【詩】今日も描けなかった絵描きへ
真っ白なキャンバス
真っ黒な構想ノート
対照的な二つの鏡が
今日も描けなかった
僕を映し出している
ゴミ箱へと向かう作品が
今日も山ほど出来上がった
一筆目が入れられない
一筆を入れるに値するだけの
奇跡が今日も起こらなかった
日に日に増えるゴミの山
何一つ生み出さずに
大量の何かを吐き捨てている
なんとか奇跡を起こそうと
懸命に奇跡が起こるのを待つ
起こるから奇跡なんだ
起こせるならそれは神か天才だ
自分が天才でないことだけは
いつしか自然と理解した
だから奇跡を待つことに