![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/153260014/rectangle_large_type_2_e8352aa2b0808abd52d7cfd870d9186e.png?width=1200)
投稿29回目 精神科病院での仕事を振り返る
今日も1日お疲れ様です。今週もnote投稿をしようと思います!
私は普段自由診療のクリニックで働きながら、勉強したことや日々の生活で感じたことなどをSNSなどで発信している者です。
ここ数週は自己紹介がてら自分の経歴をつらつら語っている最中で、あと数週くらいはこのネタを引っ張ろうと思っている次第です💦
今週は看護学校卒業後に地元の精神科病院へ入職した話について語ろうと思います。
新卒で精神科へ
私は看護学校を卒業して家から自転車で通える地元の大きな精神科単科の病院に就職しました。
理由のまず一つ目は、奨学金の存在です。私は看護学校2年生から卒業するまでの2年間、毎月5万円の奨学金をその病院から受け取っていました。(加えて、市からの奨学金も毎月3万、3年間もらってました💦)当時の私にとって、この金額はとても大きなものでした。看護学生時代、アルバイトもしていましたが、学業や実習で忙しく、がっつりやるほどの余裕はなかったため、この奨学金は本当に助かりました。そして、その病院に卒業後2年間勤めれば、この奨学金は返済不要になるという制度があったんです。いわゆる「お礼奉行」といわれているやつです。正直に言えば、目先のお金のために精神科を選んだ部分もあります。「とりあえず2年間働けば、返済しなくて済む」という考えが頭をよぎったのは事実です。
もう一つの理由は、楽そうだと思ったからです。精神科に特別な興味があったわけではなく、むしろ、一般科や総合病院の忙しさに対する不安の方が強かったんです。看護学校の先輩たちから、精神科病棟は他の科に比べて残業が少なく、人間関係も良好だと聞いていました。また、病棟実習の経験を通じて、精神科が比較的落ち着いていると感じたことも大きかったです。私は忙しすぎる職場環境や、常に時間に追われるような看護業務に対して自信がなかったため、消去法で精神科を選んだと言っても過言ではありません。
この選択は、ある意味で現実的で、ある意味では少し安易だったかもしれません。しかし、結果として精神科での経験は私にとって非常に大きな財産となりました。人は様々な理由で進む道を選びますが、その中で自分が成長できるチャンスを見つけられることが大切なのかもしれません。
また、私の学年のなかで私が最速で就活を終わらせることができたのも結果的には良かったです。決断を早まるのは良くない側面もありますが、一度決めてしまえばあとはやることやるだけ(看護学校なら主に実習と国家試験対策)ですから、残りの学校生活をそれらに集中することができたのは良かったですね。臨時実習やりながら就活は大変ですから…
とりあえず3年間労働
私は精神科病棟で3年間働きました。その中で、急性期と慢性期病棟それぞれだいたい半分ずつ経験しました。確かに、他の病棟と比べて残業は少なく、一般病棟や総合病院ほど忙しいというわけではありませんでしたが、精神科特有の難しさがありました。精神科で働くということは、忙しさの種類が違うだけで、別の意味で大変な仕事だったと感じています。
まず、精神科では他の病棟ではほとんど経験しないようなトラブルが頻繁に起こります。特に、急性期の患者さんが入院してきたばかりの時期は、症状が非常に不安定で、暴れることがよくありました。病棟内で患者同士がケンカになることもあれば、時には家族や本人からクレームを受けることも少なくありませんでした。精神的に不安定な状態であるため、患者さんの言動が予測できないことが多く、それにどう対応するかが常に求められました。
さらに、精神科病棟では、コミュニケーションの難しさが一つの大きな課題でした。急性期の患者さんは幻覚や妄想に苦しんでおり、何を言っているのか理解するのが難しい場面が多々あります。特に入院直後は、症状が非常に強いため、意思疎通がうまくいかないことがほとんどでした。また、慢性期の患者さんでも、長期間にわたって入院していると病状が進行し、話の内容が支離滅裂になったり、全く意味を成さない会話が続くこともあります。看護師として、これにどう向き合うかが常に試されていました。(個人的には、こういうのは面白がるのが一番良いと考えています💦)
何度も仕事を辞めたいと思った瞬間がありました。精神的な負担だけでなく、トラブルの対応に追われる毎日は決して楽なものではなかったからです。しかし、私が続けられた大きな理由の一つは、人間関係に恵まれたことでした。職場の同僚や上司との関係が非常に良好で、悩みや辛さを共有できる環境があったことは、大きな支えになりました。今でも仲の良いスタッフとは交流を続けています。
また、奨学金の返済を終えるまでは少なくとも3年間働こうという目標も、私を前向きに働かせる要因の一つでした。
結果として、3年間しっかり働き、奨学金の返済を終えた後、私はこの仕事を一区切りつけました。この3年間の経験は、私にとって大きな成長の機会であり、精神科看護の奥深さと難しさを知る貴重な時間でした。やめたいと思ったことも数え切れませんが、その度に支えてくれた人々や学び続けた経験が、私を強くしてくれたと感じています。
おわりに:精神科病棟での3年間を振り返って
この期間を振り返ると、正直、つらい瞬間も多々ありました。精神科の現場では、患者さん一人ひとりが抱える問題や状況が複雑で、心のケアには時間がかかります。時には患者さんの症状が悪化したり、コミュニケーションが難しかったりすることもあり、心身ともに疲れる日々もありました。しかし、それ以上に、多くの貴重な経験ができたことを感じています。
精神科病棟では、患者さんの表情や言葉の裏にある感情に敏感になり、心の中で何が起きているのかを深く考える力が求められます。一般科とはまた違った大変さでしたがそんな中でも患者さんが少しずつ心を開いてくれたり、小さな進展を見せたりする瞬間に立ち会うこともできました。特に、長期的なケアを通じて、患者さんが少しでも前向きな変化を見せたときはうれしいものです。
振り返ってみると、精神的にも体力的にも厳しい日々でしたが、その中で得られた成長や学びは私にとって大切な財産となっています。これからも、この経験を活かして今の環境で頑張ろうと思っています。
本当は訪問看護バイト掛け持ちしていた話もしようと思ったんですが、思っていたより長尺になったので来週以降語ろうと思います。また来週もご愛読いただけると嬉しいです👍