どんなヤクザな人たちかと思ったら
最相葉月さんの著書『最相葉月 仕事の手帳』の中に、
最相さんが編集者時代に参加していた懇親会で出会った
憧れの映画人・編集者たちについて書かれた文章に、こんな一節を見つけた。
「打ちのめされていた。どんなヤクザな人たちが作っているのかと想像していた週刊誌の編集者がみな優秀というだけでなく、誠実で旺盛なサービス精神の持ち主だったことに。ライターがみなタフで行動力にあふれ、生き生きとしていたことに。彼らの小気味よい言葉の応酬に圧倒され、そこに加われないことが情けなかった。」
この一節を読んで、
先日、実にじつに魅了されたYouTube動画を思い出した。
最相さんの表現のとおりの方なのだ。
文藝春秋編集長の、新谷学さんという方。
最相さんの文章に話を戻すと、
最後をこう締めくくっておられるんだけど
「また、新春会で出会った人々はそれぞれの分野で活躍し、寒い冬の帰り道、車を止めてわざわざ温かいコーヒーを買ってきてくれた私と同年配の編集者は、目下、月刊誌編集長として厳しい戦いを重ねている。コーヒーの恩義というわけではないが、最後の一人になるまで、私は雑誌の読者でありたい。」
これ、新谷さんのことかもしれないと思った。