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感想

子供の頃は、ただ生きていくだけで何か(友人、趣味、お金、知識)を得ていくので、将来は明るいものだと無意識のうちに感じていた気がする。もしくは周りの大人たちのおかげでそう思えてこれたのだと思う。しかし、人生というのは、ある時から失うもののほうがはるかに多く、大切なものだったと、失ってから気づくことが多いものだと知っていく。『荒地の家族』という小説を読んだ。序盤の方の、母と主人公の会話に、何故か泣けてしまった。子供の頃は、仲良くしていたはずだった。時間が過ぎ、皆自分のことでいっぱいになって、すれ違うことが多くなって、どう接したらいいのかわからないからそのまま放置して、失う。生きていくうえで失うことは避けられないなんて一般論は当事者を慰めない。ただ、日々の生活に打ち込むことで、どうにか気を紛らわすことしかできない。それでもふとした時に頭をよぎる。完全にゼロに戻ることなんてない、ただすこしずつ薄まっていくだけだ。人生は淋しいもの、だと感じずにはいられなかった。

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