【茅ヶ崎市美術館】ヨーロッパ古典絵画の輝き
滑り込みで茅ヶ崎市美術館の企画展を見てきた。
そもそも茅ヶ崎に来ること自体が初。美術館のすぐそばには図書館やカフェ、レストランなどもあり、街の雰囲気も素敵。湘南地方特有の風?を感じた。会期最終日のこの日は、お隣の高砂緑地でオッペケ祭りが開催されていた。
絵画を鑑賞するときに、その技法にまで意識を向ける人はどれくらいいるだろうか。描かれているものが何か、どんなふうに描かれているか(表現)は見るけど、その作品がどういった工程で、どんな技法で描かれているのかまでは、あんまり考えていないのでは?少なくとも私はそう。
今回は伝統的な西洋絵画の技法と表現に焦点を当てた展覧会で、両者は切っても切り離せない関係なんだとなというのがよくわかった。
イコンと15、6世紀のイタリア、フランドル絵画が中心。実際の模写作品の他に制作過程のパネル展示もある。
てっきり金箔は最後に貼り付けるものだと思ってたけど初めに金を貼り、そのあと絵の具をのせていくのだという。
全然関係ないんだけど、このイコン↓の聖母子像の子どもの方がサンダルを履いているのに気がついた。聖母子像の幼子ってみんな裸足だと勝手に思い込んでいた。隣に展示されていた福音書記者の聖ルカも似たようなサンダルを履いていた。
今度聖母子像を見ることがあったらイエスの足元に注目してみたい。イタリアや北方にもサンダルの子がいるかも?
ヤン・ファン・エイクやロベルト・カルピンなど、フランドル絵画は15世紀にはもう完全に油彩だと思っていたけど、テンペラが併用されることもあったらしい。
ブリューゲルは同時代の他の油彩よりも油絵具の層が薄く、下地の白を活かし、さらに水墨画のように素早く仕上げるのが特徴らしい。ブリューゲルの作品って確かに他の北方絵画と雰囲気が違うと思っていた。画面が明るくて、動きがあるというか……? 生き生きとした一瞬の描写がうまいというか。もちろんめちゃくちゃ構想を練って描いているのだろうけど。
最後には顔料や制作に使う道具が展示されていた。
以下は写真の記録。(全て模写です)
ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノ東方三博士の礼拝。ディテールを見ると、絵の具が盛り上がっていておもしろい。ため息が出る美しさ。
6月5日までだった。