ヴイアラ初ライブ、「PROJECT IM@S vα-liv LIVE -THE LAST STATEMENT!!!-」開催に寄せて

いつ誰が言っていたのだったか、ファンがいて初めてアイドルはアイドルになれると言う言葉が存在する。
これは間違いなく正しいように私は思える。

アイドルに限った話ではない、社会的な地位というのは伝える相手がいなければ、「ない」のと同じだ。
生徒なき先生は先生とは言えないし、会社がない会社員は会社員じゃない。国民がいない国家は国として認められない。
そう言った当たり前の類の話だ。

私は、プロデューサーも同じだとずっと思っている。アイドルがプロデューサーと呼んでくれることで我々は始めてプロデューサー足りうるし、逆にそれ以上は何も必要がないとも言える。
仮に現実世界では我々は1ファン、1視聴者、もっと言えば消費者に過ぎないとしても、彼女たちが我々をプロデューサーと呼んでくれて、その上でその嘘を信じ込めば、少なくともアイドルとプロデューサーという関係性において我々はプロデューサーでいることが出来る。

だからこそ、始めて彼女、灯里愛夏と1on1で話した時は痺れた。
ビデオゲームという一定のルールに基づいて彼女たちとコミュニケーションをとることができたのが今までのアイドルマスターだったけれども、そうじゃない。ルール無用、どんなコミュニケーションをするのも自由。
当たり前だけど、考えてきた渾身のトークテーマが滑れば彼女たちは微妙な反応をするし、ウケれば笑ってくれる。
そんな彼女たちから発せられる「プロデューサー」という単語はあまりにも重い。

それ故にこちらに跳ね返ってくるものも多い。

私はプロデューサーとして、常々考えていたのは、「アイドルが私にくれた物に相応しいモノを返せているのだろうか?」ということ。
水谷絵理にしろ、春日未来にしろ、彼女たちから貰った楽しい時間は自分の中ではかけがえの無いモノだ。
それに相応しいモノを自分はあの子達に返せたのだろうか、言い換えれば、私は彼女たちにとって良いプロデューサーであったのだろうか?という問いだ。

私は常にこの問いに苦しんでいたが、ある種解決策のない問題だからこそ、先送りに出来ていた問題でもある。
だって、絵理にも、未来にも、10円の駄菓子をひとつ渡してあげることすら出来ないのだから、出来ることなんて限られている。
それが事実。

でも、今回は違う。
ルールはあるから駄菓子のような食べ物は送りつけられないだろうが、少なくともお手紙やプレゼントはhotarubi宛に送りつければ高確率で彼女たちに届く。
今すぐポンと2000万払って配信チケットを5000枚買えば彼女たちのデビューは確約されるのだ。

だからこそ、重い。
彼女たちから貰ったもの考えると、少なくとも3人全員デビューという形にならないと申し訳が立たない。

でも、ここから先はただの甘えかもしれないし楽観視かもしれないけれど。
彼女たちならそういうの含めて、ぜーんぶ何とかしてくれそう、そんな予感がするのだ。

だからこそ私は明日のステージを全力で楽しんで、行末を見届ける、それこそ少なくとも今自分に出来る彼女たちへの恩返しであろう、そう信じて。

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