wezzy「日本でも聖職者からの性暴力が表面化。宗教&スピリチュアルと性のおぞましい関係」間違いメモ
※番組を見て間違いの内容にさらに修正
①ここ100年でアジアから欧米に流れた「ネオタントラ」」→「ネオタントラ」は欧米が発祥。付記:ホワイト教授も番組内でそういってます。
②「(ネオタントラは)日本のスピシーンでもすでに定着化しつつあり」→80年代の宗教ブームからあります。付記:「ネオ」タントラという語彙の由来は、伝統的なタントラと区別する目安に過ぎないので、区別しない人は「ネオタントラ」であっても「ネオ」をつけません。
③ネオタントラとオキシトシン信仰が合体したと思われる「オーガズミックバーズ」→「オーガズミックバース」は70年代後半から、脳科学ブームは80年代後半から。なんのこっちゃ。付記:「オーガミズミックバース」という映画自体は2008年の公開ですが、出産時にオーガズムを体験するという考えは米の助産師、アイナ・メイ・ガスキンを筆頭に70年代から主張されています。脳科学ブームが出産に入り込んだのは早くても80年代後半、それ以前の書籍には見られません。
④「タントラとは西暦500年ころの古代インドで発生した修業のひとつ」→は? 付記:これはドキュメンタリーの字幕の間違いを、ノジルさんがそのままトレースしてしまった結果ですね。タントラは修行ではなく、タントラという思想・宗教体系全般のことを指します。ホワイト教授もそう述べています。
⑤「性的な儀式を取り入れていた江戸時代の邪教「真言立川流」」→えーと。ええええええと・・・・そもそもセックス・セクシュアリティと宗教って切り離せるものではないのですよねという教科書レベルの説明から。真言立川流に期待しすぎでは。
⑥「ダキニ信仰と古来日本の自然神である稲荷信仰が合体して広まったものである~という見解があるので」→ちょっとここから飛ばします。参考文献が「『真言立川流ー謎の邪教と鬼神ダキニ崇拝』(学研)」になってるので、もう「はい解散」としか。誰か参考文献の選び方を注意してやれよ。まあそもそも、よほどののことが無い限り、真言立川流について自分の見解を述べちゃうだけで心臓すごいなと思う。
⑦「(ジェムリンガは)稲荷×ダキニが合体した立川流と高濃度で一致」→どこからもう説明していいのかお手上げ。ハトコの子どもの同級生くらいの一致はあるんじゃないかな・・・ 付記:リンガはヒンドゥー教の神です
⑧「立川流は真っ当な坊さんは手を出さない類のもの」→なんというか、真っ当真っ当でないっていう区分けをどの規準でしてるのか。学研発行の、明らかに専門家が書いてないので地雷でしかない真言立川流本で。 付記:真言立川流が「邪教」だというのは俗説であることが、近年の研究で判明しています。ここ5,6年は言われてることですね。
⑨「「タントラヨガ」レベルになると、そこそこメジャーなメディアにも姿を現しているのがゾッとする」→だとしたらヨガって文字だけでゾっとする羽目になるのでは。タントラと無関係のヨガって逆になんだろ。いや、説明いいです。
⑩最後「宗教やスピリチュアルと「体」が結びつくと、一気に危険な側面が色濃くなるという現象を、タントラや聖路加事件に見た思いです」
→逆に身体性と無関係の宗教やスピリチュアリティってあるんですか・・・(二回目)
ただこの細かいつっこみとは別に、この記事は宗教/スピリチュアリティにおける性加害の問題について本当に色々問題を含み過ぎています。その点の解説はいずれ。
しかし、誰か山田さんに資料や参考文献のの見分け方を真面目に教えてあげてください。私だって別に真言立川流に詳しいわけじゃないけど、彼女がいわゆる「トンデモ本」を真に受けてしまって、その事実誤認に基づいて記事を書いているくらいは判別がつく。