【エメラルド】バトルタワー用ねこのてパーティ タワータイクーンをねこのてで狩りたい(70連勝達成)
はじめに
こんにちは、教育学部のレッドと申します。
最近はエメラルドのバトルタワー走者も増えてきており、オーソドックスな攻め構築だけでなく、安定感のある受け志向の構築や、ハチマキトリック構築などといった数多くの構築が金リラ討伐報告を上げております。
今回はそれらとは異なる新たな構築をご覧ください。
構築に至った経緯
「ねこのて」について
ねこのて ノーマル へんかわざ PP20
大急ぎで 味方の 助けを かりて 味方の ポケモンが おぼえている 技を どれか 1つ 使う。
ことわざ「猫の手も借りたい」から由来する技ですが、あくまで借りるのは猫側。
控えのポケモンの持つ技から1つ抽選し使用する技ですが、全ての技を使用することができるわけではなく、抽選されない技も存在します。
抽選されない技
きあいパンチ、カウンター、ミラーコート、まもる、みきり、こらえる、トリック、どろぼう、ほしがる、よこどり、みちづれ、てだすけ、このゆびとまれ、ゆびをふる、ねごと、ものまね、オウムがえし、スケッチ、ねこのて (第三世代時点)
ねこのてで借りたい技を確実に抽選させるためにはこれらの技を採用し、抽選される技の母数を減らす必要があります。
「ねこのて」を使った戦術
ねこのてをメインに据えた構築で、主に第五世代後期〜第六世代対戦環境で「レパルガッサメタモン」が害悪戦術として名を馳せました。
この構築はレパルダスがねこのてを使いキノガッサやメタモンの技を借ります。控えのポケモンの技をねこのてで抽選されない技ばかりにし、キノコのほうしのみ借りられるようにすることで、レパルダスは外さないねむり技を先制技として使うことができるわけです。この戦術はとても嵌め性能が高く、対策を怠るとレパルダスのみで詰んでしまうこともあるようです。
対人戦で見せ合い63ですら強いのであれば、もしかするとバトルタワーでも活かせるのでは?と思い至りました。
また第三世代時点での仕様により、流行した第五、六世代と比較してもこの戦術における隙を見せにくいところも大きいです。主に挙げられるものとして
①連続技の習得者が少ない、威力が低い
(バトルタワーでロックブラストは使い手なし、ホネブーメランを使うガラガラは1種類)
②くさタイプ相手にキノコのほうしが有効
③ねむりターンが2〜5ターン(第九世代現在2〜4ターン)
④音技がみがわりを貫通しない
⑤先制技の習得者が少ない、種類が少ない
(キノガッサのマッハパンチ、ウインディのしんそく、ハッサムのでんこうせっか程度)
が浮かびますが、嵌める際の有効範囲が広い②の存在が特に大きいでしょう。後の世代でのこれらの仕様変更やいたずらごころの弱体化は、レパルガッサ(化身ボルトロスかも)への規制と言われても過言ではないものと考えられます。
そこで今回はこちらの戦術を上手く第三世代に落とし込めないか考案しておりましたところ
…………なんと既に先駆者様がおりました。
こちら海外のポケモン対戦データベースsmogon.com内エメラルドバトルタワー連勝記録の掲載欄からwtset氏の記事と、Adedede氏による改善案を拝見いたしました。
こちら詳細につきましては割愛させていただきますが、今回使用したパーティはこちらの記事を私なりに解釈して練り直したものとなります。ねこのてパーティの都合上、習得させる技が限定されるためどうしても構築が似ております、ご了承ください。
使用したポケモン
ドーブル
採用した技
キノコのほうし
言わずと知れた最強のねむり技です。この技をペルシアンに貸していきます。
ミラーコート
第三世代は特殊技の大技がそこまで多くなく、耐久調整を施すことで相手の攻撃を一発耐え、跳ね返すことが期待できます。
みちづれ
相手のポケモンを道連れにし、ペルシアンの負担を減らします。第三世代では連続で使っても失敗しません。
こらえる
自分のHPを減らし、カムラのみを発動させるために使います。1ターン耐えることで相手の使う技を見ることができるため、型判別にも一役買っています。
能力値調整
HD C205フーディンのサイコキネシス確定耐え
最低限の特殊耐久があるので、相手を見極めてミラーコートを狙いましょう。
S 準速85族抜き(ヘラクロス、スイクン等)
S+1(カムラ)でS207(全ての相手を抜ける)
自分より速い相手に対してカムラを食べ、先制みちづれを使えます。
採用理由
技のカスタマイズ性が高く、キノコのほうし以外の技をねこのてで抽選されない技にすることができます。みちづれによる1:1交換も強力です。
比較対象にキノガッサがおりますが、特性ほうしが誤発しどくやまひにしてしまう可能性があること、ドーブルの方が素早いことから今回は見送りました。
ゲンガー
採用した技
みちづれ
ドーブルと同じく、1:1交換をしペルシアンの負担を減らします。
カウンター
ゲンガーは耐性が優秀であり、ノーマル、かくとう、じめんを無効にできます。それ以外のタイプの物理技は威力が控えめなものが多く、跳ね返すことができます。
まもる
相手の使う技を確認し、型判別やカウンター、みちづれを狙います。
どろぼう
相手のラムやカゴ、せんせいのツメ、ひかりのこな等を奪い、ペルシアンのキノコのほうしを安定して使えるようにします。
能力値調整
HP 16n-1調整(定数ダメージ最小)
みちづれするのでそこまで影響はありません。言いたかっただけ。
HB A187メタグロスのシャドーボール確定耐え
アーマルドのハチマキいわなだれ確定耐え
H235-A178カビゴンのシャドーボールをカウンターの反射で高乱数(232〜276ダメージ)
物理技を軒並み半減以下に抑えるため、不意のせんせいのツメに対する誤魔化しが効く上、カウンターの体制も取れます。
HD C183の一致120技確定耐え
ライコウのかみなりすら耐えられるので、タイプ一致かみくだくやサイコキネシス、オーバーヒートでなければ耐えられます。
S S173調整(一部サンダース、クロバット、テッカニン以外抜き)
激戦区S172ラインを超えており、みちづれを成功させやすいです。
採用理由
ペルシアン、ドーブルの苦手とするかくとうタイプに強いタイプであること、高いすばやさと最低限の耐久力で確実にもちものを奪うことができることから採用しました。
ペルシアン
採用した技
ねこのて
先人に倣いキノコのほうしのみ借りられるようにしました。
みがわり
ステータスが低いペルシアンを守るために必要です。たべのこしと組み合わせて何度も使えるようにしたい。
おんがえし/やつあたり
威力、命中共に安定したタイプ一致技です。
後述のあくむを採用する都合上、ねむりが効かない相手に使う攻撃技を1つ採用しておきたい。
あくむ
おんがえしに耐性のあるポケモンや物理耐久が高いポケモンに使います。定数ダメージを与えるため、じこさいせいやたべのこし等で粘るポケモンにも有効です。
能力値調整
HP 16n+1調整(たべのこし回復量最大効率、みがわりを4回使用できる)
耐久ステータスが低すぎるため、ほぼこうげきとすばやさに振り切りました。
A 端数(等倍おんがえしならほとんどのポケモンを3〜4発で倒せる)
S 最速(S182サンダース、クロバット抜き)
バトルタワーでこれ以上素早いポケモンは他にS200サンダースのみです。
採用理由
今回の構築のキモになるねこのてを使えるポケモンの中で最もすばやさが高く、S172ラインを優に超えていることから採用しました。特性じゅうなんを持っており、でんじはやせいでんきに怯えずに行動できる点も評価が高いです。
立ち回りと注意したいポケモン
基本的な立ち回り
①ミラーコート/カウンター+みちづれで2:1交換をとる(ペルシアンを繰り出さずに済む)。
②どろぼうで相手のもちものを奪ってからペルシアンで嵌める(みがわりを残しつつ控えと戦うことができる)。
③みちづれで1:1交換をとり、ペルシアンと相手との一騎討ちにする(相手のもちものが判別できていないため避けたい)。
おおよそ3パターンになるものと思われます。①で決まれば最も楽ですが、大抵は反射技が決まらずに②を、相手の2匹目次第では起点にすることをやめ③にせざるを得ない場合や、みちづれすら決まらずペルシアンが修羅の道を歩む場合もあります。
注意したいポケモン
せんせいのツメ、ひかりのこなを持ったポケモン
すばやさ、かいひりつを上げる手段のあるポケモン
先制キノコのほうしが安定しません。相手の先制はカウンターやミラーコートで後手を取ることで、かいひりつは道連れにすることで受け入れます。カムラは食べさせないようにあくむの割合ダメージで調整します。
ラム、カゴのみを持ったポケモン
ねむりを解除してしまうため、どろぼうで奪うもしくはみがわりを残して2回キノコのほうしを使って対処します。一度使わせてしまえば、もちものが無いことが分かるため逆に安全に嵌められます。
ねごとを使うポケモン
こちらが安全に行動できる予定のターンに攻撃技が飛んでくる可能性があります。ねむると同時採用されているため技が不発するターンがあったり、起きたターンにねごとを使ってきたりするためそこまで嫌な相手ではありません。
特性ふみん、やるき、はやおきのポケモン
ねむり耐性があります。ステータスの低いポケモンが多いため、みがわりを残しておき、おんがえしで速攻を狙います。
ジュペッタは2種類しかいないため対策を切っています(ガルーラ、スリーパー、ドードリオ、ヘルガーへの対策優先)。
まひにする技を持ったポケモン
これはドーブル、ゲンガーに対して搦手を使うポケモン全般に言える話になりますが、こちらのみちづれ連打を妨害しながら起点にするポケモンは控えのペルシアンを安全に着地させる上で脅威となるでしょう(でんじは+りゅうのまいギャラドス等)。
その他相手の情報を詳しく知りたい場合は、MIさんのすばやさリストから
敗因と反省
敗因はサイドン(いつものやつ)。ゲンガーに引っ込めメガホーンをカウンターで連打していたらニドクインに交代されてしまいました(この時点でメガホーン/じしん/ブレイククロー/つのドリル個体であると断定できた)。ゲンガーを対サイドンに残さずにニドクインにどろぼうをしてしまった(サイドンは全種せんせいのツメ持ちでどろぼう必須)ため、ペルシアンでサイドンを相手しなければならなくなり、後攻みがわり破壊→先制じしんの流れで倒されてしまいました(よくあるパターンなので逆に諦めもつく)。
ニドクインに交代された次のターンにこちらもドーブルに戻す→キノコのほうしで型判別をしてペルシアンを着地→みがわりを残してニドクインを倒す→サイドンを眠らせてゲンガー交代→サイドンにどろぼう
が正解だったのかなと思います。プレイングミスがなければ100連勝達成も見えたため悔しい。
対戦環境と比較し相手の型判別ができる点は有利に働きますが、あまりにも変態型(主に分身残飯型)が多くセオリーが通じない点、第三世代時点でのもちものの幅が狭い都合上、運要素が強くなる点は向かい風と言えるでしょう。ねこのてパーティの最大の敵は「もちもの」にあり。
おわりに
読んでいただきありがとうございました。今回のねこのて戦術は前回投稿したパーティとはまた違った面白さがあり、今後使い手が増えてくれると嬉しい限りです。こういったギミック寄りのパーティが好きなので、他のパーティを考案したらまた投稿してみようと思います。