見出し画像

口から食べられなくなった時どうするか?栄養管理の考え方について

口から食べられなくなった時、みなさんだったらどうしますか?

病院ではいろいろなことが原因で口から食べることが困難になる場面に遭遇します。
脳梗塞やサルコペニア、神経難病など原因は様々ですが、嚥下機能が低下しており口から食べることで誤嚥してしまうケースでは、口から食べることが難しい場合があり、今後の栄養管理方法について考える必要があります。

栄養ルートには1日1,000kcal程度の栄養投与が可能となる末梢静脈輸液、それ以上の栄養投与ができる中心静脈栄養という輸液のルートと
経腸栄養といって腸を使うルートがあります。これには鼻からチューブを入れて栄養剤を入れる経鼻経管栄養、胃に穴をあけて栄養を投与する胃瘻、ほかにも食道瘻や腸瘻などがあります。

近年ACP(Advance Care Planning)といって人生の最終段階でどのような医療を受けたいかを患者と医療従事者の間で話し合い、本人の意思決定を支援する取り組みがあります。
人工呼吸器をするかなどはよく話し合われるのですが、胃瘻を作りたいかなども積極的に話し合うべきなのかなと感じています。

まずは積極的な栄養管理をするのかどうか?
その方の状態にもよりますが、栄養管理によってその方のその後の人生が良いものになるのか?状態によっては栄養を入れないというもの選択にあがると思います。
もし、積極的な栄養管理をする場合、第一選択は経腸栄養管理というのが主流です。
腸を使用することで免疫が高まり、静脈栄養に比較して合併症なども少ないと報告されています。
経腸栄養管理が4週間以上続く見込みがある場合は、胃瘻が適応となります。手術や消化管の状態で胃瘻が難しい場合は食道瘻や腸瘻も選択肢のひとつとなります。
消化管の使用が難しい場合は静脈栄養が選択されますが、必要な栄養を投与する場合は中心静脈栄養を選択する必要があります。静脈栄養は感染などのリスクもあるため、きちんとした手順で行うことが必要です。

そもそも経腸栄養の中の経鼻経管栄養というのは一時的なルートであって、漫然と経鼻経管栄養管理を続けるのは得策ではありません。
ルートによって潰瘍などが起こることもありますし、のどの違和感がずっと続くことによる苦痛もあります。

経鼻経管栄養はいいけど、胃瘻は嫌です、というのはそもそも根本的な問題が間違っていると考えます。ただこれは医療者側の説明が不足していることが大きな原因であることが多いように思います。

患者さんにきちんと説明し、ACPをサポートすること。
栄養管理の方法も含めて患者さんの意思決定を支援することで、
必要な人に必要な医療が届けられるのではないかと考えています。

いいなと思ったら応援しよう!