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[AI訴訟問題] Vtuberるしあってカバーの版権じゃないの?

当事者適格はあるのか?が争点

まず謝っておくが、私は該当のVtuberのことを良く知らない。ので、ファンの方からすると無知かもしれないが、本記事は裁判の話で、その題材にるしあがいるだけの認識にしていただきたい。私は司法に従う。裁判所が死ねと言えば死ぬのが当然だと思ってる。そりゃ最高裁で死刑判決でてイヤダじゃすまないもの。なので、このクラファンの結末は裁判所の決定が正しいと思っている。

まず当事者適格とは、Aの車がBの車にぶつけられて事故にあったので、隣の家のCがBを訴えた場合、当事者適格なしとして棄却される。これは裁判所がお前だれやねんと言っているのだ。
株ポケがポケモンカードデザインをイラストレーターのAに委託。その後Aのデザインに酷似したグッズが販売されているのを発見し、Aが裁判を起こすが、当事者適格なしとして棄却される。これは裁判所が「権利者は株ポケであってお前じゃないだろ」と判断するからだ。
カバー株式会社がイラストレーターやすゆきにVtuberるしあのデザインを委託し、fumi(Live2Dモデル制作)、ぽんぷ長(3Dモデル制作)がるしあを作成。その後、該当キャラクターのLoRAがXによって作成される。そのあと、ZがXのデータを使用して画像を生成したVtuberるしあのアートを作成したため、やすゆきがZを告訴しようとしている。さて、Vtuberるしあの版権はカバー株式会社か、イラストレーターなのか。

イラストレーターの当人が弁護士が見つからないといっているので、おそらくだいたいの弁護士は「それカバー社がいうならまだわかるけど」という反応なのだと思う。
本当にイラスト仕事をしたことある人間ならわかるだろうが、この手の依頼は「著作権譲渡+著作者人格権不行使」がセットである。実際やすゆきがどのような契約をしたかは不明だが、まずまともな会社なら十中八九ついているとみるのが自然だろう。法律上「著作権の帰属」というが概念があり、著作権の譲渡や独占的利用権の設定がなされている可能性が高い。というかそれが普通。しかしその場合、訴訟を起こせる主体が変わってしまう。カバー社がまともな会社なら独占的利用権を契約しているだろう。

版権物の侵害はだれかれ構わず訴えていいわけではない。仮に社員1人1人が訴えていいとなると、請求額がとんでもない額になるし、私だってかかわってきた案件について大量のyoutuberを訴える事ができてしまう。反AIの連中からも「お前が無断転載してる映像にかかわったの俺だけど」で著作権侵害で訴えることができる。でもしないのは、その権利者が会社にあるからだ。誰が当事者かかなり重要というか、そもそもそれ成り立ってないと棄却されてしまう。

Vtuberるしあの件について関係性をおさらいする。
Vtuberるしあについてカバー社が発案し、ディレクションされ、中の人が演技や声をつけ、やすゆき(キャラクターデザイン)、 fumi(Live2Dモデル制作)、ぽんぷ長(3Dモデル制作)がかかわった。
さて、例えばるしあの無許可フィギュアが発売されたとする。そういったるしあの版権問題があった場合、賠償請求できるのは誰か。やすゆきはデザインを考えたのは自分だからそれが含まれている以上自分だと言ってるわけだが、カバー社じゃねぇの?が客観的に見た見解だろう。
誰かが無許可でるしあフィギュアを発売して、賠償請求された結果、やすあきにお金が支払われるべき。カバー社やるしあの中の人、gumiやぽんぷ長ではない。以上がやすあきの弁護士が証明しなければならない課題だ。だってそこで「カバー社に権利がある」と言われたら、当事者適格はカバー社になってしまうのだから。

もしくは、本件についてならLoRAに自分の絵が学習されているわけで、それの無断使用をされたという主張をする可能性もあるが、これもやっぱりその主張が通ったとしても、被害者はカバー社である。さらにこの主張が難しいのは、ほんとにLoRAにやすゆきの絵が直接的に含まれてるのかという主張をやすゆき側がやる必要があることだ。裁判で被告は自分が不利益になることに協力する必要がない。それが世界の司法だ。被告側が「やすゆきの絵は使ってないし、私はそもそも製作者でないからわからない」と言えばそれで終わりだ。「見ればわかる(主観)」といったツイッタラー魔女裁判で日本の司法は動かない。
この証明がさらにやっかいなのが、LoRAはるしあのLoRAであって、やすゆき個人のLoRAではない点にある。「fumi(Live2Dモデル制作)、ぽんぷ長(3Dモデル制作)」と先ほど言ったが、配信を観て学習した可能性も大いにあって、それだとやすゆきの絵が直接含まれていない可能性もある。なんだったらぽんぷ長が裁判を起こすべき案件かもしれない。

ここで「いやいや著作者人格権というものがあって」と言い出す人もいるかもしれないが、先も述べた通り、イラストレーターとの契約には「著作権譲渡+著作者人格権不行使」がセットであり、勝手に著作者人格権を使うとなればカバー社がやすゆき側を契約不履行で訴える事が可能になる。なにせやすゆき本人が「権利者の許諾なく著作物が使用されていた場合、権利侵害になる」と言っているので、仮に権利者(カバー社)の許諾なくクラファンでお金を集めてカバー社の著作物で裁判起こしたという事であればかなり危うい行為に見える。契約というのはそういうものだ。

やすゆきの勝ち筋はカバー社との共同訴訟

当事者適格を認めさせるならばやはりこれが最も可能性がある。ただカバー社が黙っているのは「そもそも裁判にならなくね?」という静観状態なのか「うちの版権で勝手にクラファンしてるって何?」とやすゆき側を訴訟準備してる可能性もある。もし応援してるなら「弊社契約のイラストレーターが被害にあって…」とか、イラストレーターを守る声明を出す。ほら、反AIさん達が散々無断転載して叩きまくったプリキュアの絵だって、すぐに東映が声明出したでしょ? だから声明出してないってことはまぁそういうことなんだと思う。

まとめ

るしあの版権はカバー社だと思う
るしあの無断使用をやすゆきが告訴準備中
世の中のイラストレーターは著作権譲渡+著作者人格権不行使が基本
訴訟行為が契約違反の可能性あり(ここはカバー社との契約書次第)
当事者適格が疑問視されていて、裁判を開始させるのが難しい
やすゆきの被害額の根拠がないと、裁判で勝つのはもっと難しい
やすゆきの勝ち筋は共同訴訟
でもカバー社なんもいってないね…

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