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親愛なる、ポステコグルーを不安視する皆様へ

最近は4連勝と調子を上げるポステコスパーズだが、解任しろという声は少なくない。攻めているのに点が取れない。そのもどかしさにファンも苦しんでいるだろう。

1ファンではあるが、改めてポステコグルーのサッカーについて書きたいと思う。

ポステコグルーのサッカー

彼にサッカーの始まりはとにかく後ろから繋ぐ。
そして、ビルドアップにかける人数は少ないのが特徴。
なぜ人を少なくするのか?

これは私の推測だが、擬似カウンターを作りやすくするためだと考える。
擬似カウンターは自陣でボールを回して相手が前からボールを奪いに来させるように誘導し、相手が食いついたところをひっくり返す戦術と捉えている。自分たちがボールを持っているので労力を使う守→攻のトランジションなしで始められるメリットはあるものの、相手が前がかりにならないと発動しにくいのがデメリットだ。

セリエAの話になるが、23‐24シーズン ボローニャを率いていたチアゴ・モッタは擬似カウンターを駆使してリーグ5位という好順位を出していた。
チアゴ・モッタの擬似カウンターの仕組みはここでは詳しくは書かないが、CBのオーバーラップやCFが中盤まで降りてきてのビルドアップ参加と相手を誘いつつ、対応を難しくさせる攻め方をしていた。しかし、引き分けがリーグトップの14あった。答えは単純、擬似カウンターを発動させられなかった試合も多かったのだ。

相手が食いつかなければ、擬似カウンターは発動しない。
ボールを持ちつつも相手の出方次第になるこの戦術は、発動しなかったときの戦術も備えておかなければならないのだ。

話を戻すが、ポステコグルーのビルドアップはGKと2CBの3人がボールを回しながらアンカーないしは、中にポジションを取る両SBにボールをつけれるか探る。
ビルドアップにかける人数を少なくすることで、リスクは増えるものの
相手が前から嵌めに来てくれる確率は大きくなる。これで擬似カウンターのデメリットを発生しにくくさせている。

アンカー、両SBがマンマークにより出せない、または前からのプレスに嵌まってしまったときの迂回経路としてはタッチライン目いっぱいにポジションを取る両ウイングに出すか、マディソンが降りて対応する。

とくに両サイドのウイングにあて、スペースに落としたボールをSBが回収して持ち上がる動き(レイオフ)は前からのプレッシャーを剥がせるし、一気に局面をひっくり返せるのでゲーゲンプレス対策に効果的であるが、失敗すると前がかりになっている相手に得点の可能性を高めてしまう。

これだけビルドアップにかける人数を少なくしてもなお、相手が自陣に戻りブロックを敷いてカウンター狙いのチームも出てくるだろう。
実際、そっちのチームの方が多く感じる。
最終ラインはCB2枚になっているため、両サイドに広大なスペースが生まれている。相手はカウンターでそのスペースを狙ったほうが効率的だと。

相手陣内でポゼッション時の鍵を握るのがSBである。
ビルドアップ時に中に絞った彼らは、そのままポゼッション時も中盤よりに位置取りして攻撃参加する。内側に絞る理由を以下にあると考えている

1つ目は、内側に絞ることでサイドのスペースをウイングが大きく使えるようにする。ポステコグルーがウイング求めるものいくつかあるが、とにかくドリブルで仕掛けられる選手を好む。ボールサイドのウイングとSBの狙いはゴールではなく、ポケットの侵入あるいは深いエリアからのクロスになる。SBも内側に絞らせることで、なるべくウイングには1対1の局面を作って攻撃を進めたい思惑があると考える。ウイングのところでポケットが狙えないならウイングの対峙するDFの後ろを狙ってSBが攻撃参加するパターンもある。(どっちかというとそっちの方が多い?)

ポゼッション時の各ポジションの狙い

2つ目は、ネガティブトランジション時のハイプレスの奪いどころして両SBを絞らせていると私は考えた。ポゼッション時にボールを失った瞬間、CB以外の選手はボールを奪いにプレスをかける。理想はハイプレスで奪いきりショートカウンターというところだが、ハイプレスのプレッシャーに耐え切れず相手がロングボールを蹴ったところを身体能力が高いCBで回収して、再び自分たちの攻撃にするのがポステコのサッカーの原則である。
そのためSBを中盤に絞らせることで、ネガティブトランジション時の奪いどころとして期待しているのではと考えた次第である。

ネガティブトランジション時の動き。(無料版なので全員の動きが示せず申し訳ありません。)
とにかくボールに人数をかけて前に蹴らせるか、後ろに戻させれば良し(と私は考えている)

最後に・・

ポステコグルーは大きく3つの狙いを持っていると考えている。
擬似カウンター→ポゼッション(ポケットを狙う)→ハイプレス(ショートカウンター)

ポステコグルーの戦術をポゼッションだという人がいるが、それは試合全体ではなく一部分を切り取ってみただけに過ぎないと私は思う。もちろん試合展開によってはポゼッションの時間が長くなったりすることもあるだろう。

しかし、ポステコグルーは全体で見ると各フェーズごとに明確な目的を作り出しており、とにかく攻撃的でファンが熱狂的になる試合を作り出そうとしているのが分かると思う。

ポステコグルーのサッカーはとにかく試合を重ねれば重ねるほど
精度が上がり、攻撃力が増すと私は踏んでいる。これからもっと狂気的な試合が見れるはず・・👼

まだ始まったばかり、様子を見ようじゃないか。

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