
Photo by
take_kuroki
運命の男探しへ
あの朝。
母から電話があった
いつ離婚して出てくるのかと
「今日出るから、荷物を預かって?」
仕事着、スーツ類はアパートに運んであった
残ったものは燃やすものと着物類だった
「じゃ、話したいことがある」
母の声は明るい
「再婚のことだけど、子供に義理立てをすることはないからね
これからの自分の人生を考えるのだよ。
男の子はいずれ結婚する
その時、お前は独りぼっちになるんだから
家族を持ちなさい
これはおまえが年を取った時の用心のためだよ
これから先一人で生きるのは寂しいからね」
その言葉を聞いて私は笑った
「今更、そんなこと残酷だと思わないかい?
子供たちは望んで生まれてきたわけではないんだよ
私を親として選んだわけでもないんだよね
私に親としの責任も捨てさせるの?
15年前に言ったはずだよね
この結婚は嫌だと
で、今更何を言うの?
私が子供を捨てられないことを知っていて」
あれから子供たちは成長して
女を見つけ、飛び立っていき
私は母の言った通り一人ぼっちになった
こうならない機会はあった
自分だけを考えたら出来たこともあった
でも、一人で生きた
どうせ、ここまで生きたのだ
見つからないかもしれない男を探そうと
私だけを愛し
私を女に育ててくれる男を探そうと
運命の男とやらに出会えること
男はどこから降ってくるのだろう?
私は聞きたい
「お前は俺のものだと
離さないと!」
ただ、条件がある
これをクリアできる男はいるのだろうか?
この条件に興味があれば個別に教えます
いいなと思ったら応援しよう!
