人は皆んな乗り越える力を持っている
こんにちは
看護師まーです。
今回は私が出会った患者さんのお話。
「何しにきたんや、帰れ!」
「お前に話しする事なんか何もないわ!」
「……。」無視
「お前はバカか?」
なかなかお話さえもさせてくれなかった患者さん。
とにかく私、その患者さんのところに毎日通い続けました。
来る日も来る日も罵声や暴言、時々無視されながら、その患者さんの視界の端っこに入れてもらえるように、声を掛け続けました。
こちらも負けてられないので
「お変わりないですか?今日も来ましたよー。」
「来るなと言ってもまた明日来ます。」
「私はバカですから何度も来ます。」と
この患者さんは医師から治療の手段がないと伝えられたばかりでした。色んなことが投げやりになり周りの人にキツく当たっていました。
何とか気持ちを立て直して欲しいと思い、お話させてもらえる機会を伺っていました。
3週間ぐらい経ったころ、
「またお前か、何しに来たんや?」と言いながら、私の話を聞いてくれるようになりました。
世間話しかさせてもらえない日が続きましたが、ある日
「先生に見捨てられた俺の気持ちがお前に分かるか?」と
やっと患者さんが心を少し開いてくれた瞬間でした。
そんな風に思っていたんですねと声を掛けた後、誰も見捨てていない事、最期まで生きるお手伝いをしたいと思っている事を伝えました。
「そんな事ない、先生は俺を見捨てたんや。」と返ってきましたが、その日を境にこの患者さんはあまりキツく当たらなくなりました。
最終的には当たり散らした看護師達に謝りたいと自ら師長に申し出て、これまでの悪態について謝罪。その後、残された時間を穏やかに過ごされました。
「あんたにも悪い事したな。毎日こんな俺のところに来てくれてありがとう。嬉しかったわ。」と私にも言ってくれました。
看護師である私にできる事は、患者さんの困難を乗り越える力を信じ、寄り添い続ける事です。これまでたくさんの患者さんに出会ってきましたが、皆さん困難を乗り越えておられます。どうかご自身の力を信じて、そして側にいる医療者を頼って下さい。
がん患者さんご家族を全力応援📣
看護師まー