見出し画像

先日、花粉症が急に悪化したとのことで来院。鼻水と涙目で目が開けられないくらい悪い状態。花粉症は20年からとのこと。病院でも薬を処方されており、くしゃみの方は止まったとのことであるが、その他の症状には効き目がないらしい。

原因を調べてみると、まずは、ニュースなどによる花粉情報に過敏になっていた。それと社内でのストレス、そして、最後にお母様の心配が絡んでいた。事情をお聞きすると、今度結婚されるとのことで、長年一緒に暮らしていたお母様が、一人暮らしになるらしい。自分のせいで独りぼっちにさせるのだと思うと、悲しい思いがするとのこと。

花粉症の原因の多くに、この悲しみの情動が隠されていることが多い。ヒトは悲しい時に涙を流し、鼻水を流す。意識では悲しみを感じていないのだが、潜在意識では悲しみを感じており、恐らくいまにも泣きだしそうな神経回路のパターンができており、そこに花粉などのアレルゲンが刺激をして、鼻水や涙のスイッチを入れてしまうという理論である。

この理論は、科学的に証明されている訳ではないが、臨床的にはこのパターンが多く、深い潜在意識レベルの因果関係が明確になると、ほとんどの患者さんの花粉症は改善されている。

この患者さんは、3日後に来院され、「花粉症が治りました」とご報告していただいた。その日のニュースでも花粉が飛んでいるという情報を聞いているとのことだが、症状が出ていないのでほんとうに良くなっていると思うといわれていた。

全ての患者さんが一回の治療で治るわけではないが、花粉症の治療を受けた患者さんからは、今年は花粉症に悩まされなくなっているという報告を受けることが多い。一般的に花粉症の治療は、対症療法がほとんどなので、この本質的な治療法をもっと多くの人に知らせたい。

2010年4月16日(金)記

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?