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父親が借りれる時代「レンタル父親サービス」って知ってる?

こんにちは。人間レンタル屋の石井裕一です。 

突然ですが『レンタル父親』という父親を借りることができてしまう代行サービスがあることを知ってましたか?

初めて聞いた人もいれば、きっとテレビなどを通じて聞いたことがある人もいるかと思います。

私自身、自らレンタル父親を初めて10年となり、私のことを本当の父親だと思っている子供たちが今、日本で35人弱います。

この家族代行サービスが、一体どんな人が利用しているのか、ファミリーロマンス社の中でも一番依頼件数が多い人気の代行・代理出席サービスであるレンタル父親の裏側について、このNOTE限定で語っていこうと思います。

レンタル父親とは?

さて、父親と聞くとどんなイメージがありますか?

・とても大きくゴツゴツした手
・小さい時によく肩車をしてくれた。
・運動会の保護者リレーで頑張って走ってくれた。
・怒ると恐い
・酔っぱらって玄関前で寝ていた
・結婚式で一番泣いていた。

少しイメージしてみただけでも色々思いつきますよね。

誰にだって父親という存在をイメージでき、生きていく上で心の支えとなっている大きな一つでもある。

背の小さいお父さんもいれば、体が大きなパパもいる。すぐ怒るオヤジもいれば、いつも優しく接してくれる親父もいる。呼び方だって様々。いまだにパパと呼んでいたり、いつのまにかお父さんでなく、オヤジという呼び方になってたり。

当たり前ですが、同じ父親は存在せず、"一人ひとり違った父親" があります。

『レンタル父親』というのは

代行スタッフは、皆がイメージした年齢や性格なども含め、それぞれ違った父親になりきり、訳あって本当の父親に託せないことを父親としてレンタルし、問題解決するサービスです。

ちなみに、こちらが実際に父親の代行ができるファミリーロマンス社のサービスページ。

本当にこのサービスは世の中に存在してるんです。
family-romance.com

一体、どんな人がどんなを依頼するの?

実際依頼される人の用途は様々ですが、例えば、

その1.子供の父親の代わりになってほしい

<事例>
娘が小さいときに夫のDVが原因で離婚し、シングルマザーをしていた依頼主の女性がいまして、その女性の娘が10歳になったときに、片親という理由で娘自身が学校で苛めにあい不登校になってしまうことが起きたんです。娘のために、DVなど問題を抱えない理想の父親を必要とした依頼主の女性は、ファミリーロマンスに「レンタル父親」を依頼。その後、10年間、娘の本当の父親の代わりとして今でもリピートし続けています。

一発目からディープな依頼内容です。

これは私自身が担当しているケースです。もちろん、依頼主が理想としている父親を演じ続けることは簡単なことではないです。こういった依頼は "ひとつの家族だけではなく、いくつもの家族を複数担当" していきます。

その2.両家の顔合わせに参加してほしい

<事例>
実の父親に結婚を反対されているので、顔合わせに来てもらえないため、実の父親の代わりとして、両家の顔合わせに参加してほしい。

これはよくある "もっともポピュラーな父親代行のケース" です。

両家の顔合わせがあれば、当然、その後の結婚式や正月の親族集まりなどにも呼ばれることになります。たまに、彼氏に父親の写真を見せたことがあるので、その写真の父親に似たイメージでレンタルしたいなどといったピンポイントでそっくりさんを依頼される方もいたりします。

その3.父親として助けてほしい

<事例>
・DVが酷い彼氏と別れたいので、電話で彼氏に怒って別れるように促してほしい。

・隣人の騒音が酷く、1人暮らしの女性だと怖くて言えないので父親として注意してほしい。

などなど、大体こういったケースの依頼は女性の依頼主が多いです。”女性だけでは怖くてどうすることもできない” ことに対し、父親の代行を利用して解決していく内容です。

その4.父親のぬくもりを感じてみたい

小さいときから父親がいない中で生きてきました。周りの友達の会話の中には時折、父親のエピソードがあり、私自身、父親の背中を見たことがないことが、いつのなにかコンプレックスになっています。お父さんを演じてもらうことで、自分自身を勇気付けて頑張ろうという気持ちにしたいです。お願いします。 

事例1~3については、今までは第三者のために依頼するケースでしたが、この事例は、”自分自身のために利用する父親の代行” となります。全力投球で依頼主がイメージする父親を演じ、依頼主のためになるサービスを提供していきたいと強く感じさせる嬉しいケースです。

実際、どこまで代行でしてくれるの?

レンタル父親が分かってきたところで、じゃあ、具体的に代行できてくれた父親って、どこまで代行してくれるの?お願いすれば、何でもしてくれるの?

と疑問が浮かぶ皆さんに、どこまで可能でどこまでがNGなのか書いていきます。

もちろん、"こういう使い方の父親レンタルは利用NG"という規約も設けてあります。

その1.違法行為に繋がる利用

まぁ、これはレンタル父親に限ったことじゃなく当然な話ですね。

<事例A>

「会社のお金を横領したことが職場の偉い人にバレてしまい、父親を呼ぶように言われています。本当の父親には言えないので、父親の代行をお願いします。」

当然ながらNGです。窃盗罪を犯した人の加担は絶対にしません。

ですが、この手の依頼は結構あります。ちゃんと自分で罪を償いましょう。

<事例B>

「認知症の父親の預金を引き出したいのですが、とても外出できる状態ではありません。父親の代わりとなって、一緒に銀行に行ってほしいです。」

これもNGです。

金銭やり取りに直接関わる代行は詐欺行為に繋がる可能性が高いので絶対に代行しません。

<事例C>

「私は未成年ですが、整形をしたくて一緒に病院に付き添いをお願いします。また、親の承諾書が必要なので、代わりにサインをお願いします。」

これもNGです。未成年が勝手に整形して親が泣くきます。

まず、「親の代わりにサイン」。これは公文書偽造罪になるので絶対にできません。また、未成年が利用できる代行サービスは限られており、レンタル父親を含む、家族の代行サービスを利用することは規約上、不可としています。

と、明らかに犯罪になる代行の事例でした。

その他、犯罪に繋がらないが、“スタッフの身の安全が保障できないような依頼” については、代行することをお断りさせていただいています。

その2.本人以外からの依頼

これは一見どういう意味か分からないと思いますが、要は父親を含む家族のレンタルは、自分の家族としてに限って利用可能ということになります。

例えば、

「友達のサプライズパーティーで、その友達が小さいときに行方不明になった父親を見つけて連れきた。という仕掛けを作りたいんで、友達の父親として代行をお願いします。」

これは依頼者本人の父親でなく、友達の父親を代行したいということなので、利用ができないケースです。代行できるのは、あくまで依頼された本人の父親となります。利用するとしたら、その友達から直接依頼してもらう必要があります。

気になる料金は?

レンタル父親を含む「家族代行」サービスの料金は、

・4時間 20,000円(交通費別途)

となっています。4時間以上の利用も可能です。例えば、ディズニーランドに父親として一緒に行ってほしい。という場合、4時間じゃちょっと足りないので、6時間でお願いします。ということもあります。その場合は、

・追加は1時間単位で5,000円

を事前に決めていただくことで4時間以上の利用も可能となります。ただし、一点、気を付けなくては、”当日の延長は出来ない” という規約があります。なので、終了時間が来れば、父親としての代行も終わってしまう点だけ注意が必要です。

尚、結婚式の代理出席に利用するレンタル父親については別の料金設定となっていまして、こちらは 「15,000円(交通費別)」で利用することが可能となります。

月の依頼件数はどのくらい?

父親代行の依頼件数について昨年2018年1年間依頼件数です。

<2018年の父親代行の依頼件数>

・月間の依頼件数:19件

・年間の依頼件数:231件

ちなみに、父親を含むその他家族レンタルを全て含めると以下の通り。

<2018年の家族代行の依頼件数>

・月間の依頼件数:65件

・年間の依頼件数:784件

前年比は121%と毎年依頼件数は伸びている傾向にありますので、まだまだ代行・代理出席の業界は伸びていくものとみています。

依頼する人の年齢層と男女比は?


父親のレンタルを依頼される人の年齢層はこんな感じ。

<2018年の父親代行の年齢層>

・10代:0%

・20代:42%

・30代:34%

・40代:17%

・50代:6%

・60代:1%

男女比は以下の通り。

<2018年の父親代行の年齢層>

・男性:42%

・女性:58%

年齢層でみれば、やはり結婚を控える20代~30代の方を中心にお父さんの代行利用を占めている感じ。10代はそもそも規約上、利用できないので0%。また、男女比で女性が多い理由は、自分の子供のためのレンタル父親などの利用もあることから、”父親代行の利用者は女性のほうが多い” 傾向にありますね。

代行スタッフは普段何してるの?

父親の代行を行う担当スタッフは ”普段は普通に父親をやっています”。「あっ、私だけは違いますが(笑)」

つまり何が言いたいかというと、父親代行は「既婚男性のみができる」といった前提条件があるんです。理由は単純で、父親として相手への振る舞いが独身男性だと中々理解することが難しいといったことですね。

また、細かいところでいえば、両家の挨拶のための利用や子供の父親の為の利用などは、既婚者のスタッフの中でも、実際に同じくらいの子供がいるか、過去にいたかというところ見ています。現場には台本がなく、"代行スタッフ自身が今まで経験してきた人生が何よりも重要視される" と私は思っています。

当然、代行の現場は ”絶対に失敗が許されない” ので、確実に対応できるように念入りに情報収取を行い、担当スタッフはしっかりと役作りをして代行を行います。

定期的に「レンタル父親の研修」も行っており、パパスキルの強化やお互いの経験談を連絡しあい、情報共有の場を設け、全員が現場で活かせる組織作りを行ってます。

過去の失敗談を教えて

子供のためのレンタル父親を利用する女性依頼主の方の失敗談をお話しますね。

その女性は "自分が理想とする父親であり夫を演じてくれる代行スタッフに強い依存をもってしまい" まして毎週2回のペースでリピートを続けていました。

しかし、そのことが原因で、レンタル父親の料金を "消費者金融に借金をしてまで利用 "していることが分かり、このまま代行の利用を続ければ、借金が膨らみ依頼主の人生を逆に壊してしまう恐れがあると考え、

依頼の件数を弊社の配慮で少し感覚をあけてもらっていたのですが、それが逆に "依頼主をストーカーにさせてしまう原因" となってしまいました。

代行スタッフの自宅も特定されてしまったりということもあり、結果的に今後の依頼をNGとするしかできず、リピートしてもらうことの有難さだけではなく、"依頼主の心の状態にも気を配っていく必要" があると強く思った出来事でしたね。

まとめ

さて、ここまでお読みいただければ、『父親代行』について理解を深めることができたと思います。これで貴方も「レンタル父親」のマニアですね。明日のランチで話のネタに使ってください(笑)

"父親の強い役割というものは「世界共通」" だと思います。また、シングルマザーの方や、その他いろいろな理由があり、父親が身近にいないことで、社会に対し、ハンディを背負ってしまっている方も少なくないと依頼の現状から知ることができました。

もっとこのレンタル父親サービスを沢山の人に知ってもらい、問題解決に紐づけたいと思う日々です。

最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

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