルスクラッチで構築されている「□□システム」を△△に移行する計画を立てています。

1.2 システムの前提条件
・〇〇と△△間のデータ連携は、API連携ではなくCSVを用いたバッチ処理で行います。
・△△は既に導入済みで、約100アカウントを保有。システム構築に伴い、アカウント数は最大1000まで増加する可能性があります。
・△△への移行後も、当面は旧システムを並行して稼働させます。
旧環境から△△環境への移行に関して、データ移行のやり方や時期、並行稼働時の運用方針などは未定です。
・△△へのアクセスは、VPN接続により弊社の社内ネットワークを通じて行うため、セキュリティが堅牢な業者を優先して選定します。

1.3 弊社事業の概要
○○専門の商社として全国に約20の営業所を有し、高度な保安管理が必要な○○を取り扱っています。


2. システム要件
2.1 □□システムの概要
当システムは△△法に準拠し、営業所の販売許可の登録や得意先ごとの販売記録の整備を行います。

2.2 具体的な機能要件データ連携
〇〇からのマスタデータ連携受入(商品、部門、担当者)
※基幹システムをERPに乗せ換えるため、現行マスタから桁数や番号が変わります。

~中略~

3. プロジェクト体制とスケジュール
3.1 プロジェクト体制
PMO:情報システム課 課長 ○○
PM:情報システム部(○○、○○の2名、主担当は○○)
プロジェクトメンバー:品質管理課 △△、□□

3.2 プロジェクトスケジュール
8月末:見積書の提出
9~11月で要件定義
実装時期(別途ご相談)

4. 見積りの方法
4.1 見積りの範囲
お見積りには以下の内容を含んでください。可能な範囲で細分化をお願いします。細分化が難しい場合は、合算とわかる形で明記をお願いします。(例:④~⑥:〇〇万円)プロジェクト管理費

①システム設計費
②開発・カスタマイズ費
③テスト・品質保証費
④運用支援・保守費
⑤サードパーティサービス費
⑥ハードウェア・インフラ費
⓻その他必要な費用

4.2 追加情報のお願い
お見積りに際して、簡単で結構ですので以下の項目についての説明資料をご提出ください。
・当該案件に関連する過去の実績
・システムの構築方法(プラグインの種類やスクラッチ開発の有無)
・導入プロジェクトのスケジュール案
・サポート体制に関する説明
・プロジェクト管理体制
・コミュニケーションの方法(会議体の開催方法と開催頻度など)
・セキュリティ対策

5. 参考文書〇〇関連資料
□□システム基本設計書
〇〇構築の全体スケジュール

6. 問い合わせ先
会社名:株式会社□□
部署名:情報システム部
役職・氏名:係長 ○○
メールアドレス:○○@□□.co.jp

以上

実際に業務で使用したRFPから抜粋

ただし、今回の記事を参考にしていただく際は、以下の点にご注意ください。

  • kintoneの機能開発という小さい案件であることにはご留意ください。
    大規模なシステム導入・開発案件の場合は、RFPのボリュームも膨大になりますので、今回のケースは参考外となります。

  • 事前に「こちら側の情報」の言語化が必要で、ここは人の作業です。逆に、ここさえ言語化できていれば、あとはChatGPTにほぼ丸投げすることができます。

いかがだったでしょうか。

専門性が高いものでなければ、ChatGPTを利用すればかなりの時短になりまし、複雑なプロンプトも必要ありません。

皆さんの時短に繋がれば幸いです。


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今回作成したRFPのひな形です。
kintoneアプリの開発依頼案件のRFP作成の時短にご活用いただけます。

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