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おじいさんと私

とある日、道の端に杖を振り上げているおじいさんを見つけた。私には何かを呼んでいるみたいに見えて一声かけた。

「大丈夫ですか?」と私は言う。

「タクシーを呼んでいるのだよ」とおじいさんは言う。

「タクシー呼びましょうか?」と聞き返す。

「いや、大丈夫だよ。ありがとう。」と言われたので、これ以上はお節介だと思いそそくさと帰路に戻る。

帰る途中ある用事を思い出し来た道を戻った。おじいさんを見た辺りまで戻るとどこにもいなかった。

人の縁とは前世から繋がっていると言う。あのおじいさんと私の間に何らかの因縁があるのだろうと、その時なんとなく思った。


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