wezzy「謎の「イヤシロチ」に迫る」記事について

藁をねじって埋めると畑は豊作になり、焼肉屋は繁盛する……謎の「イヤシロチ」に迫る
https://wezz-y.com/archives/94960   @wezzy_comより

この記事なのですが、いくつか記述にあいまいな点があり誤解を招きやすい内容になっています。

最も気になるのは、今回取り上げている「ねじねじ」を作った「ガッテン農法と呼ばれる自然農法を指導している三浦伸章さん」が、MOA(世界救世教)の農業関連の事務局員であることが書かれていないことです。つまり「ねじねじ」が新宗教のコンテンツであり、スピリチュアルコンテンツと括れるかはワンクッション議論が必要でしょう。いずれにせよ、「ねじねじ」を取り上げるのになぜ世界救世教の名前が出ていないのは不思議です。(追記:三浦伸章さんはいまは脱会されているという記述も見かけましたが、不確かです。)(再追記:関係者のfacebook には退社されたという記述がありました)

ちなみにググれば三浦伸章氏のウィキが出てきて、明記されています。世界救世教は大手の新宗教で、戦後から続く自然農法をメインとした教団です。現在は、それぞれの分派で活動しています。

当然のことながら、船井幸雄の唱える「イヤシロチ」と関連事業とはと全く別物です。カタカムナに傾倒した楢崎皐月の指導で、家の土壌改良をするという事業をレクチャーしているみたいですが、「ねじねじ」と目的が異なります。おそらく料金も全く異なるでしょう。三浦伸章氏が関わる高額セミナーのたぐいは探してみ見つかりませんでした。

もともと「イヤシロチ」は偽史であるカタカムナから来ているので、たまたまネタもとが重なったと考えるのが妥当でしょう。故意ではないと思いますが、重なって読めるのは読者に誤解を招くのではないでしょうか。

あと気になった記述が一点

イヤシロチの逆は「ケガレチ」。魔の踏切など、何をやってもヤバいことになる場所だと言います。映画化された小説『残穢(ざんえ)』(小野不由美著、新潮社)は、とある場所に住む人たちが次々と不幸に見舞われるケガレの物語でしたが、イヤシロチ思想で見ると、そこもまたケガレチに該当しそう。

「残穢」の「穢れ」が「ケガレチ」と同じであることは、ハレ・ケ・ケガレを踏まえると普通に考えて当たり前だと思います。

自然農法は今も人気で、私もお手伝いがてらフィールドに参加させてもらったことがあります。「ねじねじ」は見たことがありませんが、田植え前の魔よけの踊りを踊ったり、藁でおまじない(呪物)を作ったりして取り組んでいる方がけっこういらっしゃるようです。半農半Xもなかなかに魅力的な取り組みですし、何より無農薬自然乾燥の米がめっちゃ美味しかったです。

そこに世界救世教が関わることがどのように、なぜ、問題なのか、今回の記事ではわかりませんでした。呪物を田んぼや畑に埋めることは珍しくなく、そこにカタカムナと三浦伸章氏のオリジナリティが加わっただけとしか思えません。確かに行き過ぎた主張に違和感を覚えるのもわかりますが、三浦伸章氏が発達障害を抱えた末に自然農法に行きついた経緯を鑑みると、そこまで厳しく言うべきことなのかとも思います。

いずれにせよ、あくまで事業団体である船井総研と、戦後から自然農法をメインに取り組んできた新宗教教団である世界救世教が一緒に読めてしまうような記事の書き方は、昨今の宗教教団にまつわるニュースを考えても注意しておくべきではないでしょうか。

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