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マリーの絆ストーリーを再読しました(ネタバレ有)

 こんばんは、八兎と申します。
 シスターさんはどうしてあんなに可愛らしいのでしょうか。

 先日、ふと思い立ってマリーの絆ストーリーを読み直しましたメッチャ良かった…………!!!!!
 
一度は読んだはずなのですが、内容を全く覚えていなかったのでとても新鮮な気持ちで読み直すことができました。約二年前の自分にはあまり刺さらなかったのでしょう。ありがとう、刺さらなかった当時の私(これ本当にブッ刺さらなかったの私……?)

 本記事は、そんなマリーの絆ストーリーを読んだ感想をネタバレ込みで書き出していくものです。
 先日追加されたばかりの愛用品絆ストーリーに関しても言及しているため、自分はまだ読んでない、内容を知りたくないという方はブラウザバックをよろしくお願いします。


◆伊落マリーというシスター

 トリニティ総合学園に通うおしとやかな一年生。
 シスターフッドという組織に所属しているマリーは、文字通りシスターの少女です。どこか儚げで、いつも一生懸命な生徒。
 マリーの絆ストーリーでは、そんな彼女の人柄が四話(プラス一話)を使ってとても丁寧に描かれていたように感じました。

 私が今回マリーの絆ストーリーを読み終えて一番強く感じたのは、ストーリー全体の構成がとても綺麗だったなということでした。

 マリーの絆ストーリーは、追加された愛用品ストーリーを含むと全五話。
 そのうちのまず前半では、”立派なシスターになりたい”という夢を持ち、研鑽を重ねてきた『シスターとしてのマリー』について。後半では、それを踏まえた上での一個人である『生徒としてのマリー』が描写されていたように思います。
 このお話の組み立てがとても丁寧で、読んでいて心地よく、私は心を掴まれてしまいました。

 以下より、いくつかの段階に分けそれらの描写に関する記述をしていきます。


 ◇自分を律する心

 これまで自分の中では漠然とした『真面目・優しい子』という印象があったマリーですが、いざ読み返してみると思った以上に『ストイック』な一面があり、とても驚かされました。
 『自分に厳しく他人に優しく』といった言い回しがありますが、まさしくマリーはこの言葉を象徴するような人物だと思います。

 上記の画像は先生から「”マリー自身は無理をしていないか、辛くならないようにしっかり休んでね”」と言葉を掛けられた際のマリーの返答ですが、このシーンからも自分を律しようとする彼女の精神性が見て取れます。
 先生からの優しさに甘えず、目標を見据えて自らを正すマリーの姿はとても自分にはないもので、一人の人間として尊敬の念を抱きます。すごすぎ。

 ただ、マリーはその自分を律する部分が行き過ぎてる側面も見られます。

 絆ストーリー第三話は、体調を崩したマリーの家へ先生が向かうという内容なのですが……。

 マリー休め……!! そんなこと気にせずゆっくり寝なさい……!!!!

 無理をして体調を崩してしまった時でさえ、この体調不良は「休みたいなぁ」と考えてしまった自分に対する罰である、というのは、もうストイックを通り越して……なんだ……? 自罰が過ぎる……? もう少し自分を大切にしておくれ…………泣泣

 少し悪い部分かのように書いてしまいましたが、実際のところ、このストイックさは良い部分でもあると私は思っています。

 マリーは彼女が思う『立派なシスター』に自分がまだ届いていないと感じており、そのため「シスター」と呼ばれることに少し照れを感じてしまうのだと絆ストーリー第一話にて語られています。
 いつか、誰かが自分のことを「シスターマリー」と呼んでくれても恥ずかしがることなく応えられるようになりたい、それが今のマリーの夢であるとも。

 マリーは、いつか自分がなりたい『立派なシスター』のイメージが明確なんですよね。だからこそ、それに自分はまだまだ届いていないと感じ、その目標実現に向けて努力を積み重ねていける。
 一年生でこれほどまでにハッキリと目標を定め、行動に移せているのは物凄いことだと私は思いました。

 それに、自分に厳しいとはいえ他者の意見を全く聞かないような頑固者でもありません。
 上シーンの台詞の後、先生からの「”それは罰ではなく、少しでも長くシスターとして活動できるように自分の身体が助けてくれたんだよ”」という言葉を、マリーはスッと受け入れています。
 他者の話を聞き、言葉を受け止め、「そういう考え方もできるかもしれません」と自分の中に取り入れる柔軟さ。そういった側面もマリーにちゃんとあることが分かって、読んでてどこか安心した気持ちになりました。
 もう本当に良い子。お体を大切にね……。


 ◇輝かしい優しさ

 また、そういった立派なシスターになるためのストイックさとは別に、既に完成されているといっても過言ではないマリーの善性・優しさも当然ながら彼女を象徴する性質でしょう。

「主に私にできることと言えば、懺悔などお話を中心にお聞きし、心の中の痛みを共有させていただくことくらいです」
「大したことはできないのですが、それでもそういった時間を通じて、何とかご自分で立ち直ることができるという方もいらっしゃいまして」
「ですが、私にはそんな、アドバイスなんて大それたことはできなくって……私にできることは、本当にただお聞きすることだけです」
「私にはそれくらいしかできませんが……お話を聞くことで、その方が少しでも前に進めるのであれば」
「私はそれを、心から嬉しく思うのです」

マリー絆ストーリー 第一話より

 以上は、絆ストーリー第一話でマリーが先生に話した言葉です。
 マリーは「話を聞くことしかできない」と言っていますが、そもそもそのように他者の話に真剣に耳を傾けるられること自体がとても素敵なことではないでしょうか。
 何よりそうやって真摯に相手に向き合おうとするマリーの姿勢や雰囲気こそが、相手の心を癒し、立ち直らせる要因になっているのではないかなと私は思いました。
 自分に向き合ってくれる存在、ちゃんと自分を見てくれる存在。
 それがいかに大切なものなのかは、このブルーアーカイブという物語において語るまでもないことだと思います。
 これらの言葉の最後にマリーが、そうして話を聞いた人々が少しでも前へ進めることを「心から嬉しく思う」と結んだことも、とても輝かしく美しいものだと私は感じました。

 また、マリーの言葉に関しては、絆ストーリー第二話で語られた以下のものも非常に印象深く残っています。

「祈りの形は、一つではありません。
 中にはこうやって……一緒に、手を握る祈り方もあるのです」
「私は個人的に、このやり方が好きでして。
 特に先生のような……ご自分のこと以上に見守る相手が多い方には、特に良さそうだなと思うんです」
「先生のような方はもしお祈りされるとしても、ご自分ではなくきっと、生徒たちのために祈られるでしょう?」
「ですからこうやって、時には誰かが先生のことを捕まえて、しっかりと一緒にお祈りをしてあげないといけません。誰かのためではなく、ご自身のために」

マリー絆ストーリー 第二話より

 マリーマリーマリーマリーおまえお前お前もお前も!!!!!!!!

 いやもうここ初めて読んだときファ~~~~~~~っ!?てなっちゃってね!?!?!?!?
 『時には誰かが捕まえて自分自身のために一緒にお祈りをしてあげなければいけませんっ!』てマリーは言うけど、いやそれお前も~~~~~~ってなっちゃいません!?!?!?!? マリーだっていっつも自分よりも相手のことばっかりじゃん!!
 この会話の直前、先生のことを祈っていたマリーは「"自分のことは祈らないの?"」と尋ねられて、「先生が幸せなら私も幸せです、だからこれは私たち二人のためのお祈りなのかもしれませんね」と幸せスパイラル理論で返してるけど、それとは別に私はマリーのためにマリーと一緒にお祈りをしたいよ~~~~~~~!!
 私が幸せならマリーも幸せなのかもしれないけど、それと同じくらいマリーが幸せなら私も幸せなんだからな!?!?!?!? その善性ストイックにゃんにゃんハンドをひっつかんでマリーの幸せを主体としたお祈りを、いつか一緒にさせてよね…………。

 閑話休題。

◆ひとりの生徒として

 以上のように、マリーは誰かのことを心から想える優しさを持ち、それと同時に目標実現のために自分自身は厳しく律することができる少女です。
 時には過剰なほど自罰的になってしまう、そんなマリーに変化が現れたのは、風邪の日のできごとを経た絆ストーリー第四話でのことでした。

 前回のお休み(第三話)のことを他のシスターにも相談してみたというマリーは、以下のような回答をもらったと先生に話します。

「誰にでも時折そういうことはある」
「奉仕する気持ちは大切だけれど、自分に対して奉仕してあげる気持ちも時には大切だ」

マリー絆ストーリー 第四話より

 グッジョブ他のシスターさん……!

 この言葉はあくまで『他のシスター』としか語られておらず、具体的な人物については明かされていません。ひょっとするとサクラコやヒナタのようなネームドのシスターフッド生徒さんかもしれませんね。
 もちろんそうした知っている他の生徒の言葉でも嬉しいのですが、例えばこれが名もなき一般モブシスターさんのものであっても嬉しいなと私は思います。
 ブルーアーカイブというゲームのキャラクターとしては登場していない、キヴォトスで暮らすシスターフッドの一人の生徒さん。そんな彼女がマリーに確かな影響を与えたということが、なんというか『物語の中の生命』を感じられてとても好きです。

 話を戻します。

 その言葉を受け、あらためてマリーは『自分への奉仕』について考え、そして一つの答えにたどり着きました。どこか言いづらそうに、言葉を詰まらせながらマリーはゆっくりと先生に伝えます。
 それは『時々でいいので、この前のように先生と一緒の時間を過ごしたい』というものでした。かわいいが過ぎるかよ……………!!!!!

 かわいいが過ぎるが……………………!?!?!?!?!?!?!?

 自分が抱く感情がシスターらしくないことも、むしろシスターの道としては相反しているものであることも自覚しているマリー。そう分かっていても、それでも……。

 言葉を詰まらせるマリーに、先生は「”喜んで”」と彼女の望みを受け入れます。
 先生は続けて「”24時間、ずっとシスターじゃなくても良いんじゃないかな”」という言葉を述べました。マリーのストイックさに冷や冷やしたものを感じていた私としては、この言葉は彼女にとって必要な答えであるようにも思え、先生がそれを伝えてくれてとても嬉しい気持ちになりました。

 先生からの言葉を受けて、マリーは少し考えすぎていたのかもしれませんと自分を振り返ります。
 「『立派なシスターになりたい』という気持ちも持ちつつ、これからは自分もひとりの生徒として、あらためて先生に接していきたいと思います」というマリーの言葉は、読んでいてとても感じ入るものがありました。
 これまでに描かれてきた『シスターとしてのマリー』を肯定しながらも、自分への厳しさが少し和らいで、誰かに甘える余地が出来たこと。
 マリーの相談に回答したシスターさんの言葉を少し借りるなら、他人だけではなく自分自身へ奉仕することを新たに覚えたマリーの小さな成長が、私はとても嬉しかったのかもしれません。


◆かわいいもの

 先日のアップデートでマリーの愛用品追加に伴い絆ストーリー五話が追加されましたが、皆さんはもうお読みでしょうか?

 ここからは追加されたばかりの愛用品絆ストーリー五話の内容を含んだものとなります。
 本記事で私が書きたかったメイン文章は一応、以上でだいたい終了していますので、ネタバレが嫌だったり先に自分で読みたいという方々は、申し訳ありませんが、そのままブラウザバックをよろしくお願いします。
 ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。





 それでは話を戻します。
 控えめに言って絆ストーリー五話、め~~~~ちゃめちゃ良くありませんでしたか!?!?!?!?!?!?

 今回追加された絆ストーリー五話ですが、私がまず嬉しかったのはこれまでの絆ストーリーの内容をちゃんと踏まえたものであったことです。
 マリーが普段から身に着けているコサージュ
 それについて説明するとき、マリーは最初先生に「シスターフッドの誓約と初心を忘れないように買った」と話しますが、実はそれは見栄から出た嘘であり、本当は「ただ純粋に可愛いから買ったもの」だと真実を口にします。

 し お し お マ リ ー か わ い い

 私はこの部分を初めて読んだとき、真っ先にこれまでの絆ストーリーの全体像を思い浮かべました。うまく言えませんが『シスターとしてのマリー』と『一個人である生徒としてのマリー』の共存なんですよね、ここ。
 正直に真実を話した後、マリーが「初心を忘れないように、という意味もあるのですが……!」とも言いますが、これは実際本当のことだと思います。マリー本人は『可愛いから買っただけ』という部分に注意しているせいでめしょめしょ顔になっていますが、その後にちゃんと自己研鑽の意味合いを持たせてそれが機能しているのならば、引け目に思う必要はないんですけどね。

 『初心を忘れないための願掛け』というシスターとしての側面。
 『ただ可愛いから買った』という一個人の生徒としての側面。
 伊落マリーという人間の中に確かにある、それぞれ異なる二つの顔。それらが混在している姿を見ることができて私は純粋に嬉しかったです。
 そこには、絆ストーリー第四話での「『立派なシスターになりたい』という気持ちも持ちつつ、これからは自分もひとりの生徒として、あらためて先生に接していきたいと思います」というマリーの言葉が、今も正しくなされていたからなのかなとも思いました。

 また、これらのマリーの反応に対する先生の対応も、私がとても好きなポイントのひとつです。

 質素倹約を心掛けるシスターにとってあるまじきこと、ましてや先生に見栄を張って嘘をついてしまったこと。それらの自己嫌悪からマリーは自分のことをシスター失格と言ってしょんぼりしてかわいいしまいますが、先生は"そんなことないよ"と励まします。

「"その程度なら大丈夫だと思う"」
「"シスターである前に、一人の生徒だからね"」
「"生徒だもの。可愛いものが好きだったり、オシャレをしたくなるのは普通の気持ちだと思うよ"」

マリー絆ストーリー 第五話より

 ここで「"シスターである前に一人の生徒"」とハッキリと言葉にしている部分に先生のスタンスが窺えて良いですよね。
 先生と生徒。
 大人である彼、あるいは彼女は、いつだってその立場から物事を見て、思い悩む子供たちに言葉を掛けてくれるのが私はとても好きです。

 シスターとしてだけではなく、ひとりの生徒としても先生と接することを決めたマリーの絆ストーリー。
 そこに追加された新たなお話の中で、決意の言葉を聞いていた先生が、シスターであることに囚われ過ぎてしまわないようにマリーを言葉で導くシーンが描かれてあることを、私は心から嬉しく思いました。
 だって彼女はまだ、その道を歩き始めたばかりなんですから。


◆おわりに

 以上で本記事は終了となります。ここまでお読みくださり、本当にありがとうございました。
 note記事を書くのは実に一年ぶりのことで、果たして読みやすい文章になっているか緊張しています。どきどき。

 今回マリーの絆ストーリーを再読してみて、やはりどんなものでも一度読んで全てを理解した気にならず、何度だって読み返してみるべきだよなぁ~と痛感しました。だってこんなにも覚えてないし、こんなにも意識するポイントが生まれてる。本当に良い再会でした。
 久しぶりにメインストーリーの読み直しをしてみるのもいいかもしれませんね。エデン条約編なんて、もう二年以上も前なんですから。

 ……マジで?

 それではここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。
 一年ほど前に書いた私の再推し生徒である牛牧ジュリに関するnote記事も、よければ読んでいただけると幸いです。
 それでは、本当にありがとうございました。


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