ワールドトリガー第241話・242話「遠征選抜試験37・38」感想
ジャンプSQ2024年6月号 ワールドトリガー第241話「遠征選抜試験37」・第242話「遠征選抜試験38」感想です。
三輪が思わせぶりな事を言ってから3ヶ月、待ちに待った諏訪7番隊戦です!
いやもう 全てのルールが明かされていたのに読めませんでしたね、さすが葦原先生!
シンプルなのに予想を超える策でした!
以前の感想でヒュースのユニット2520相手に、修の600でどうやって勝てというのかと嘆きましたが、数の力でちゃんと勝ちました、信じてあげられなくて修ごめん、やっぱり君は凄いよ。爆撃機を落としたのは諏訪7番隊だけ、コスト上限のある状態で7対1に持ち込める。239話、狙撃手の大群として説明するシーンで描かれていたのが6体だったので、それを更に上回る数を用意してくるのは完全に予想外だったのでしょうね。
負けたヒュースに悔しがって欲しかったのですが、全然動じなかったですね、ちょっと残念です。戦闘中で気を抜かないようにしていたのかもしれません、1日が終わって気が抜けたら舌打ちくらいはしてて欲しい。いや、華さんと葉子みたいに「やるじゃん修」と内心で笑っているのも良いですね。修ならやるだろうとヒュースも思っていたみたいだし。
飛行型が落ちた後に隊長の若村じゃなくヒュースに指示を仰ぐマリオ。若村に聞いても仕方ないから的確だけどシビアな判断だなと思いましたが、普段から隊長の生駒じゃなくて参謀の水上に直接指示を仰いでるから、隊長を優先とか意識してないのかなと考え直しました。3ターン目終了時、笹森は若村に尋ねています、諏訪隊は隊長が指示を出しているから同じようにしているのだろうなと思わせますね。
負けにも負け方がある、ちゃんと立て直して指示を出せた若村の成長が眩しいです。
ヒュースが早い段階で自ユニットを失ったことで観察に集中できたというのも、あの短い間に修の作戦を見抜けた理由の一つかもしれません。
同じ狙撃ユニットを作った半崎は「だいぶ安くて600くらい」と、修の狙撃ユニットが400弱しかないという考えに至れなかった。4ターン目以降に引き気味に戦うのは、相手にポイントを与えないのは当然として、狙撃ユニットのコスト情報を与えない為もあるのでしょう。実際のコストがバレたら思考の選択肢が大きく狭まってしまう、謎のままでいる為に倒されない必要がある。特別課題で菊地原が挙げていた、敵に自分の能力を隠す動きでもある。深いです。
半崎が饒舌で、やっぱり狙撃には一家言あるんだなと思いました。初日に思いついて形にしてんのがすげえと判断出来る半崎くんも凄いよ。
そしてB級2位は伊達じゃない ありがとうございます!そう、そうだよね!
笹森達は実際にランク戦に参加して順位を競ったからこそ、2位の重み、1点の重みがわかってる。順位を上げるのがどれだけ難しいか。
生駒隊は開始時3位(13点)→終了時4位(34点)21点獲得
香取隊は7位(9点)→11位(29点)20点獲得
諏訪隊は10位(6点)→12位(29点)23点獲得
荒船隊は11位(5点)→10位(30点)25点獲得
そして玉狛第2は21位→2位、42点獲得。
上位は大量得点が難しいから低スコア気味とはいえ、初期ボーナスを引いて今シーズン中に実際に取った点を比べると倍近いのですね、入隊したばかりの新人部隊の成績じゃ無い。玉狛が特別なのかという発想にも行きつくというものです。
修についての話の流れで出たから「B級2位は伊達じゃない」が修単独にかかると思っていましたが、これヒュースの事も含んでいそうです。トリックを見抜けるヒュースも凄い、玉狛第2の作戦会議レベルの高さに感心したんじゃないかなと。隊をシャッフルする理由の一つに、「他の隊のやり方を実地で学ぶ」が追加されました。
若村の『玉狛第2像』に大うけでしたが、香取隊には狙撃手がいないから千佳についてROUND5で砲撃された記憶しかないので、この強者感も仕方ないですね。
歌川隊の作戦は真似しやすいから取り入れる隊もある?唐沢さんが言ってた、『勝ちやすいパターンを真似る』というのもありだと思います。
歌川隊戦、ヒュースは味方を犠牲にしてでも爆撃した方がよかったと思います。どうせ負け確、自ユニットと敵狙撃手2体が残れば引き分けには持ち込める。むしろ機動力高い敵ユニットを味方ユニットが足止めしてくれているくらいに割り切っちゃえば良かった。若村に撃たせる覚悟が足りなかったですね。
諏訪隊を見ていた草壁隊長の感想を聞きたかったのですが、全く触れてもらえませんでした。意図的に、修に対してのA級評価の描写を避けていると思うのです。
A級審査は、一緒に遠征に行くメンバーの為人をA級達に知らせるのも目的だと思っていました。なので、特にルーキーで個人ランク戦もあまりやらない修には絶好のお披露目の機会だと思います。そこで成果を出している修は、A級を唸らせてると思うのですが...古寺の懸念もまだ晴らされていませんし、いつかいっぺんに出されると信じています。とりあえず今月の若村隊メンバーからの評価で、少し気持ちが落ち着きました。
ここまでのユニットデータ一覧
特殊戦闘シミュの1日目が終わったので、若村隊が倒したユニットデータと隊員のトリオン量を隊ごとにまとめました。
歌川隊は割とトリオン量が多い、オペが一番多い珍しい組。
漆間は不明ですが、1人部隊でAR出来る人がトリオン貧乏なはずがないので、8くらいはあると予想します。
自分達から攻撃して力負けするようでは本末転倒なので、1000オーバーの強いユニットが揃っています。13体だから弱いのもいるはずですが、レーダー役なのかな?
力負けしない千佳ユニットや、挟撃出来る諏訪7番隊は勝つか引き分けるかは出来たんじゃないかと予想します。古寺隊が勝つのは難しそうですね。
椅子型が壊れている描写がありますが、破壊判定ならあの小さな椅子も1000オーバー?何のスキルに振ったらあの外見でそのコストが?
いずれ製作者が明かされるのを楽しみにしています。左耳から銃撃するウサギさんが遊真作だといいなぁと夢を見ますが、案外漆間かもしれない。可愛い。志岐さんではないだろう。志岐さんはエグいの作りそう。
全力で突っ込むのは簡単なので真似する隊も出そうですが、対策に対策を被せるとしたら罠はって自爆かな…
王子隊はユニットも個人のスペックも、ほとんど情報がないので触れません。
イコさんがちっちゃいユニット作ってるのはトリオン多くないから?
柿崎隊、ここも情報少ないです。
帽子被った如何にも太一なユニットがいますね。
イコさんや遊真くんを見た太一が自分も鋼さんを作りたがったら面白い。でも太一くんトリオン5だからな…トリオン社会め…
北添隊、トリオン強者が2人いるのでユニットが強めです。
強弱ミックス&見た目の誤認と、ひっかけ多数でかなり強いのではないでしょうか。待ちの戦術同士で、諏訪7番隊も苦戦していそうです。
狙撃手は見ればわかると荒船がミスリードしていましたので、水上隊は更に引っかかりやすそうですね。
トリオン2の華さんがダミーを作っていますが、5ターンしか無く弾数も制限された中でコレを倒す為に手間をかけさせるだけでも立派な働きです。
来馬隊は初戦で情報多くてありがたいですね、弓場さんのトリオン量は不明ですが1200の強ユニット作れるので結構多めです。
小荒井が自分の上限ギリギリまでコストを使っていてちょっと泣けてきます…
古寺隊はトリオン量でだいぶ不利を強いられています。決定力のあるエースを入れられないから、連携を組むしかなかったのでしょう。エースがいないってB級中位レベルの隊ってことですね。木虎もやっぱり上限ギリギリまでコストを使っています。
古寺は戦術や兵法を勉強しているだろうけど、歌川隊のやり方は目から鱗が落ちたんじゃないかな。人間が行うのは躊躇われるような捨て身の兵法もトリオン兵なら出来る、発想の大きな転換を得たんじゃないかと思います。
諏訪隊。
二宮隊がたぶん12体、歌川隊が13体、若村隊が16体な中で22体は確かに突出して多いです。
238話当時、修がシミュでまでトリオン量に縛られて自由にトリオン兵を作成出来ないことに憤りつつ、遊真が言う「ねだんの割には性能がいい」に自動的に行き着くんじゃないかと期待していましたが、良くやった修。木虎や小荒井といったトリオン量少な目なメンバーがぎりぎりまでコストを使用しているのに対し、逆に修は上限まで使わない方向に舵を切っています、発想の転換凄い。
10体で4000くらいですが全部が同じコストとは限らないですね、5ターン目まで残す2体がギリギリの600で、8体350かもしれません。
修は作戦を思いついてプレゼンしただろうし、また香取にズルい裏技?って聞かれてたんだろうなと思うとニヤニヤします。
2ターン目で2214ポイントをゲットした諏訪7番隊の様子も見たかった!多分敵のエースを集中して落とすのが作戦の一つだと思うので、早いターンで成功したの大きいでしょうね。
通常シミュで「隊長が指揮する」が諏訪隊の要だったように、自作ではないユニットを動かすことに躊躇はないだろうから、イコさんは香取が、狙撃ユニットは隠岐と修が動かしたと予想します。
終盤に戦えるユニットが減るのは通常シミュの二宮隊も同じですが、『もう動けません』に『おれたちだけでがんばるぞ!』と真逆なのも面白い。同じ状況でもユニット情報を敵が得ているか否かで有利不利が正反対という、対比が凄いですね。
高機動イコさん、隠岐と千佳が同じこと考えてて可愛いですね。実際のイコさんが機動低いのか問題、高かったらROUND6で遊真が隠岐を獲りに動いた時に、遊真を追うか千佳を落としに動けていたでしょうからそれほど高くはないのでしょう。
準備をしっかり出来るランク戦とは違うから修がシミュでどうなるか心配しましたが、「初見殺しを即断即決出来る」と描写されたので安心しました。
トリオン兵を遠征に持っていく方が三門防衛に使用するより実現可能性が高い、修がトリオン兵を上手に運用できると証明出来れば遠征参加の可能性も上がるでしょうか。ヨミのような作戦参加もアリとなれば修も大きな戦力になる。…あんまりジャンプ主人公らしくはないから難しいですかね…
二宮隊はトリオン強者が揃っています、1000オーバーのユニットも多いけどその分数も少ない。しかし遊真くんの暴力的なコストよ…計算するとあと972残っているので、970のユニットが残ったのでしょうか。
大きなハリボテはヒュースの爆撃機でもなければわざわざ倒しに行かないで避けるでしょう、あまり作戦上有効とは思えないのですが、行動や思考を制限出来れば良いという判断なのでしょうか?レーダー機能を最後まで潰されないようにした?2日目に千佳のパソコンで加賀美が塔を作って強いユニットにする二段構えの作戦とか?
遊真くん、名前と性能は良いのですが、生き別れた相手を敵として戦わせるという構図にギーヴが真っ先に浮かんでしまいました。遊真はリスペクトを酌んでくれそうですが、修に刺さりそうです。あと身内読みですが、修と遊真にこのユニットが千佳作だとバレてしまうのも良くはないでしょう。
千佳が遊真くんと同様に修くんやヒュースくんを作っててくれると嬉しいですが、キューブ+ブレードはトリオン兵では再現が難しそう、両手に銃の「レイジさん」の方が簡単そうです。それでもエモいですね。
水上隊も情報が少ない。見た目で騙す方向ではあっても結局バランス型なのは、「尖った駒で攻め倒す」水上の意図とは違っていそうですが、勝敗ではなく照屋達隊員の能力アピールを目的にしたということなのでしょうね。照屋や樫尾も、歌川隊のやり方に影響を受けそうです。
村上隊は蔵内のトリオン量が不明ですが、1200以上のユニットがいないのは7以下だから?形を工夫して地形を変えるというのは他にない視点で流石です。
作ったので若村隊の分も。真織ちゃんもトリオン少なめなのかな?
修と遊真の作戦にヒュースと千佳のユニットが大活躍で「玉狛怖えー」な結果でしたが、歌川隊の作戦が遊真立案だと気づく人はどれだけいるでしょう。遊真を知らない隊は、漆間か志岐の作戦だと思うんじゃないかな。
古寺、木虎、菊地原はヒュースと遊真が近界民だと知ってる。二宮隊は、ヒュースは確実だけど遊真は不明。
同じ元A級でも二宮隊と影浦隊では与えられてる情報量が違うし、A級の中でも情報格差があります。相手が何をどれだけ知ってるかわからないと、ボーダー内では話すのにも苦労しそうです。
話を戻して、古寺は歌川隊への警戒を深めるだろうなと思います。古寺は歌川をよく知ってるだろうから、逆にこんな破天荒な作戦を取ってくるとは思わなかったんじゃないでしょうか。こうしてみると、遊真がアイディアを披露しやすい環境は歌川隊以外にはなかったんだなと改めてドラフトの妙を感じます。
身内読みしたヒュース以外に修の策を見抜けた隊はほかにいるかな、小荒井あたりはまた焦っていそうですね。『試験が終わったら諏訪さんに聞きに行く事リスト』が増えていそうです。
2日目は1日目を踏まえて対応をかぶせてくると思いますが、相手の戦術レベルを見抜けていないと作戦も難しそうですね。
トリオン兵に詳しい事を隠す遊真と、元敵兵で正体バレたら遊真よりやばいのに意識さえしないヒュース。後ろ盾がない傭兵&子供だから『出過ぎる杭』にならないように生きてきた遊真と、育て親の為に成果を出すことに努めて来た軍人ヒュースとの対比ですね。
遊真がトリオン兵に詳しいことも『玉狛だから』、ヒュースがトリオン兵に詳しくて意味わからんくらい強いのに『玉狛の隠し球だから』で納得されてしまうのは、本部隊員と玉狛支部との隔絶を表しているのかもしれません。
…ヒュースの身柄についてさらに考えてみましたが、若村、半崎が城戸派、笹森は城戸寄りの忍田派。
派閥よりももっと具体的に、香取兄の友人で香取染井のチームメイトである若村。
第二次でラービットやエネドラと戦い、諏訪を失いかけた笹森。
ランバネインに倒され、更にベイルアウト後の生身で本部強襲を受けた半崎。
近界民やアフトクラトルに良い印象のないメンバーばかり揃っているので、身バレは本気でマズイのでは?他の隊と比べても、アフトクラトルに思うところのある隊員が多いように感じます。
マリオちゃんだって、本部通信室が襲われて死者が出たとなればオペの知り合いだっていたかもしれないし、オペの同僚達も本部強襲を受けてるしで良い印象を持つわけがない。
ハイレインがエネドラの独断専行を許したのは、捨てていくヒュースにボーダーの怒りが向いて「八つ裂きにしたい (鬼怒田談)」と思われるように、という目的もあったんじゃ無いかと以前から思っていましたが、ヒュース大丈夫かな本当に。三輪が淡々と審査員やってるので案外大丈夫かもしれませんが、ちょっと心配です。
玉狛の特殊性について話題にしましたが、やっぱり実力云々よりも近界民への対応が特別ですよね。実際にヒュースと戦った玉狛第1や、ヒュースにマーカーを撃ち込まれ、ミラに重傷を負わされた修がヒュースを受け入れて和気あいあいと過ごしているのが…三雲修おまえ…
迅の予知もですが、「ヒュースが味方に捨てられた」という明確な証言が重要だったのかなと今思いつきました。修は生身だったので、修が生き残ってハイレインの言葉を証言できたのは大きかったのじゃないでしょうか。…エネドラッドもいましたね。もうちょっと考える余地がありそうです。
次はいよいよ自称カナダ人のお悩み相談室かな?と思ったけど、ヒュースって2人部屋では寝られないから相談もサシじゃない可能性もある?
マリオちゃんはオペ部屋に引っ込むから省いて、男4人で話し合う可能性も...いや夜とも限らない、夕食時に全員でってこともあるかもしれません。
とりあえずシミュ結果がどうなっているかですね、次回も楽しみです!
ここまで読んでくださってありがとうございました。
(2024.5.26追記)
若村隊と諏訪隊の対戦を整理して、「数の力」を可視化してみました。
()内はレーダーとジャミング、弾切れを除いた戦闘可能ユニット数です。
若村隊 諏訪隊
開始時 16体(13) 22体(18)
2ターン目終了時 15体(12) 22体(18)
3ターン目終了時 10体(8) 20体(16→6〜8)
5ターン目終了時 8体(6) 19体(5)
最後まで弾を残す狙撃ユニットが2体、それを戦闘可能と判断するかブラフのみと判断するか不明だったので幅を持たせました。ブラフなら6体、戦闘可能とするなら8体です。
3ターン目終了時点で、倍の戦力差があるように見える、改めて見ると本当に絶望的です。
でも実は諏訪隊の戦闘可能ユニットは若村隊とほぼ互角。「安全に守りを固めて引き撃ち」ではなく「戦闘可能なユニットが少なくて積極的に出られない」が正しいのに、敵からは「戦力を温存している」ように見えるのが凄い。
相手の数が多い⁉︎主力が倒された⁉︎と慌てている間に150秒が容赦なく過ぎて、後には圧倒的な戦力差が残る。絶望的な状況なのに実は張子の虎だった、ってもうね、美味しすぎて何度でも噛み締めてしまいます。ありがとうございます。
時間制限がある中でも次へ繋がる一手を打てたろっくんも偉い。
もうすぐ次回予告が出ますね、休載でもまだまだ反芻は出来ますが、結果を早く知りたいです…!