MyNovel
A「はぁ、はぁ、はぁ、」
今日は金曜日。週末だからと言うこともあるが今日はいつも以上に人が多い。会社から呼び出しをくらい、急いで身支度を整えた僕は、公共機関を使わず急いで会社へ向かっていた。本当なら今日は休み。数少ない休みを満喫するはずだったのに理不尽にも出勤することになった。
元々がブラック体質と言うこともあるが、誰か一人休んだ事を差し引いても。この扱いはあまりに理不尽といえる。
この会社に入社したのは丁度3年前、F欄大学に在籍中60社ほど面接を受けて、ようやく内定をもらったのが今の会社だ。元々行きたかった訳でもなく、経営理念に惹かれた訳でもない。就職氷河期の真っ只中、他の同級生が第1志望の会社への内定が次々と決まる中、僕は内心あせっていた。
当然だ。就職出来なければ人生は半分終わったようなもの。
淡々とアルバイト生活を続けこき使われる大人になってしまう。そんな絶望的な未来に嫌気が差した僕はこの際決まればどこでも良い。あまり深く考えずに内定をもらった会社に就職した。 それが地獄の始まりだとも知らずに。 End