NASDAQ100とSP500指数の週足チャートでローソク足の髭について統計を取ってみる。
①イントロダクション
一般的に下髭が長ければ上昇のプライスアクション、上髭が長ければ下落のプライスアクションと言われるが、統計をとってみる。
②NASDAQ100(NQ1!)週足
○過去の平均
・まず過去500本の髭の長さ(価格に対しての割合)の平均は、上髭0.5025(%)、下髭0.6305(%) 平均0.5665(%)
・平均すると上髭よりも下髭が長いらしい。
・この平均の長さを基準に条件に該当するローソク足の次の足の値動きの偏りについて調べていきたい。
※値動きを調べるにあたって、比較対象として条件のなしの「全体の平均」 1本後+0.213% 10本後+1.643%
○下髭の長さとその後の値動き
「下髭が平均以上の場合」 1本後+0.339% 10本後+1.818%
「下髭が平均の2倍以上の場合」 1本後+0.306% 10本後+2.161%
「下髭が平均の3倍以上の場合」 1本後+0.310% 10本後+2.293%
「下髭が平均の4倍以上の場合」 1本後→-0.091% 10本後+1.781%
・週足の下髭は全体的にはややプラスの優位性がありそうだが、長すぎると良くない可能性がありそうだ。
○上髭の長さとその後の値動き
「上髭が平均以上の場合」 1本後+0.315% 10本後+1.732%
「上髭が平均の2倍以上の場合」 1本後+0.243% 10本後+2.470%
「上髭が平均の3倍以上の場合」 1本後-0.032% 10本後+2.068%
「上髭が平均の4倍以上の場合」 1本後-0.110% 10本後+3.767%
・週足の上髭も困ったことに全体的にはプラスの優位性がありそうな結果になってしまった。平均の3倍以上の長い上髭は極短期的にはマイナスの優位性があるかもしれない。
○下髭の長さ以外の要素も追加して調べてみる。
赤「下髭が上髭の2倍以上」 1本後+0.305% 10本後+1.772%
青「下髭が全体の40%以上、上髭の2倍以上」 1本後+0.431% 10本後+2.153%
緑「下髭が全体の40%以上、上髭の2倍以上、下髭の長さが平均の2倍以上」 1本後+0.467% 10本後+2.153%
橙「下髭が全体の40%以上、上髭の2倍以上、下髭の長さが平均の3倍以上」 1本後+0.246% 10本後+2.709%
・赤の条件だとあまり優位性がないが、青以上の条件だとプラスの優位性があるかもしれない。
○上髭も長さ以外の要素も追加して調べてみる。
赤「上髭が下髭の2倍以上」 1本後+0.055% 10本後+1.331%
青「上髭が全体の40%以上、下髭の2倍以上」 1本後-0.079% 10本後+1.617%
緑「上髭が全体の40%以上、下髭の2倍以上、上髭の長さが平均の2倍以上」 1本後+0.111% 10本後+3.054%
橙「上髭が全体の40%以上、下髭の2倍以上、上髭の長さが平均の3倍以上」 1本後+0.227% 10本後+2.452%
・上髭の1本後につていは、マイナスの優位性があるかもしれない。赤の条件だと長期的にもマイナスの優位性があるかもしれないが、緑・橙の条件では2本後以降プラスの優位性が高いらしい。
③SP500(ES1!)週足
○過去の平均
・まず過去1000本の髭の長さ(価格に対しての割合)の平均は、上髭0.4254(%)、下髭0.5957(%) 平均0.5106(%)
・NASDAQ100同様平均すると上髭よりも下髭が長いらしく、NASDAQより長さの差が大きい。
・この平均の長さを基準に条件に該当するローソク足の次の足の値動きの偏りについて調べていきたい。
※値動きを調べるにあたって、比較対象として条件のなしの「全体の平均」 1本後+0.171% 10本後+1.128%(どうやらNASDAQ100の8割程度の上昇率のようだ。)
○下髭の長さとその後の値動き
「下髭が平均以上の場合」 1本後+0.237% 10本後+100.911%
「下髭が平均の2倍以上の場合」 1本後+0.249% 10本後+0.385%
「下髭が平均の3倍以上の場合」 1本後+0.198% 10本後+2.265%
「下髭が平均の4倍以上の場合」 1本後→+0.275% 10本後+0.766%
・SP500の場合、週足の下髭は1本後には若干プラスの優位性がありそうだが、長期的には平均を下回る上昇率になるようだ。
○上髭の長さとその後の値動き
「上髭が平均以上の場合」 1本後+0.130% 10本後+0.923%
「上髭が平均の2倍以上の場合」 1本後+0.226% 10本後+1.039%
「上髭が平均の3倍以上の場合」 1本後+0.524% 10本後+0.815%
「上髭が平均の4倍以上の場合」 1本後+0.575% 10本後+1.435%
・SP500の場合、平均より長い程度の上髭にはどちらにもあまり優位性がないようだ。平均の3倍以上の長い上髭はNASDAQ100とは逆に短期的にはプラスの優位性があるかもしれない。
○下髭の長さ以外の要素も追加して調べてみる。
赤「下髭が上髭の2倍以上」 1本後+0.112% 10本後+0.920%
青「下髭が全体の40%以上、上髭の2倍以上」 1本後+0.112% 10本後+0.695%
緑「下髭が全体の40%以上、上髭の2倍以上、下髭の長さが平均の2倍以上」 1本後+0.138% 10本後+0.396%
橙「下髭が全体の40%以上、上髭の2倍以上、下髭の長さが平均の3倍以上」 1本後+0.201% 10本後+0.157%
・SP500の場合、NASDAQ100とは逆にマイナスの優位性が目立つ結果になっている。下髭が長いほど長期的にはマイナスの優位性があるかもしれない。
○上髭も長さ以外の要素も追加して調べてみる。
赤「上髭が下髭の2倍以上」 1本後+0.328% 10本後+1.955%
青「上髭が全体の40%以上、下髭の2倍以上」 1本後+0.074% 10本後+1.799%
緑「上髭が全体の40%以上、下髭の2倍以上、上髭の長さが平均の2倍以上」 1本後+0.197% 10本後+2.340%
橙「上髭が全体の40%以上、下髭の2倍以上、上髭の長さが平均の3倍以上」 1本後+0.309% 10本後+3.515%
・SP500の場合全体的にプラスの優位性が高そうな結果になった。
④ここまでのまとめ
条件によって異なるが…
NASDAQ100下髭→短期・長期プラスの優位性
NASDAQ100上髭→短期マイナスの優位性・長期プラスの優位性
SP500下髭→短期若干プラスの優位性・長期マイナスの優位性
SP500上髭→短期若干プラスの優位性。長期難しいがプラスの優位性?
といった感じになりそうだ。
・今のところの結論としては、NASDAQ100とSP500で真逆の結果の場合もあり、髭の長さだけでその後の値動きを判断するのは難しそう。
特に上髭だからとショートすると、逆に大きく動くリスクがありそうだ。
長い上髭はボラティリティの増加を示唆しているのでは?という疑念が沸いた。
たぶんつづく‥
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