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あと20日 全国の消防士へ


杵藤地区消防本部の小田と申します。

今回は、前回の続きで

『救助技術訓練のあり方を見直す』

というテーマでお話しします。

意見はInstagramでいつでもお待ちしてます。
前回の記事は結構反響があって沢山の方からDMが届きました。
何か思うことがあればいつでも話しましょう。

前回は私が考えている問題点をたっぷりとお話ししましたので、今回は実際にどのように変えていくかをお話しします。

最初にいっておきますが、前回の話も今回の話も私がいきなりこのブログで発信している訳ではなく、既に自分の本部で声をあげて会議の場にあげて、実際にうちの本部は改革に動き出している事を申し添えます。

要は、ここで愚痴ってる訳じゃなくて、
この話をせいしろうがしているということは
うちの本部の人は全員知ってるぜ。
ってことです。
#あーなんて奴だ
#あーなんていい本部だ
#杵藤地区から革命を起こすよ

まずもって、前提から話しますが
私が15年間声を上げ続けて分かったことがありますが、物事を変えるためには綺麗事や正論だけではいけません。

実際、自分では必要だと思っていることは他の人からしたらどうでもよかったり、真逆の意見だったりするからです。

自分の意見を反映させるためには、以下のことがとても重要でしょう。

⭐︎私利私欲のためではなく組織のためだと本気で思っていること
→これはマスト

①組織の中で立場をつけること

or

②組織の中で決定権を持っている人(持ってる人を口説ける人)に信用してもらっていること

要は、どれだけロジカルでも情熱があっても正論でも組織の中では関係ない場面があり、②を得るために上司とのコミュニケーションや下積み行動をしていないと厳しいでしょう。

ありがたいことに私は15年間その辺を徹底してきた男であり、日本1人間関係が上手くいってることを申し添えます。

要は、正論だけを振りかざして戦っても、無理なものは無理っていう世界は存在するということを受け入れることから始めよう。です。


だから、私は次なる発言力や影響力を得るために消防筋肉カレンダーの歴史を作るんです。

正論や私利私欲スタートではなく、

話題性やエンタメ性そして社会貢献から入って、発言力や影響力を欲しいからです。

その後に私の意見を全国規模で発言できる機会を得れると思っています。



それでは本題に行きましょう。

まずは結論ですが、
前回も言いましたが私の案は、

全国の本部の考え方を

救助技術訓練を技術訓練メインにしたい。


です。


大きな理由を先に申しますと、
救助技術訓練を廃止したり、縮小するというのは、現実的ではないというか、そこには我々が把握できないくらいの利害関係が発生したり、国レベルで過去を否定したことを認めた(救助技術訓練が現場にそくしていない)ことになるため、あくまで参加本部は変わらず、参加種目が変わっただけだよと建て付けが必要だと思っています。
そして、それの方が上司を口説くハードルが低いと思っています。

『はしご登はん(基礎訓練)じゃなくて、引揚救助(連携訓練)にでたいです!』

と言ってるのとあまり変わらないと思っているからです。

#『引揚救助(連携訓練)ではなくて、技術訓練にでたいです!』


ではまず、具体的に私がどのようなビジョンを思い描いているかを話します。

⭐︎私のビジョン

①各消防本部が毎年技術訓練に出場する
→連携訓練等(渡過、引揚、ブリキュー等)は、広告代わりに一部残すのはあり。(住民さんの興味関心を惹くキッカケ作り)

②もちろん、想定も救助方法も自由

③何ならロープレスキューじゃなくてもいい
※技術訓練の目的にはロープレスキューなんて一言も書いていない

こんな感じです。
逆にいうとこれだけです。
各本部が
『うちは毎年技術訓練にでます!』
というだけ。
#何も規約を根本的に変えたりする必要はない
#それを勇気を出していうだけ

ではでは
これを実現するとどんなメリットがあるか説明します。

○救助技術訓練に使用していた三打ちロープ、カラビナ、革手袋の予算をそのまま、現場で使える資機材の購入にあてることができる
→もうぶっちゃけこれだけでめちゃくちゃメリット
→大量のロープとすぐに破ける手袋の代わりにクラッチを欲しい
→毎年救助技術訓練用の予算はたくさんあるはず、それを技術訓練に置き換えれば何の根回しもいらない。だって救助技術訓練用に使うから。
#天才

○新年度の隊の立ち上げの時期に、1番習得に時間のかかるロープレスキューの時間をしっかりと学べる
→この時間に基礎からしっかりと学ぶことで全体のレベルがアップ
→本当にロープレスキューは基礎が大事
→切れたら終わり


○他消防本部との合同訓練が容易になる
→救助技術訓練については、非番などで行うことが多いので当務の出動人員に入らない隊員が管外の本部に出向いて合同訓練をすることが簡単にできる。
→こんなチャンス滅多にないというか、こんな風に訓練できれば絶対にお互いのレベルアップのスピードが加速する
→めっちゃいいやん泣
→伝わってるかな?

○現場に役立つ
→これが1番です。技術訓練は想定が何でもいいので、一つの事案について本気で考える時間が沢山あります。これによりしっかりと深く学ぶことができるため、チームとしても組織としても個人としても現場に強くなるでしょう。


○チームで考える力が身につく
→引揚救助などは、先輩がしていた呼吸器の背負い方、要救の上げ方、カラビナの掴み方などを踏襲していきます。要は自分で考える機会が薄いです。

しかし、技術訓練はチーム全体で

『ここ支点が使えなかったら、どうする?』

とか

『先輩、この方法はどうですかね?』

とか
今までの訓練では出てこなかった会話が増えることでしょう。

ビジョンとメリットはこんな感じです。

ではでは、これをどの様な流れで意見したかを説明します。

この場合説明をすべき対象は、

①今年度に救助技術訓練を教えていた指導者

②救助技術訓練をしていた隊員達

③特別救助隊のメンバー

④上司達

になると考えました。

何を隠そう私は2年連続救助技術訓練の総指導者をしてました。
各署から集まってくる若手達20人くらいのトップとして、各種調整や指導を行っていました。

指導者は私の他に3人おりましたので、まずはこの3人に今まで話したような内容を相談しました。

すると、満場一致でそれで行こうとなりました。


次に隊員達です。

20人の隊員達に連絡をして、意見を集めました。
ぶっちゃけ、後輩達なので私に気を遣ってるところもあると思いますが、
賛成18、反対2といった具合でした。

次に特別救助隊のメンバー15人に説明しました。ここは、ロープレスキューなどを専門で行っている部隊でありますので、一発目の技術訓練はここのメンバーが中心になると思いましたので、資料を作成して丁寧に説明しました。

そして、ここも満場一致をいただき、我々杵藤地区は連携訓練から技術訓練へと舵をきる第一歩が完成しました。

その後、本部の担当者会議に意見を提出し、議事録にも残りましたので、来年度の救助技術はうちが技術訓練に出場してくれることでしょう。九州大会は、福岡で佐賀出場枠がありますので九州でのお披露目もあり得ます。
#楽しみ

みなさん、来年度の救助技術訓練の技術訓練に杵藤が出ていたらこのブログを思い出してください。

我ら杵藤地区が狼煙を上げた証拠です。


そして、このブログが届いた消防士さんへ

少しでも私と同じ気持ちの方がいらっしゃれば勇気を出して、声をあげてみてください。

そこまでの勇気がまだなければ

やんわりとシフトチェンジもありでしょう。

話をまとめます。

救助技術訓練が変革すれば日本消防が一気に前進できると思っています。

1人でも多くの消防士さんがこの問題を自分事として捉えて革命を起こしてくれる事を期待します。

小田聖志郎

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