ワールドトリガー第246話、247話「若村麓郎2・3」感想
ジャンプSQ2024年11月号、ワールドトリガー246話「若村麓郎2」、247話「若村麓郎3」の感想です。
「若村麓郎3」!
個人名タイトルランキング、若村麓郎が一挙に同率9位に躍り出ました。陽太郎レプリカに並ぶ順位です。香取隊長も1話しかないのに、すごいねろっくん!
一挙2話掲載、1話目で落として2話目でフォローしてくれるのかなと予想していましたが、思っていたよりフォローのページが少なかったですね…覚悟していたよりも深いところまで、念入りに叩き落とされました。あまりのダメージに、初見はしばらく感想を書く気力もなかったほどです。ヒュースお前そんなことを思いながら隊長として仕えていたのか…
*まずは246話から。半崎はヒュースの噂を打ち消す協力者でしたが、今回の件でヒュースの正体までは知らされないままに協力したんだとわかりました。近界民だと知っててこの反応はないでしょう。同じく協力者だった佐鳥は知っているのでしょうね、米屋も近界民という発言を避けていましたが、審査員席もヒュースや遊真の素性を知ってる人と知らない人が混在しているので会話も気を使いそうです。
*言葉の定義付けから始まるのは正解を探したいろっくんらしさなのかもしれないけど、読者の期待に応える意味も強そうです。
『実力』の定義、作品全体じゃなくてヒュースが考えている定義 くらいのスタンスでいいんじゃないかと私は思っていますが、トリガー角で翻訳された言葉だと考えたらやっぱりあの世界全体での定義になるのでしょうか。
*タイヤキの話、『どちらが売れるか』って来ると思ったから、味の話になったのはずいぶん可愛らしいなと思いました。そのあとすぐ売る力の話になったので、やっぱりそこよなぁと。
美味しいかは隊員個人の目標、より多く売るは隊長の目標なのかなと思います。採算度外視で美味しいけど商売のことは考えてないのが天羽の黒トリガーで、ノーマルなタイヤキだけじゃなく色々な商品開発をさせるのがボーダー?
*修の実力は選抜試験で証明されつつある、ってヒュースが断言しちゃうの本当に嬉しい。ヒュース、修のことを高く評価してくれているんですね。ちょうどワーステで加入したばかりで修からの握手を受け入れないヒュースが描かれています、1ヶ月で評価がずいぶん上がったものだと感涙にむせびます。
*不運や理不尽による敗北も実力、ROUND8で転送運が悪くて7vs1の戦いを強いられたヒュースが言うと重みがありますが、ここの面子ROUND8のヒュースを見てないかも?笹森と若村は中位戦だったし、荒船穂刈は観客席にいたのに半崎はいませんでした。
上位戦が面白い試合だったのは聞いただろうから後からログを見るか、ランク戦が終わったからしばらくランク戦のことは忘れているか…試験期間が終わった学生のようなものだし、次のランク戦までに見ればいいかでまだ見てない可能性もありそうです。
*遠征を目指す理由を詳しくは知らないヒュース、修達の事情をヒュースに話して無いのかと驚いたけど、C級とレプリカを助けに行くって加害者一味には言いづらいですよね(ぶっちゃけた)。遊真が近界民だという事情に触れなければならない話でもあるし、ヒュースがポジショントークしてる可能性もあるから判断保留します。
*子供ヒュース可愛い❤️今さらだけど、今のところ玉狛第2では修だけ子供の頃の姿がないですね。見たい、修の子供時代見たい。ペンチメンタルのルーツを知りたい。そういえば玉狛第1も烏丸だけ若い頃の映像がありません。(太刀川隊時代はもう今と変わらないのでここでは無視)アルバム企画とか欲しいです。そんな余分な話をしている隙はないか…
*ろっくんが「オレに無え物を『持ってる』人間」として挙げた面子、オールラウンダーと銃手射手、やはりろっくん自身が銃手だからか中距離ポジションが多いですね。射手である二宮さんがいないのはなんかわかる、ちょっとやそっとで渡り合えるとは思えないほど別格ですもの。この項は後でもう少し書きます。
*そして迅さん勧誘エピソードがA級審査員達にも知られるところとなりました。
遅番の審査員は冬島隊、風間隊、草壁隊、加古隊。風間さんはもちろん知ってる、ガロプラ迎撃会議に出ていた冬島さんも多分知ってるでしょう。草壁隊の面々は知らないでしょう、佐伯君はマジかかっけぇ。緑川はその手があったかと、将来自分が隊を立ち上げる時に迅さんに交渉しに行くかもしれません。
加古さんは鬼怒田さんをスカウトしようとしていたくらいなので、知っても驚かなさそう。案外加古さんの話が審査員達の話題をさらって、修の影が薄くなるはありそうですね。主人公が考えることは他の人も思いつく、いつもの描写です。
しかし公言はできないけど、『同じ支部の先輩を勧誘』より『侵略してきた捕虜、しかも修と千佳に発砲した男を自分の隊に入れる』方がよほど非常識で心情的にも理解し難いんだけどヒュースも修もわかってます?それを必要だからで割り切っちゃう強さが怖いです。『河原で殴り合って友情が芽生えた』大規模侵攻バージョンなの?
*香取隊を抜けるよう進言したなんて、香取が聞いたら物凄く怒りそうです…ヒュースは香取の怒りを受け止める覚悟があるかい?修が一緒に受け止めてくれるかな…
他に手段があるなら香取隊を抜ける必要は無いんだけど、麓郎が一人で考えていたら他の選択肢は出てきそうにありません、他の手段を思いつけるキャラならとっくにやっていたはずなので。現在の臨時隊がそうだという結論に達することができるでしょうか?
香取と麓郎について、『わがままな天才に振り回される凡人』ってテンプレに当て嵌めちゃっていたんだと気付かされました。香取への意識もだいぶ変わりそうです。
*そして247話。ヒュースが隊長としての太刀川をよく知らんということは、ヒュースにA級の試合は見せていないということですね。
流石に遠征に行く隊員の情報は渡さないという判断かと考えたところで、敢えてB級の戦闘だけ見せてボーダーの戦闘力レベルを誤認させるはアリかもと思いつきました。自転車といえばママチャリしかないと思わせて、実は電動機付きやレース用、水上を走れる自転車もあるという感じで。
大規模侵攻でも隊として参加したA級は風間隊嵐山隊だけです、A級の『隊での連携』について情報はそれほど伝わっていないはず。大規模侵攻があると知っていながら、迅さんが加古隊やスカウト組のスケジュールを動かさなかったのは更にその先、遠征を見据えてのことだったのかもしれません。…そうすると隠し玉だった片桐隊や草壁隊が遠征に行って、風間隊は遠征に行かないかも…菊地原歌川が試験に参加しているのは風間隊が遠征に行くからだと信じているのですが…
*そして爆弾が落とされます、予想をはるかに超えるきっつい発言でした…半崎じゃなくてもいやいやヒュースくんって止めたいところです。笹森がさりげなく良い動き、やはり読者とは違う視点を持っているのでしょうか?
*今回を踏まえると、よくヒュースは何も言わずに若村にシミュを任せていたなぁと改めて思います。試験開始前から、若村の指揮力に不安がある事を知っていたのに黙って従っていた訳ですから。
若村の能力不足を上層部も把握していたなら、『ヒュースの我慢が効いているのが不思議だ』という根付さんの疑問に更に味が出ます。…逆に、始めから分かってて当然の結果だったからヒュースは不満に思わなかった、はあるかもしれません。
指揮権譲渡を提案したマリオちゃんは若村の指揮力を見抜いていたんでしょうか?マリオちゃんの反応も早く知りたいです。
*強すぎるエースを抱えているのは修も同じだけど、ヒュースは修の力を認めてくれているのが嬉しいですね。
*B級中位になれない人もたくさんいるんだから、麓郎は十分に結果を出してるし無能なんかじゃないのですが、周囲が出来すぎてる人ばかりだから辛いでしょうね…
*ここまでキツい事はやっぱり師匠が言うべきだったんじゃ無いかと思いましたが、若村が苦言を受け入れる状態になるのは今のタイミングしかなかったのかもしれません。
自分より銃手ランク低い人に言われたくないと香取、二宮隊より弱い連中に文句は言わせないと二宮、弟子にポイントを抜かされた荒船の周囲からの扱いとかもそうですが、ボーダーはポイントやランク戦で順位付けがはっきりしているせいか、どうにも『力こそ正義』な人が多いです。
そんな空気の中、香取隊が2期連続で上位キープしている状態で苦言を受け入れられるとも思えません。
若村は閉鎖環境試験で香取隊を抜けて違うメンバーで隊を組んで負け続けて、やっと自分の立ち位置を把握できた。ランク戦だけでは足りなかった、閉鎖環境試験の5日間も若村には必要だった、ということなのでしょう。
*落ち込む麓郎にヒュースのケアが適切すぎます…自転車や箸のエピソードがここに効いてくるとは思わないですよ…こんな優秀な男を捨てちゃって、アフトクラトルは本当に勿体ないことをしたものです。
突然ですが、ハイレインがヒュースを生きたまま置いて行った理由について色々と推測が行われていますが、私は単純に敵勢同士を損耗させるつもりだったんだと思っています。ヒュースが無力化されるまでの戦闘で、ボーダー側とヒュース双方が大きなダメージを受けることを期待していたのだろうと。ハイレインがエネドラの独断専行を許したのは、残していくヒュースにボーダーのヘイトを集めるためだったまであると思っています。
なのに、まさか稀代のSE持ちに言葉で丸め込まれちゃって戦闘せずに投降した上にボーダーの一員になって、隊員育成に助言までしてしまうとは、ハイレインの予想外だろうと思います。
*そしてこの様子を見ているA級隊員や上層部の評価が気になります。真面目で遠征にも役立ちそうだと思うか、そんな男の忠誠心がいざという時にどう転ぶかわからないと判断するか。
*刻むも大事だけど、正しい方向に的確に刻まないと壁は登れない。
戦闘面では高すぎる壁に挑んでいた修に、ステップとして唯我をあててくれた出水先輩は有能だったんだなと改めて感謝しました。
ヒュースは積めば超えられるというけれど、積む高さと超える壁の高さが合ってなければ当然超えられない、そのやり方では今期の選抜には間に合わないと苦言を呈する木虎も正しいです。
修に厳しい言葉も受け入れる姿勢があると前回の感想で書きましたが、更に『指導が自分に合うかどうかを取捨選択出来る判断力』も修は持っていると追加します。
出水の「50勝にまけてやろうか」という提案は48勝の時点で出されています。強力な合成弾、まさに若村が考える『何か』が修の目の前に置かれますが、修は自分には使いこなせないとこれを断るのです。パワーアップは出来る時にしておけと既に助言されているのに、これは使いこなせないと断れる判断力は15歳とは思えません。
*笹森にはフォローを期待していたので、半崎と同室なんだとちょっとびっくり ここで1ヶ月引いちゃうのか…若村の目に力があるから大丈夫と信じます!待て次回!
今回の視点を得て読み返すと語りきれないほどの新たな発見があって、情報量と時間のアンバランスに溺れそうです。
『強いエースに引っ張り上げられたから学習する機会を得られなかった』、まさに今の水上9番隊も同じ状況では?
水上がチームを首位に引っ張り上げたけど、期限を切られた中で時間がどれだけ大切かを照屋が理解していません。水上がそれを許している状態だし、まだ失敗とも限らないので、ここで一旦止めておきます。
時間をかけて交流することが戦闘試験のチームワークに繋がるかもしれないし、失敗が戦闘試験で生きるかもしれません。みんなまだ成長中で何が糧になるかわからない、楽しみに今後の展開を見ていきたいです。
ヒュースの試合視聴時間を考察する
ヒュースが臨時隊チームメイト全員の今期の試合を見たというので、全部で何試合観たのか数えてみました。時間がないのに力の入れどころを間違っている気もしますが、ランク戦の順位推移は自分でまとめたかったので良い機会でした。
ヒュースはオペも一緒に行きたい隊員に選んでいるので生駒隊の試合も観ていると思いますし、真面目だから、何度も観ている玉狛第2戦も違う視点で再度観るだろうと判断しました。
生駒隊はずっと上位、香取隊がROUND4で上位→中位、諏訪隊と荒船隊はずっと中位で下位には落ちていないものと仮定します。各ROUND昼夜に分かれて全部で32試合のうち、上記4隊が出ている試合を数えました。本編に描写のないところは組み合わせがわからないので幅を持たせました。ざっくり勘定したものを以前にTwitterに挙げましたが、その時より幅を小さくすることが出来ました。
ROUND4以降、中位が3チームになれば、3チームが全て同じ試合に組まれる可能性は低いでしょう。香取隊はともかく諏訪隊と荒船隊は何戦もやってるでしょうし違う組み合わせにされそう、中位と下位・中位と上位を行き来する隊(漆間隊、柿崎隊、海老名隊、鈴鳴第一、弓場隊)と組まされるケースが多いと予想します。なので中間を取るのはあまりそぐわないですね、ROUND5以降は全て3戦の計算になると考えても良さそうです。
1試合の制限時間は45分〜1時間とのことですが、制限時間いっぱいまでは見ないで済むだろうと判断して大体30分くらい。25戦でおおよそ13時間?13日の夜から16日までの3日ちょっと、ずっとモニターを見ていて目が悪くなると叱られそうですが、十分可能そうですね。今流行りの倍速視聴も併用できれば更に短縮出来そうです。
13時間。ヒュースは試験前のわずかな自由時間の多くを試験対策に費やしたんだと改めて気づきました。他の隊員達とは違って全く交流のないところに飛び込むとはいえ、試験にかける覚悟と熱意が違います。主人の元に絶対に帰るという強い決意。戦闘試験でいくらでも挽回出来ると、閉鎖環境試験にはそれほど力を入れていないような口ぶりだったけど、準備に裏打ちされた発言でもあったのだなとまた見え方が変わりました。ほんと無限に味がしますね…
若村が意識している人は?
若村が「持ってる」人間だと考える人たちを書き出してみました。
全員が同じ条件というわけではないでしょうから、この人は何で意識されてるのかな なんて軽い気持ちでいきたいと思います。
若村が銃手だから射手銃手が多いのかなと思っていましたが、意外とオールラウンダーが多いですね。
同じ年の人が多いようにも思いました。来馬さんとかゾエさんとか、「エースをフォローする中距離」「自分でも点を取れる銃手」が入っていないのがちょっと不思議です。
A級の人が多いので、わからない部分も多いです。いつかこの人たちとの戦いで、「ああこれが若村が意識している部分か」と理解できる日が来るのを楽しみにするしかなさそうです。
照屋は何で入っているんでしょう、奈良坂(同い年)と争った俊才だからでしょうか?
この項はもうちょっと煮詰めたいところですが、今日のところはこの辺で終わります。
ここまで読んでくださってありがとうございました。