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コンセプトの紹介①本物を追い求める医療機関

本物を追い求める医療機関


この様に聞くと、一般の方の考えでは大学病院や研究機関、地域の医療センターなど、名だたる施設を思いつくのではないかと思います。そういった施設では、症例(患者さん)がたくさん集まり、手術も多く、研究して、たくさん論文を読んで書いている。そんなイメージがあります。いわゆる大病院ですね。

医療関係者ではない方でも容易に想像できるかもしれませんが、その様な病院の中はそれこそ病人だらけです。その中で人生の大半を過ごし、その中でスタディーを考えると病気の人をどのようにして治すか?という考えに集中します。

しかし、病院に来る人以外にも世の中には健康な人からちょっと不健康寄りの人、病院がそもそも好きでない人、自分が病気だと認めない人など、様々な人がいます。
こどもに関しては、たとえ障害を持っていたとしても、本人はさほど気にしていないことも珍しくありません。その人は健康??不健康??

ここで上げた人は病院にはあまり来ることはありません。

それは、、、
普段の生活が当たり前になっているからです。
本来ならばその普段の生活をどうやって守るかを考えていくべきなのです。追い求めている方向は本当に正しいのでしょうか。

ですが、残念ながら予防医療の概念は整形外科の中に浸透しているとは言えません。
それはやはり大きな医療機関で行うことが難しいからです。その理由についても後半で説明しています。

では小さなクリニックはどうでしょうか?
街のお医者さんは優しくどんなこともみてくれています。
ちょっとした風邪や怪我であればそれで事足ります。
しかしここにも様々な問題が出てきているのです。

診療報酬の壁

日本の保険医療制度は素晴らしいものです。誰でも平等に医療が受けられ、それも格安でというのがわれわれの認識です。
しかし、その有り難みも当たり前として存在していると、それがいかに大切に守らなければならないかを忘れてしまっている様に感じます。

救急外来へのコンビニ受診や救急車の不正利用などのモラルの問題。小児科、産婦人科医の不足。地域医療の破綻などの人材不足問題など、医療費自己負担の安さと財源不足による影響が多くの新しい問題としてどんどん出てきています。

ご存知の通り、高齢化社会を迎え、医療費が年々高額となり、社会保障費の増加、財源の圧迫により、医療費全体を抑制する方向へと舵が切られています。クリニックは体制を維持するため、多くの患者をみて、数多くの検査を行い、収入を確保しなければならないというイタチごっこが続いています。

正しい医療とはどこへ向かって行ってしまうのでしょうか。

このような状況では新しいことを始めるのは難しく思います。
さらに、予防医療に関しての診療報酬点数がほとんど認められていないため、積極的に行うことで経営にも影響が出てくることになります。

現在は病院で診断を受け、悪いところを指摘してもらい、民間の施設でそこのトレーニングや予防を行うという形が一般的ではないでしょうか。

腰痛で受診してなにもしてくれないは現時点では当たり前のことなのです。

しかし、クリニックと民間施設の相互利用には以下の様な問題が出てきます。

1. 連携が難しい
2. フォローアップができない
3. 研究がすすまない

1. 連携が難しい

これも診療報酬の問題を含んでいます。
最近増えている体づくりフィットネスやコンディショニング施設はほとんどが整体院という枠で運営されています。
整体院は開業に関しての縛りが緩く、資格を必要としていません。そのため医療保険機関として認められず、どこででも開業できてしまいます。

医療機関とは基本的に独立しており、関わりがなく、文書のやり取りをしようにも紹介料が発生しません。必然的に医療とは遠くなってしまう関係なのです。

自分の技術を正しくやろうと独立開業したは良いが、医療から離れて浮いてしまっている存在をよく目にします。果たしてそれが本当に1番良い選択肢だったのでしょうか。

2. フォローアップができない

仮に連携がとれて、上手く引き継いでいったとしましょう。個人開業の整体院は病院での保険診療に比べて割高です。継続率の低さが問題になってきます。クリニック側からするとせっかく紹介したとしても継続せずにドロップアウトしてしまうと次はないなと思ってしまうかもしれません。また、継続して良くなったとして、再度クリニックを受診するかどうかもわかりません。継続が収入源のため、クリニックでもう大丈夫と言われてしまうのが怖くてあの手この手で引き止めようとしていた例もあります。

3. 研究がすすまない

継続したリハビリテーションなどの運動療法が、疾患の発生予防になるのかは実はイマイチ良くわかっていません。これくらいの人はこうしなければ絶対!なんて言われればもう少し世の中も変わると思います。

独立開業した人は本当にやる気があって、今の病院のやり方ぎおかしいと思っている人もいます。そういう方は研究にも熱心です。ただ、1人で発信、啓蒙を行なっていてもなかなか広まらないし、もしかするとインチキ療法やまやかしなんてレッテルを貼られる可能性もあります。

新しいやり方や、そういった力のある存在の正しい方向づけに役立つことが、この分野の研究をすすめる近道ではないでしょうか。

リハビリなどの保存療法と呼ばれる方法が本当に良かったのかはやはり継続してみていかなければわからないのはなんとなく理解できたと思います。こういったことが自前で行え、さらに持続して運営可能になるのは初めからそのやり方をデザインして作る必要があります。

常に最新の知識を仕入れて、なんとなくの慣習のみで治療を行っていくのではなく、研究も含めてアップデートしていける組織。そのために外部講師を積極的に募集すると思います。SNSを駆使して今オンラインで発言されている内容をリアルに確かめる、考えられる場を提供する。

それがこれからの『本物を追い求める』やり方ではないでしょうか。

中川将吾
小児整形外科専門ドクター

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