近視の状態と原因
近視とは手元にピントが合っていて遠くがボヤけている目の状態です。
日本人の近視有病率は48%です。
クラスの半数の生徒が眼鏡をかけているということになります。
コンタクトレンズの度数を思い浮かべて頂くと分かりやすいのですが、S-1.0Dという表記があるコンタクトレンズを使用している方は約1mの所にピントが合っておりそれより遠くはボヤけて見えにくい。S-3.0Dのコンタクトレンズを使用している方は約33cmの所にピントが合っていて、それよりも遠くは見えにくいということです。
要するに近視の度数が強ければ強いほどピントの合う位置がどんどん近くになり、その分遠くが見えにくくなるということです。
近視の程度の違いは眼球の大きさ(眼軸長)に比例していきます。
近視ではない成人の眼球の大きさは約24mmで、近視の眼はそれよりも長いということになります。
1mm伸びると約3.0D近視が強くなります。
要するに眼球の長さが25mmの眼は3.0D(33cmより遠くは見えない)の近視となります。
(※本来は角膜のカーブなども影響するので必ずそうなるとは限りません。)
次に近視の原因は何かということですが、主に2つあります。
1つは遺伝的要素です。これはかなり大きく影響を受けると思います。
遺伝は仕方ないと思われるかもしれませんが、大事なのは強度の近視にならないということです。
もう1つは環境的要素です。簡単に言うと近くを見過ぎ!です。
現在はスマホやタブレット、手に持つタイプのゲーム機など、近くを見る時間が以前に比べて非常に長くなっています。
またそれらは屋内で行なうものなので、屋外に出て太陽の光を浴びていないというのも関係しています。
近視に伴う目の病気にならないためには、環境的要素を改善していく必要があります。
強度近視により発症リスクが高くなる疾患
緑内障、白内障、網膜剥離、近視性黄斑症
-5.0Dを境に指数関数的なリスクの上昇がみられることがわかっています。
ちなみに日本人の失明原因第一位が緑内障です。
実際に普段の仕事の中でも強度近視の方は若い方でも緑内障になっていることが多いです。
私が学生の頃は近視は病気ではないと教わりましたが、現在は失明原因に繋がる1つの疾患と捉えるべきではないかと思います。
次回は近視の進行予防として、生活習慣、点眼治療、コンタクトレンズでの予防について話していきたいと思います。
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