ファミレス行こ。13話を待ちつつ考察する20241109_『カラオケ行こ!』と『ファミレス行こ。』の違いを考える

13話まであと3日ですよ。。
早くも当日みたいな気持ちでソワソワ過ごしてる。。さて、そんな今日は、『カラオケ行こ!』と『ファミレス行こ。』の違いについて考える。

『カラオケ行こ!』と『ファミレス行こ。』の違い


『カラオケ行こ!』と『ファミレス行こ。』は、続編でありながら少し雰囲気が異なる。
主役の2人が年を重ねて落ち着いているというのもあるけれど、それ以上に雰囲気を変えているのが、2人を取り囲む世界のリアルさだと思う。
そのリアルさがどこから来ていてどこに帰結しようとしているのか、考えてみたい。

舞台が実在の場所

『カラオケ行こ!』は舞台が大阪のとある市。
具体的にどの街なのか?はよく分からない。
カラオケ天国も実在なのか不明。
森丘中も存在していないのでは?
(大阪の方なら分かるのかな)

対する『ファミレス行こ。』の舞台はO田区K田。
伏字で書いてるけど、会話の中に普通に
「狂児さんていつも蒲田で何してるんですか?」と出てくる。要は蒲田が舞台。

聡実くんのバイト先のファミレスも、モーニングを食べた喫茶店も中華も焼肉も、そのままある。

そして、聡実くんの通う大学も実在している。
蒲田に住んで立正大学に通うとか普通にありそう。

あえて舞台を実在する街にしているところが『ファミレス行こ。』のリアリティをあげている要素の1つだ。

狂児と聡実くんの2人が紙面ではなくリアルな世界に降り立った感すらある。

2人以外の「常識的な価値観」の介入

次にリアリティをあげている要素、それはライター岡田という第三者の存在だ。
岡田の存在により、まっさらな大学生がヤクザの若頭補佐とたまに会って食事をすることが「おかしなこと」である、という視点が入ってくる。

もちろん、ヤクザである狂児が一般人である聡実と関わること自体は『カラオケ行こ!』でも普通のこととして描かれているわけではない。
その認識は狂児の
「この辺りには来ないでください」
「聡実くんの青春をこれ以上オッサンで潰すのも可哀想」
といったセリフからも読み取れる。
が、『カラオケ行こ!』の中ではそれらはあくまでも主役の2人の口から語られるものであった。

一方『ファミレス行こ。』では、ライター岡田を通して「世間では普通ではない関係である」ことがあらためて示される。

岡田というキャラクターを登場させるということは、2人の関係を続けていくにあたり、「普通の関係ではない」事実と向き合うことからは避けられない、ということを示唆しており、
物語は極めて真摯に「現実としての2人の関係」を描こうとしていることがわかる。

やっぱり『ファミレス行こ。』は真向からラブストーリーを描いているんだな。

『カラオケ行こ!』と『ファミレス行こ。』の世界観はどう折り合いをつけていく?

虚構の色が濃くファンタジー感さえあった『カラオケ行こ!』
あくまで現実を見せ、落としどころを探す『ファミレス行こ。』
この2つの世界観は、どのようにつながるだろう。

虚構と現実のつなぎ目にいるマサノリ

私は、虚構と現実をつなぐとしたらやっぱりマサノリなのでは?と思っている。

「ヤクザである実家のリアル」を「ねこねこぱにっくという漫画」に落とし込み
「聡実くんがつけたコーヒーの染み」を「ねこに模した自画像」で上書きした。
『カラオケ行こ!』よりも現実味が増してしまった『ファミレス行こ。』の世界を明るいものに導くとしたら、
「大学生とヤクザの非常識な密会」を「惹かれあった2人の希望ある明るい未来」につなぐとしたら、その鍵はマサノリにあると思っている。

今日はここまで。

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