2024/11/20 君とフェイクダンス
『海に眠るダイヤモンド』の第4話を観た。ネタバレします。
百合子好きだ。朝子の無垢さは鉄平をはじめとした幼馴染が守ってきたものなんだと知り、また見方が変わった。「あなたが許さなくても私は許すわ」と言われた朝子が何を感じとったのか気になる。
この構図は島に残った朝子を大学に進学した鉄平、賢将、百合子が守ってきたとも捉えられる。さらに深読みすれば、朝子のいる端島を上京組が守っているとも。
朝子と百合子の関係の秘密と、父から鉄平への心境を明かしたのが同じ4話ということでこの2つのテーマは共通するものがあると思う。
粗く言えば、“知”。
鉄平の父、一平は道が違わないように息子を、大学に進学させた。何も知らない愚かさと不条理に進む社会へのやるせなさは、広範な知見と賢さによってある程度は低減できる。
過去の誤った価値観に疑念を抱いた故に鉄平を大学に行かせ、自分のようにならないようにと育てたのだから愛ゆえにだなと思った。一平の妻、ハルが諭した言葉は真だが、一平が偽でもない。これも愛だなーと思った。
進平を送り出すときに、万歳をしていた一平は凄まじかった。強迫のような声援と誇りを宿した目に恐怖を感じた。回想パートの一平と終戦後の一平とで纏う空気が違い、洗脳が解けた人ってこんな感じなのかなと思った。
ドラマという枠組みの話になるが、朝子含め杉咲花が演じるキャラクターは、どれも内に秘める思いが強く、その全てを台詞に発散することが少ない。しかしながら言葉にせずとも感じさせる奥深さがある。最高。アンメット→ムーンライトリバース→海に眠るダイヤモンドと継続的に杉咲花を摂取しているので健康にいい。
百合子の父が母を精霊流しに送り出すシーンが1番感情移入した。百合子→母は強く描かれていたけどそりゃ父→母もあるわなというか、むしろそっちの方が強い思いがあるよな。言葉を発する前の喉元の動きに全てがあらわれていた気がする。
“祈る”と“願う”の違いについて考えていた時期がちょうど1年前にあって、その時から自分が納得する明確な答えは出ていない。星には願うのに、神には祈る。この違いは何かを考えていた頃を思い出した。以下、4話終盤のナレーションを引用。