電線を握って感電すると手が離せなくなる理由(医学の小ネタ)
こんにちは。
世界びっくりニュース(仮)みたいな番組で、
電線を握って感電しているのに、何故か手を離さない人を見たことはありませんか?これ不思議ですよね。
私は受験勉強をしている時にこの理由を知りました。
くだらない知識なのですが、私自身はそれを知ってなんか面白いと思った記憶があるので押し付けがましいですが共有したいと思います。笑
これに対するシンプルアンサーは、握る力の方が離す力より強いからです。
手を握る(グー)、離す(パー)時に働く筋肉は
主に前腕の
(グーの運動を担う)屈筋群
(パーの運動を担う)伸筋群
が作用します。
ちなみに、前腕とは肘から手首までの範囲を前腕といいます。
手とか腕とかややこしい言葉なので、ここでは一応解剖学的な前腕の定義を示しました。
グーパーには手(hand)にある細かい筋肉(手内筋)も作用しますが、
大きな力を出力するには前腕にある屈筋・伸筋の収縮が必須となります。
前腕の筋肉は腱を介して関節にくっつくことで対象となる関節は動きます。
料理をする人は見たことがあると思いますが、
腱は鶏肉を切る時に出てくるあの白くて硬いピロピロです。
これで伝わればいいですが、分からない方は腱をググってみてください。
原理としてはマリオネットと同じです。
例えて言うと、
・マリオネットの糸が繋がる先の部位が各骨格(関節を構成する)
・引っ張る糸が腱
・引っ張る人間が筋肉
だと考えてください。
人体も同じような仕組みで、筋の作用により
受動的に関節運動が起きることで動けます。
実はマリオネットは、マリオネットの仕組みを使って操られています。変な感じですね。操っているのは人間の意思とでもいうのでしょうか。
感電すると、、
筋細胞に活動電位が発生します。
活動電位とは、筋細胞の興奮のスイッチのようなものです。
高電圧の感電では、
活動電位が発生して全ての屈筋、伸筋が一斉に収縮します。
屈筋と伸筋の綱引きの結果、屈筋は勝利します!
出力は屈筋>伸筋なので、活動電位発生の元となる感電を解除しない限りは屈筋は勝ち続け、それが結果として握り続けるという動きにつながります。
これが感電すると手が離せなくなる理由となります。