文子さんの詩集買った
文子さんの了承を得て
この記事を書いてます
蝶々の篆刻
篆刻ってググったよ
木・石などに印をほること。印刻。
まさにこの詩集に刻まれた言葉ひとつひとつが 文子さんが身体に刻んだ
愛と血の印影だと思います
だからかな 柔らかい言葉なのに
愛が深いから血の繋がりが
絡まるから
読んでると言語化できなかった
かつての痛みがヒリヒリします
ピエロという詩があります
お母さんが言うから
彫刻刀で
銀色のガスコンロに
こびり付いた焦げを
削っていました
そのうち
なぜかな
ピエロの顔を
削っている気分になり
わたしの
道化心を殺している気分になり
泣きたくなりました
心を彫刻していると
言った少年のようには
気高くなれず
爪の間に入った汚れが
朧の新月と一緒になり
赤くなりました
初めのこのたった五行連から
お母さんとの間にある
緊張感を感じ取れます
お母さんの前ではいい子でいなくては
ならない そのペルソナを
削り取るように
彫刻刀を握り
ガスコンロに汚れをきれいにする
詩と日常が陸続きになってるから
読み手は他人事じゃなくなって
どんどん没入していくのだと思います
詩なんて結局好き嫌いだし
それでいいと思うし
それでいいなら
この詩人はとても大好物です
是非是非皆さんに手に取って欲しいです
愛に痛がるのも
愛に迷子になるのも
愛に酩酊するのも
大人にしかできないことだから