私は愛されてる、彼なりの方法で愛されてる
ただいま
デートから帰ってきた。
今回はこちらに時間の制限があったから
2時間しか一緒にいられない、と伝えたのち
私指定で居酒屋に。
わっちゃわちゃ、のクリスマスムードも皆無の居酒屋で一緒に過ごした。
この人にはこういう店がよく似合う
喧嘩っ早いし、不器用だし、口下手だけど
情に深くて愛のある優しい男
誰にでも分け隔てなく優しい男なのよね
私は彼のそういう不器用な優しさが好きだなぁと思う
会話の内容がなさすぎて
昨日とは打って変わって…で、ウケるんだけど、それでもこの人といると笑いが絶えない
くだらないことを話して笑って過ごす時間で私は癒されているところがあるからだと思う。
この人は自分から手も握らないし
自分からキスもしない
愛も語らないし
次の約束も言い出さない
男 だからね。
だから彼といると私は思いっきり 女
になれる
彼に頼って、彼の逞しさと男の子らしさにうっとりして、厚い胸板や太い腕にうっとりとしていられる。
女はこういう強い男に守られたいのだ
という本能を思い出させてくれる。
あっという間に時間は過ぎて
電車を待つ駅のホーム
人気がいない隙に、彼のほっぺにチュ
と不意打ちした。
嬉しそうに照れる彼が可愛すぎて
「手を繋いでほしいな」
とおねだりしたら大きくてゴツゴツした
あったかい手が私の想いを包み込んでくれた。
女の子に生まれて幸せ
この人に愛されて幸せ
私はこの人の大切な人なんだろうなぁ
と勝手に思って豊かさの感覚に浸っていた。
別れ際、彼に耳打ちをして
「ねぇ、、、♡ 言ってもいいよ?」
と目配せしつつ愛の言葉をおねだりしてみる。
その意味を瞬間的に理解しつつ
もじもじした彼は少し考えたのちに
「 だ い す き だ よ 」
と、照れた少年のように私へと愛を伝えてくれた
その目は私への想いと愛情に輝いていて
私は自分から聞いたくせに
その目のキラキラした光に面食らってしまった
大切すぎて伝えられない
そんな事もきっとあるんだろう
伝えられないからって「ない」わけじゃない
言わないからって「ない」わけじゃない
愛があるなら伝えるべき
好きなら態度で示すべき
それをずっとやめられなかった私は今夜、彼なりの想いを大切にしてあげようと思えた。
欲しいものが与えられなくて駄々をこねて拗ねていた私はいま、大切な存在を大事にする方法とは
その存在を信頼し
自由であることを尊重し
手のひらでお豆腐を持つように
ふわりと優しく力を込めずに持っていようと思えるようになっている自分を発見した。
2022年はじめ、彼の愛が思ったような形で感じられずに心が苦しくて不安で辛かったけれど
年の終わりにはもうこうやって乗り越えていたんだなぁと気付く。
よくやったじゃん、ワタシよ。
よく頑張ったね、ワタシ。
愛とは相手との関係性ではなく
自分自身との関係性なのだということを教えてくれたのが彼だったから。