深く重い漫画に出会ってしまった
ここ数日、頭の中から離れない漫画がある。
暇さえ、というか隙さえあれば電子書籍を開いたり、他の読者様のレビューや考察を読んだりしている。
私のどっぷり沼りやすい気質が、この度も遺憾なく発揮されている。
先日は高良くんと天城くん、その前はちぇりまほだったな。
でもお腹にずーんときて難しい顔して読み耽ってる点で過去の2作とは違い、沼り方もちょっと重め。
そんな作品のタイトルは、
『囀る鳥は羽ばたかない』
ヨネダコウ先生です。
腐の諸先輩方からすればきっと超有名で超メジャーな作品。こうやって取り上げるのも今更な感じだろうと思う。
LINE漫画でもオススメには何度となくあがっていたが、任侠ものはなんかハードそうと思ってまだ読んでなかった・・・こんな名作を!!
もっと早く読んでいたらとも思ったが、言うて私は半年前からBLにハマりだした超超ビギナーなので、出会えて良かったという気持ちの方がただただ大きい。
私ごときがこの名作について語るのもおこがましいのだけど、でもここ数日溺れるように読んでいて、しかも内容が濃厚特盛のため全然消化できてない。なので、この場にアウトプットさせてもらうことで消化していきたいと思う。
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とにかく絵がきれい。上手い。空気感が映画っぽい。
登場人物たちの心理描写や過去の出来事・背景とのからみがこれまた深い。人の心情についての思慮深さが一般の3倍。漫画やドラマでよくある設定のさらに奥深く追求したうえで、全部を一度に出さず抑えるところは抑えて描写してある。だから読んでてものすごく悩むし考える。考えても正解はすぐにはわからないので、想像しながら読み進めていく。
どの段階でどこまで想定して描いてるんだろうと本当に思う。先生の脳内どうなってんだ。
伏線がありすぎて、何度遡って読み返したか。
ストーリーの構成もすばらしい。
一番最初に影山と久我のエピソードを入れてきたのも秀逸。
読み始めた時、影山が主人公だと思ってたもん。「あれ表紙の人とちがうなー」って思ったもん。
それで影久我のエピが完結したら矢代の話がグイグイ始まって、脳みそちょっとついていけなかった。
あのエピを冒頭に入れるってどうやって思いついたんだろう。
読んでる最中、何度も戻って読み返したよ。え、あの時矢代どんな顔して言ってたっけ、それに対して影はどんなリアクションしてたんだっけ、、うわ、せつな!って。読み返す度に、矢代への感情移入が高まっていって苦しかった。
あのエピがあるから6巻のラストの1場面に意味が生まれるし、矢代の心情の変化を読み取ることができると思う。
そう考えると、やっぱりあのエピを冒頭に入れるのいつ思いついたの!どうやって!
こんな構成見たことない。。ただただ感服。
矢代が、もう、顔を思い浮かべるだけで切なくて胸が苦しくなる。正直仕事なんか手につかない。家事なんてやってらんない。ただただ矢代(と百目鬼)のことを思って涙を流していたい。
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以上、6巻まで読み終えての感想です。
7、8巻へと早く進みたい気もするけど、、
既刊を読み終えてしまうのがもったいないのと、読み終えてしまうと次巻が出るまでどうやって生きていったらいいのかわからないのとで、なんとなく第1部が完結した雰囲気の6巻で小休止、消化吸収タイムです。
もうしばらくは6巻までを反芻し、解釈を深めていきたいと思います。
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