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推しが社長になった話

平々凡々なオタク人生の中で、恐らく過去一番の衝撃的な出来事が起きてしまった。推しているプロレスラー棚橋弘至選手が所属している団体の社長になったのである。

前兆というものがあった訳では無く、本当に突然で、昼時のTLに公式からその人事の情報が投下された。

同じく棚橋選手推しの人や、推しは別でも棚橋選手に対して好意的な人が多い私のX(旧Twitter)のTLは一瞬で大騒ぎになった。
いや、私のTLだけではなく、プロレス界隈のTLはどこもその話題で埋め尽くされていた。

そのくらいの衝撃的な出来事だったのだ。

私自身、棚橋選手が会社の何かしらの役職に就くとは思って居た。

――が、それはあくまで、何年後かの"引退後"の話だとなんとなく思っていた。

惜しまれつつ身を引いて、フロント側にちゃっかり納まる的な緩やかなキャリアの変更。と、勝手に思って居たのだが、現実はそうではななかった。

個人的な想いとしては、不安しかない。

ただでさえ忙しい選手業と社長業の兼任が肉体的に出来るのか。
忙しさで、最高峰ベルトの戴冠が遠のくのではないか。
社長業を就くことによって選手として受ける誹謗中傷以外の、心無い言葉を更に受けるのではないのか。
なにより、社長業に比重が大きくなり、最後の時間が早まるのではないのか。

ファンの勝手な想いとしては、新日本プロレスに身も心も捧げて来たのだから、若手が十分に育って来たこれからはもっと自由に好きなように「一選手として」プロレスラー人生を謳歌する姿を見たかった。

引退された獣神ライガー選手がそうだったように、いろいろな他団体で縛りも無く自由に戦って欲しかった。

ただ、それはファン個人の勝手に推しにぶつけるわがままな理想だ。

私の中で消化は出来て居ないものの、推し自身がこれから取り組もうとしている仕事を応援したいという気持ちは間違いない。
願わくば、選手と社長業を兼任した選手たちが辿った過去の因果を、どうか推しの力で撥ね退けて、変えて欲しい。

世界で一番大好きな推しがどうか、周りの人間に助けられ、一人で抱え込まず必要以上に苦しまずに、仕事を遂行出来ますように。

これからも、応援していきます。

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