白い部屋

ベッドに仰向けになり、首の後ろに毛布で高さを作ってやると首が35度くらい持ち上がりスマホをいじりやすくなる。こういうこと、普段何気なくやっていることを文章にしてみると面白い。恥ずかしい話だが、3分くらいかかってしまった。どうすれば読んでくれた人に伝わるだろうか、考えると結構時間がかかる。
こんな大したことのない一文でも苦労したのに、この何倍もの文章を書いて読者に伝える小説家の方々は本当に凄いと思う。私は大学3年生の頃に平野啓一郎さんの『決壊』という小説を読んで、こんなに面白い小説あるんだって感動した。なにが凄いって、やっぱり、登場人物それぞれの心理描写の細かさだと思う。人にはいろんな人との分人があって、その分人ごとの書き方が自然でリアルだから、うわ、こんな人間をよく観察してる、若しくは、よく知っている人がいるんだ、恐ろしいなって思った。
決壊は今でも折りに触れて読み返す、自分にとって大切な一冊です。
内容は暗いけれど、なぜか惹かれてしまいます。
こんな夜には、読み返したくなります。

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