推しがデビューして3ヶ月で解散した話。
2024年11月1日。推していたアイドルが解散した。デビューしてから約3ヶ月だった。アイドルとしての活動期間は私の想像よりもはるかに短い時間だった。これはオタクの私がどうにかこのやるせない気持ちを鎮めるために書くいわば気持ちの整理つけるノートである。
メンバーとスタッフとの話し合いの結果解散に至ったとの記載だったが、私から見た彼らはアイドルが辞めたかったようには見えなかった。もしかしたら辞めざるを得なかったという表現が正しいのかもしれない。
私が解散発表を見て涙が止まらなくなったのは間違いなく彼らに「アイドルを辞めないで欲しい」という思いがあったからだ。もちろん1番は彼らの人生が幸せであることを願っているし、私はアイドルを辞めたいのなら辞めるべきだと思っている。これは私の個人的な考えだが本人の意思を尊重することがオタクの鏡であると考えるからだ。この気持ちに嘘偽りはなく、私は本気でそう思っている。
しかしメンバーが書いた最初で最後の解散の手紙には
「アイドルとしての挑戦を続ける」「この(活動)期間は僕の夢だった」「本当に終わりたくなかった」
と書かれていた。耐えられなかった。アイドルグループがこんな終わり方で誰が幸せだろうか。
彼らは事務所初のKPOPボーイズグループだったが、私は大切な彼らの時間を、彼らの夢を預けるにはあまりにも不信感の募る事務所だと日々痛感していた。当初グループのデビューは「2024年春頃」と言われていたが実際は「2024年7月31日」にデジタルシングルでのデビューだった。デジタルでリリースすると知り、CDとして発売されない分のプロモーションを期待したが、私が知っているKPOPグループで見られるプロモーションとは程遠かった。大手事務所でない限りアイドルがプロモーションなしで自然に売れることはほぼ不可能と言っていいだろう。そんな中彼らは十分なプロモーションも受けられず新規顧客を獲得するにはコンテンツも事務所のノウハウも足りなかったように思えた。
「事務所にとってアイドルはビジネスである」
そんなことはオタクもわかっている。私の目から見ても彼らがアイドルして成功するにはまだまだこれからであることも。だからこそ利益を出すための販促イベントはアイドルにとって必須である。その機会すらも彼らの活動期間中に1度だけで足りなかった。
そんな中彼らのデビューを密着している深夜番組で2ndシングルを出して当てなければ解散と告げられた。番組内で放送された「当てる」の定義がわからなかった。当てる当てないの定義が媒体としても数字としても提示されていないのに当てなければ解散なんて身勝手にも程があると憤りを覚えた。まともなプロモーションも受けられず、デビューして1ヶ月でこの話を突きつけられ、メンバーもオタクもどうすればこんな結果にならなかったか後悔する期間さえもなかったように思う。
結局彼らは計画されていた2ndシングルが出されることもなく解散となった。今まで期間はなんだったのだろうか。彼らの人生は、彼らの時間は当然有限であるのに。わかっていたが「デビュー」は成功でもゴールでもないのだと改めて感じた。
これは個人的な意見だが、アイドル戦国時代といっていいくらいにアイドルが多く存在する中、私にはアイドルが売れない理由をアイドルにばかり押し付け、事務所はその責任の放棄しているように見える。アイドルは本人と事務所の持ちつ持たれつのビジネスであることは明確であるのにも関わらず。売れない責任をアイドルだけに負わせ、グループ結成と解散を繰り返し、彼らは再び練習生のような過酷な日々を過ごすだろう。そのような結果を招く前に事務所としてまず取り組むべきことがあるのではないかと考える日々である。
このノートを書くきっかけとなったグループもそうだが、デビューから解散までが短いグループが多くなった。事務所はアイドルを何だと思っているのだろうか。ただのビジネスの道具だろうか。それも間違いではないだろう。しかしそこにはアイドルを職業とし、夢とし、生きがいとするメンバーがいて、 そのメンバーを応援するオタクもいる。 試しでグループを作り「当てなければ解散」というこの構図は、すべてに対して事務所からの愛がないと感じざるを得ないと同時にアイドルもオタクも精も根を尽きるだろう。アイドルからしてもオタクからしてもそれは大切な人生の時間の一部であるのに。
そんな気持ちを抱えながら私はまだアイドルオタクを辞められない。エゴだとわかっていても彼らと次会える時がくるのであれば彼らと真摯に向き合い活動を手助けしてくれる、そんな事務所でいつかまたアイドルとして活動してくれることを望んでしまう。