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「ADHDマリオ」の面白さ

今SNSを中心に話題となっている、所謂「ADHDマリオ」がなぜ面白いと感じるのかを個人的な感想を軸にしながら述べていこうと思う。

まずADHDとは何かと言うと注意欠陥・多動性障害のことである。注意力を持続できなかったり、落ち着きがなく目的のない行動をするというのが傾向として挙げられる。

私は投稿主のプレイ動画自体は好きであるが障害名をタイトルにすることに違和感を覚えたので、記事のタイトルには用いさせてもらったが以後この言葉を使わないことにする。

純粋になぜ面白く感じたのかと言う前に、基本的に動画のプレイングは単刀直入に言わせてもらうと下手である。

下手なプレイングを見せられると、たいていの場合イライラする。
自分に出来ることがどうして出来ないのかという理解不能の状態に陥る。これはゲームに限らず仕事や実生活でもよく見られることだ。

しかし、プレイングが下手でも面白がって見てもらえるYouTuberはたくさんいる。そうした下手なプレイングに大げさなリアクションをとることや、トーク力によって笑わせるのだ。

しかし今回の場合露骨なリアクションは他の投稿者に比べてあまり見られないのではないだろうか。(巨大マリオになった時の「ヒュイゴー!」くらい?)そしてお世辞にも卓越したトーク力があるといったわけでもない。(もちろん動画を見てもらえるだけの実況者としての最低限のトーク力やリアクションは出来ている)(何様)

本題に入るが、なぜこのような動画を面白く感じるのだろうか。それは一度でもマリオのゲームを遊んだことがあるならわかるあるあるのやられ方と、それを上回るやられ方、さらにプレイングから見受けられる注意力の散漫さや目的のない行動、次に起こることへの予想能力の低さが笑いのポイントとなっているのではないだろうか。

説明しやすいと感じたのは三つのハテナブロックを叩く場面だ。
三つのハテナブロックにはそれぞれアイテムが入っている。自分がちびマリオ状態なら私ならこうするだろう。

まず一つ目のハテナブロックを叩き、そこから出てきたキノコをとってスーパーマリオに変身する。そうすれば次にハテナブロックを叩いた時に出てくるのはキノコ以外のパワーアップアイテム(ファイヤフラワー等)だ。そうして最後のハテナブロックを叩き、またしても出てきたフラワーを獲得しストックに入れる。

ある程度マリオをプレイしてきたならば、このくらいのプレイングは基本である。しかしこの投稿者の場合、ハテナブロックを三つ見つけるとすぐに三つとも叩いた。キノコが落ちてちびマリオがスーパーマリオに変身する余裕すら与えずにだ。

結局これで得られるのはスーパーマリオとキノコのストックだけである。おそらく、意味深げに置かれた三つのハテナブロックを全て叩くという行動にしか注意が向いていなかったのだろう。そのことをすぐさま完遂することだけを目的としたプレイングは視聴者にとって大きなインパクトとなったはずだ。これに関しては私の勝手な妄想なので、もし投稿者本人が見ていて異なっていれば遠慮なくご指摘いただきたい。

私はADHDの診断を受けたことがないためあまり踏み込んだ話は出来ないが、このまま障害名をタイトルに組み込んだままコンテンツとして成立させ消費していくことには考える必要があると思っている。

身近な障害であるために共感性を発揮しやすく、さらにタイトルのインパクトも相まってしばらくは拡散されていくであろうが、今後もそのタイトルを続けていくべきかは慎重になった方がいいのではないかと私は思う。

ただ投稿者の動画自体は非常に惹かれるものがあるし、これからも実況者として頑張ってもらいたい。

以上、拙著な記事だったがここで締めさせてもらう。

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