ロー生活1年目(未修) 振り返り【前編】

 1年後期も終わったため、振り返りをしたいと思います。
振り返りの目的は、①自身の勉強・生活の振り返り、②ロー入学前の不安な方に、ロー生(未修)の1例を知っていただければと思います。
 下記記事は、あくまでロー生である自分が1年間で感じたことをまとめたものです。他のロー生等の意見を否定する趣旨ではありません。

前期編


【予習】

・教科書
(教科書ではなく)レジュメにザッと目を通して、質問事項が載せられているものについては基本書を辞書的に使って一応簡単な答えを作っておく。
予習段階では、分からない箇所も多々ありましたが、自分で調べて1時間かかっても、先生に聞けば5分で解決することも多々ありました。
ですので、予習は時間をかけすぎないように意識していました。

・良かった点
基本書の通読については、推奨される先生もおられますが、いきなり読んでも理解ができなかったため、あくまで辞書的に使っていました。
また、未修の授業によっては、指定教科書に沿って授業が展開されることがあります。
その場合には、予習段階(もしくは授業中に)、教科書にマーカーで色分けをしていました。
これは、定期試験前に回転率を上げて知識を定着させることを目的としていました。
未修の定期試験では、代表的な論点の判例上の処理について聞かれることが多いです。特に(指定しただけあって)教科書指定がある場合には、教科書ベースで出題されることが多いです。
他方で、復習段階で教科書やレジュメの全てのページに何度も目を通すことは他教科との兼ね合いを考えても時間的に困難なので、論点とその処理について、事前に色分けをして、電車内などで確認しました。定期試験との関係では親和的な方法だったように思います。
・論点:「〜という点で問題となる。」
→ピンク
・結論
→緑
・理由付け
→オレンジ


・問題集
「予備校の問題集」と「予備試験もしくは司法試験の過去問(再現答案付き)」の入手はあった方が良い気がします。
上記2つの共通の目的として「答案の書き方」を見てみることを目的としていました。
(少なくとも僕の手元にある教科書については、)教科書を読んでも、「答案の書き方」が載っている箇所はないため、大人しく合格者の答案を眺めていました。

・「予備校の問題集」
→どのような事例でどのような論点があるかについて、ザックリとでも見てみると良いように思います。
また、早めに「予備校の問題集」に目を通したことで「未修1年目の授業の聞き方」が変わったように感じます。この点については、下記「授業」で触れたいと思います。

・「予備試験もしくは司法試験の過去問(再現答案付き)」
→学習初期に再現答案に目を通したことは良かったように感じます。
以下、2点について、学びがありました。
①合格者であっても、「論点落とし」は普通にある。
入学当初、予備校の問題集などを見ても、「論文は難しい…論点を拾うことが大切だ!」と感じていました。しかし、再現答案を見ると、合格者や上位答案であっても、「論点落とし」は珍しくないと感じました。
これが学習初期にありがちな「完璧主義」からの脱却に繋がった気がします。未修の方について、授業で習った分野でOKなので、早めに再現答案を見てみると良いように思います。
自身は、5月に予備試験の再現答案を見ていました(当初は、あてはめの仕方を見てみたかったからですが。)。
②「有名論点であっても、理由付けは少ない」
この点について、教科書では論点の理由が複数記載されていることも多いです(予備校の問題集も割と多い気がします)が、「有名論点」であっても、再現答案では理由付けは1〜2個程度に限られているように感じました。
ですので、予習段階での理由付けの色分けは1〜2個に限っていました。

【なぜ司法試験ではなく、予備試験の過去問?】
これは、単純に司法試験の過去問は問題文が長く、学習初期段階でとっつきにくかったからです。

【授業】

・出席の要否
学部の時との大きな違いは、「出席必須」というところかと思います。
学部の場合、出席を取らない授業もあり、最後の定期試験にさえ出て、点数が取れれば単位が貰えるような授業もあったかと思います。
ローの授業では、基本的には出席確認が必須ですので、その点注意が必要です。

・ソクラテスメソッド(当てられる対象)
これは有名ですが、基本的には少人数の授業なので、問答形式を取られることがあります。
もっとも、未修1年の時点では、条文や教科書記載事項について聞かれることがほとんどで、「議論をする」というよりは「最低限の予習をやってきたかの確認」程度の意味な気がしています。もう少し言うと”最低限の”予習をやってきたかの確認なので、正確性というよりは、大雑把なイメージで答えれば十分な気がします。そして、一応ざっくり答えておけば、補足は先生方にしてもらえます(ちなみに、私はよく「分かりません」を使いました…笑)
正直、間違えることはよくありますし、それが正しいかどうかで平常点が大きく変わることも無いと思いますので、「ミスを恐れずざっくりと」の姿勢で十分な気がします。

【入学予定の方へ向けて】
入学前の時点ではものすごく心配していましたが、実際には先生に当てられて答えられなくても、誰もそのようなことは覚えていないです(毎日当てられているので…)。
気楽に行って良い気がします。

・授業の聞き方の変化
予備校の問題集を解く(解けなくても見る)と、ザックリとどのような論点が問題となるかのイメージがついてきました(これは夏頃だったように思います)。
正直、未修の授業内容は難しいです。学部の内容より難しい話もたくさんありますし、授業内容については(推測にはなりますが)司法試験との関係においても難しすぎる内容もあるように感じます。
そこで、予備校の問題集を軸に、「幹の部分」(いわゆるA〜B論点)と「枝葉の部分」(その他)に分けて「幹の部分」の話がなされている場合には「この話をどのように答案に落とし込むか」という点を意識して授業を聞いていました。
逆に「枝葉(と思われる)部分」については、「幹の部分」の整理をしており、かなり聞き落としていたようにも思います(もっとも、定期試験では細かいところが出てくることもありますが…)。
→特に未修段階では、全ての情報を吸収しようとしてしまう方もいられますが、授業を重ねるにつれて、情報の海に溺れて破綻してしまう方もおられるように感じますので、この作業は結構大事な気もします。

【試験関連】

【定期試験】
・形式
形式については。ローや科目ごとで大きく異なると思いますが、「短答+事例問題」、「事例問題」が相場な気がしています。
事例問題は、基本は必須なのですかね…。
・成績は相対評価?
ここが今回、追記しようと考えた1番のきっかけです。
前期と後期を受けて気がついたのですが、(これもローや先生方の方針に依存する部分でもありますが)定期試験は、絶対評価(素点)に相対評価を加味した形で成績付けがされている気がします。
具体的には、単位認定には60点が必要ですが、試験をした結果、素点50点(平均40点)でも単位が来うるということです。50点の素点に相対評価で浮いた分修正されることがあるということです。
これは学部とは少し違うかもしれません。
この理屈で行けば、60点(平均80点)だと単位が落ちるという逆パターンも観念できそうですが、今のところ、身の回りでは観測していません。

【共通到達度確認試験】
未修1年の場合、多くのローで共通到達度確認試験というものがあります。
進級要件として受験必須とされているローも多いかと思います。
・時期
1月前半?
実施日は全国のローで統一されており、進級要件となっていることを踏まえると、忘れると即留年となりかねないですね…。
・配点
民法75点、憲法・刑法は50点ずつ(計175点)
・形式
短答式(⚪︎×と5択)
配点自体は司法試験の短答と同じですが、問題形式は⚪︎×の2択問題もあることから、極端に低い点数は出にくいような気がします(正直、聞いたことないような難しい問題もありますが…)。
進級要件はローによって異なります。
過去問も公開されているので、良ければ確認してみてください(http://toutatsudo.net/)。
ちなみに、これは伝聞なのですが、過去問から繰り返し、出されている問題もあるようです。なので、不安な場合には、冬休み等に過去問を解いてみて、苦手な科目に合わせて、共通到達度試験の過去問を回すことも有効な気がします。
ちなみに、私は過去問は解いておらず、下記記載の方法(短パフェ80%以上のみを回す)でしたが、無事進級できました。


【夏休み(8月〜9月)】

・短答模試

まず、模試についてはローからの補助を受けられる場合が多いかと思います。必須ではないと思いますが、約3ヶ月ごとにあるため、ペースメーカーとして利用しています。

TKC短答模試(9月実施)に向けて短パフェ(民法・刑法)を解きました。
(憲法は伊藤塾の緑のやつ…)
・方法
80%以上の正答率の問題に絞って憲民刑を(大体)1周しました。

【なぜ全問解かなかったか】
以下の目的を設定しました。

まず、各科目の骨格を抑えて回転率を向上させることによって、基本的な知識(条文知識、判例)を定着させることを目的としました。
【未受講分野についても解いたか】
正答率80%以上の問題に絞った場合、条文知識だけで解ける問題も多いため、適宜参考書等を引きつつ、解きました。

【結果】
100点台(満点175点)でした。
民法:1周
刑法:1周
憲法:0.7周ほど
【感想】
点数自体は、お世辞にも良いとは言えません。
・収穫
TKC短答模試では、正答率によって高正解率問題・中正解率問題・低正解率問題の3種類に分かれています。
自身の場合、高・中正解率問題の正答率は良かったので、上記目的との関係では有効な手段だったように思われます。
・こうしておけば良かった
民法は条文数が多いですが、模試や過去問を通じて、「出やすい条文」と「出にくい条文」が分かれているように感じました。短パフェ1周目時点でその濃淡を可視化できるように、出題された知識(あとは授業内容)を判例六法にまとめておけば良かったように思います(最近、判例六法を使いはじめましたが、入学直後に買っておけば良かったです)。

まとめ

前期分のみ、色々とまとめてみました。
後期は、前期の反省点をさらに修正しつつ、予備・司法過去問にも触れました。また、模試との関係で躓いた箇所もあります(未解決)。
後期についてもいずれ載せていければと思います。

自身は未修1年であり、他のローの方や既習の方(未修2年)と勉強方法等、異なる点も多いかと思います。また、学生間で適切な勉強方法も異なるかと思いますので、この点はご注意ください。
この記事につきましても、ご意見等あれば、教えていただけると幸いです。

ではまた…!
(この記事は、今後修正する可能性もあります。)


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