EVという邪道
1、真相不明の交通事故
・今月初頭に中国で起きた交通事故
日経新聞 広東省の高速道路崩落、死者48人に
・死者は身元不明者を含めて51人、中国当局は死者数の公表を抑える傾向があるから、実際はそれ以上死者が出たかもしれない。
・どこのメディアも報じていないが、これほど死者数が多いのはEVが原因である可能性は非常に高い。
・事故で爆発したり燃えたりしやすいEVの燃焼に、他の車が巻き込まれたという構図。
2、実は安全性の検証が全くされていないEV
・世界一EVが進んでいる中国だが、EVの安全性に関する信頼できる統計データは公表されていない。
・現行のリチウムイオン電池は性質上燃えやすい
・毎日中国EVの自然発火が起きている。隣に止まる車が巻き込まれることが多いから、保険をかけたボロい車をEVの隣に止める習慣を身につけて、賠償金を狙うというネタが中国のネット上で流行るほどである。
・中国産のEVは大事故でぶつかったら燃えやすいのはもはや常識。
・また、発火から燃焼まではほんの数秒から数十秒足らずで、非常に危険。
・EVを買うなら、中国製は避けた方がいいと言われる。
3、EVはエコではない
・常識:電気駆動=エコは嘘、肝心なのは電気の生産方式。
・中国のエネルギー源はいまだに石炭による発電方式に頼っている。
・EVを生産するために、LCAの観点からどれだけ環境破壊やCO2が排出されるかは不明。
・EV一台の銅の使用量はガソリン車の4倍、そのせいで銅価格が歴史最高値を更新中。銅鉱山の汚染と環境破壊に誰も関心も持たない。皮肉にも、銅の盗難事件が世界中で同時多発中。
・太陽光発電はエコではない。今太陽光発電のサプライチェーンの大半は中国で完結、特に環境破壊の大きい川上の生産過程は新疆などの西部地域に集積。
・太陽光パネルの基幹材料である結晶シリコンを作るために高温が必要、その高温をつくるためにどれだけのCO2を排出するかは誰も興味ない。なぜなら、新疆に行ってみればわかる、あそこはもともと砂漠のようなところだから。
・EVを走らせることは環境保護のためだというのは嘘、単に環境汚染を人口集中の都市部から人口過疎の地方へ移転させるだけ。
4、誰がEVを推し進めてる?
・中国(ガソリン車で勝てない、EVで自動車産業と自然エネルギー産業を制覇したい)
・欧州(ハイブリッド車で日本勢に勝てない、環境左派のポリコレに逆らえない政界と産業界。)
・アメリカ(EVで自動車産業を取り戻したい、民主党政権の環境ポリコレ)
・EV産業の投資家(プライベートジェット機で海外出張や観光をする投資家たちがEVやグリーン政策を支持するより皮肉のことはあるか)
・世界中の「環境活動家」(ポリコレ化した環境保護の主張は宗教化の段階に入っている)
5、今までの流れ
・2000年代から環境保護の名目でEU勢がグリーンエネルギーの政策を推進
・それを産業発展の機会にとらえた中国当局は、国策で太陽光発電やEVなどを補助金漬けで支援する。
・産業転換が不可避になりつつあるのを見て、アメリカも慌てて方向転換して、EVに力を入れ始める。
・でも蓋をあげると、どうしても中国のように大量に安くEVが作れないと欧米勢は気付く。(そもそも最初から中国勢は安全なEVを環境に優しく作ろうとしていないし、10年以上も補助金で潤ったメーカーよりEVを安く売れるわけがない)
・このままでは、産業の裾野が一番広い自動車産業の雇用と経済の安定が保たれない、「ちょっと待った」と。
6、これからの可能性
・選択肢1:トランプの貿易政策を散々バカにしたにも関わらず、理由付けで中国に対して保護主義貿易政策を講じる。例えば、補助金調査やダンピング調査で関税をかけたりする。皮肉にも中国の補助金はもう15年以上続いているのに。(可能性高)
・選択肢2:負けを認めて、中国に自動車産業の支配権を差し上げる。(可能性低)
・選択肢3:日本と和解して、ハイブリッド車の有効性を認め、それを推進させる。(可能性中)
7、日本勢自動車メーカーはどうする。
・自動車産業がポリコレと大国競争の政治おもちゃになった以上、ルールメーカーになれない日本は流れを読み取ってそれに乗ることしかできない。
・トヨタの全方位戦略は正しい。いち早く環境保護の嘘を見抜いて、EVのみに可能性に賭けないのは賢明な判断。
・ポリコレ勢の存在でEVはやめられない。でも馬鹿げた完全EV化の目標は変更を強いられる。ガソリン車、ハイブリッド車、EV、水素電池車などいろんな選択肢が共存する自動車産業の未来が合理的。
・自動車産業を奪い取れない日本に未来はない。国富の奪い合いはゼロサムで残酷。15年以上国策で鍛え上げられた中国勢に勝つには、同じく日本政府からの支援が不可欠。でも、それは保護主義貿易の逆襲であり、自由主義貿易の終焉を意味する。