妄想

吸血鬼や亜人。彼らは死ぬことがない。
傷を負っても回復し、肉体は滅ぶことなく永遠に生き続ける。
そんな彼らは社会という呪縛から逃れている。
生きる為に働く必要はないからだ。お金がなくても生存出来る。
自分がそうだとしたら、気楽に生きれると思う。
社会に捕らわれるのではなく、社会を俯瞰している。
無理に人と関わる必要もない。
自分を残して他人は全員消えていくから、他者に対して寛容になるだろう。
孤独だが、寂しさはない。
永遠の存在だから自分を誇示する必要もない。優越感を保つ意味もない。
有限な存在である人間を、一瞥している。
他人や世界に対して、対立する必要もなくなる。
自分を残して、光景は過ぎていく。
何かを残す必要もない。
唯一のデメリットは、退屈なことかもしれない。


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