うつパパの記録【1】
もうお昼か
眠たげな目で窓の外を眺めると遠くで蝉の声が聞こえた
子供達の食べ残したであろうパンの耳を一口かじりながら子供達に声をかける
私 『ママは?』
娘 『買い物に言ったよ』
妹と戯れ合いながら無邪気に答える娘の姿に少し癒される
携帯で時間と日付を確認してまた横になる
もう何度繰り返したのだろうか
新卒で就職して十数年
おそらく世間一般とさほど変わらない人生を送って来たと思う
最愛の妻に出会い、子宝にめぐまれ
住居も構えて人生これからって時だった
『あれ?足に力が入らない』
なんの前触れも無く休職生活が始まった
私は工場で働く交代勤務従事者だ
朝とも夜とも無く働く
仕事では職場のルールを守る事を徹底して来た
決められたルールは守る
守れないルールは守れるルールを考える
その事を念頭に働いて来た
そう、私は真面目だ
真面目故にルールを守って仕事をする事が正義であると信じて疑わなかった
相手が誰であろうと、是々非々で
こんな固まった考えが当時の私を支配していた
それが全ての原因だったのかもしれない