結婚したがらない男の子供を産みたい女
とある女子からグチと相談を受けた。
職場の後輩がなってない、仕事が出来ないだけでなく甘えてるし根性がない、と。
そう言えば彼女
本当にこの半年くらいずっとこの話してるなぁって思って。。
その都度彼女は
後輩が変わるべきだ、自分は間違ってない
という持論を曲げる気はなさそう
プンプン怒ってる…半年も。
そんな彼女には
ここ10年くらい、のらりくらり付き合ってる男がいる。
その男の話もずっと変わらず出ている。
友達のようで彼氏のようで
でも肉体関係は一切ない男なのだそう
彼女のほうは彼のことを10年間ずっと好き
彼は決まった彼女を作りたくない
たまに他の女の子と寝たり、適当に遊んでる
縛られるのも嫌
自分の時間もお金も自分の好きに使いたいんだという男
彼女と一緒によく出掛けてるクセに、ほとんど彼女みたいなポジションなのに決して「彼女」ではないのだそう。
つくづく甘えたいい加減な男だなぁと思う。
んで、私は彼女の荒ぶる後輩ちゃんへの怒りって、本当はそこに行くべきエネルギーじゃなかったんじゃないかなぁって気付いたの。
本当は彼に対してのものなんじゃないかな、って。
もしも
「ちゃんと付き合ってよ、付き合わないというのならもうこれ以上ダラダラ出来ない」
って、彼女が言えてたら?
つまりこの先に結婚があるのかも含め
ちゃんと向き合って欲しいと言えてたら?
もっとスッキリと生きてると思うの。
でもモチロン彼女は彼を失いたくないから
怖くて聞けないし
聞いてしまって彼が去ったら耐えられないのだろうと思う
彼がいなくなるかもしれない未来と
自分の理想としてる未来を天秤にかけて
リスクを回避するためにモヤモヤしたまま
よくわかんないこの関係をしょうがなく受け入れて続けてるんだろう。
つらいだろう
ストレスだろうなぁぁ
で、私は彼女に思い切って聞いてみた
本当はどうしたいの?
仕事を最高に極めたい?だから会社や後輩を育成したくてたまらないの?
独立したいの?その覚悟もあるの?
それともひとりの女としての幸せを求めたい?
結婚したり、子供を産んだり、家族を作って愛を注いで人生を生きたい?
あなたは最期
どうやって死ぬときに満足したいの?
どんな景色を体験できたら
あぁ、本当に幸せだったと思えるの?
と。
そしたら彼女は
本当はわたし、愛に飢えてるんだと思う
やっぱり私、ちゃんと愛したいし
子供も産みたい
家族をつくってみたい
そう言ったのね。
独立しようかな、とか後輩が…とか
半年間あんなに一生懸命言ってたこと
それらしく夢中になってたことは
全部フェイクの使命感だったの。
いかにもそれこそが自分の使命だと言わんばかりに自分の正当化したフェイクの目標に騙されていたのね。
彼とのことに向き合う恐怖に目を背けて
本当にやるべきことから目を逸らして
それっぽいネタをつかまえて
それこそが「目的である」ってすり替えてた
ホントの本当は
結婚したいんじゃん
子供産みたいんじゃん
家族つくりたいんじゃん。
それなら注ぐべきエネルギーのベクトル
違うじゃんね!?
って言ったらうん、うん、と泣き出した。
本当はこうしたかった
の、気持ちは
自分の本当の願いのはずなのに
自分がついた嘘に私たちってキレイに騙されることが多々ある。
そして、それは相手や状況によって
叶うものだと信じてしまってる
違う、それは相手によって叶うかどうか決まるもんじゃない。
自分がいつかこの世を卒業する時に味わう
感想なのだから
私の、わたしだけの
個人的な満足度の話なのだから
***
「本当は彼の子供が欲しい。でも、彼は結婚は興味ないって言ってる…」
そう彼女は言った。
「あなたが本当に望む今回の人生の達成度をどこに決めるか?ってことよ、彼が結婚も子供も望まなくても産めなくても彼に添い遂げることがいいならそれでいいし
子供を産むという体験を自分にプレゼントするためにこことは違う新しい世界へ進むのか
最期はひとりよ
ひとりで決めるの
自分と相談して悔いのない答えを出すのよ
そして、たとえどうやっても
誰のせいにも出来ないのよ
あなたの女としての体にも出産のリミットがある
決断するタイミングは永遠に与えられるものじゃない
決断するのよ
自分の幸せは彼でもなく、親でも会社の人たちでもなく自分で自分のために創ってあげるのよ。」
と私は言った
彼女は泣いていたけれど
ずっとモヤモヤしていた理由がやっとわかったと言っていた。
決断はなんのためにあるのか
それはタイムリミットがあるから存在しているんだと思う
命には期限があって
タイムアップがある
だから決断が必要になる
ダラダラ続くものじゃなく、今日も刻々とその瞬間へと向かっている
だからいま目の前にある時間という資産を
いつか終わるその時、笑顔で決算するために
有効に積み立てるのだ
私はロマンティックだけじゃなく
リアリズムに人生をデザインしたい
そして予想外や想定外の結末になっても
笑顔で受け入れて抱きしめられる自分でいたい
誰のことも恨みたくない
誰のせいにもしたくない
だからちゃんと考え抜いて後悔なく決断しなきゃ最期に笑えないって思ってるんだ。
彼女、彼に「結婚したい」って言うのかな
また今度聞いてみるね。