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【活動報告】夫婦関係へのアプローチWS@JPCA秋季セミナー

日本プライマリケア連合学会(JPCA)では、毎年秋季生涯教育セミナーという全国セミナーを開催しており、今年は9月15-16日に開催されました。

ファミラボでは『個人から家族を診る:プライマリ・ケアで実践できる夫婦関係へのアプローチ』のワークショップを行いました。

慢性疾患のコントロールが難しい方や身体症状が持続する方の中には、夫婦関係が影響している場合が一定数あります。しかし、診療の中で夫婦関係に踏み込むことにはためらいがありますし、そもそも踏み込んで良いのか悩むこともあります。

また、カップルを診療に呼んでみることも考えますが、多くの場合、一方のパートナーが来てくれないことがほとんどです。そこで今回は、個人面接の中で夫婦関係にどのようにアプローチすべきかをテーマにワークショップを開催しました。

当日の内容

当日は、システム理論や家族療法を紹介し、その観点からカップルの関係性をどのようにアセスメントするかについてお話しいたしました。

身体症状とカップルの関係は密接に関わっています。

カップル間に葛藤がある場合、身体症状が両者の距離感を調整し、葛藤を回避させることがあります。例えば、パートナーからサポートがない場合、身体症状を訴えることが相手に気遣わせたり、受容させたり、さらには罪悪感を与え、敵意などの否定的なな反応を減少させます。

そのため、身体症状を介さなくてもカップルがコミュニケーションできるよに支援するかが重要となります。

後半では、それを働きかけるコミュニケーションとして、共感と反映、リフレーミングと一般化、円環的質問、アサーションを紹介し、ロールプレイを通じて学びを深めました。

参加者の感想

参加者の感想を一部紹介させていただきます。

・夫婦関係の考え方やアプローチを体系的に学ぶことができた。
・心療内科側からのアプローチ方法に多くの気づきがありました。
・円環的質問の実例を知ることができました。
・事例を通じたディスカッションとロールプレイが適度に組み込まれていて、レクチャーとのバランスが良かった。
・総合診療医、家庭医の教育でも家族志向アプローチは必須ですが、もう1ランク深めないといけないと感じました。

個人面接で夫婦関係に取り組むという、やや高度な内容ではありましたが、グループワークやロールプレイも交え、実践的な学びを得ていただけたのではないかと思います。

久しぶりに現地での参加となりましたが、現地ならではの良さを改めて感じました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今後もファミラボでは様々なセミナー、勉強会を企画していきます。こんな勉強会して欲しい等ありましたら、お気軽にお問い合わせください。

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執筆:宮本侑達(ひまわりクリニック)
編集:河田祥吾(亀田ファミリークリニック館山)、田中道徳(岡山家庭医療センター)

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