魔法使いの通常攻撃の最適解「自己魔法」~モンスターメーカー7つの秘宝(ファミコン)
MPが尽きた後の魔法使いの存在意義
ドラクエやFFなどのRPGにおいて、魔法や呪文を使う職業として「魔法使い」や「魔導士」などがいます。
これらの職業は基本的に「魔法力(以下、MP=マジックパワーと言います)」を消費して、魔法や呪文を使って戦うのがメインです。
これらの職業のMPが尽きたらどうするか。
大してダメージ値を期待できない杖で殴り掛かるか、防御するか。
あるいは、道具として使うと魔法の効果があるアイテムを使ったり、回復アイテムを使ったり…という役回りになることが多いと思います。
「魔法使いとは、そういうものだろう」と言ってしまえばそうなのかもしれませんが、もう少し何か工夫があったら良いなぁ~と、色々なゲームをプレイしながら思っていました。
画期的なシステム「自己魔法」
その「もう少し何か工夫があったら良いなぁ~」に、ひとつの回答を出してくれたのが、1991年12月20日にソフエルから発売された、ファミコン用ソフト『モンスターメーカー7つの秘宝』です。
スーパーファミコン(1990年11月21日発売)より後に出た、ファミコン末期のタイトルなので、ご存じない方も多いかもしれません。
モンスターメーカーは、もともとはカードゲームで、ボードゲームやテーブルトークRPGにも展開されていた、アナログのゲームシリーズでした。
そして、1990年12月22日にゲームボーイで発売された『モンスターメーカー』が、シリーズ初のコンピューターPRG作品で、『7つの秘宝』は、その2作目にあたります。
モンスターメーカーの世界にも魔法使いが登場しますが、舞台となる「ウルフレンド大陸」の魔法使いたちは、それぞれが生まれながらに、魔法の特性「マナ」を持っています。
これは、他のゲームでもよく出てくる、炎や氷、風や土といった、属性のようなものです。
そして、魔法使いは、自分のマナに対応した魔法のうち、ひとつだけはMPを消費することなく、唱えることができるのです。
つまり、通常攻撃としてMP消費0の魔法攻撃ができるのです。
初めて見た時に、テレビ画面(当時はブラウン管でした)の前で「おおっ!」と声が出たのを覚えています。
通常攻撃(MP消費0)でメラミが使える
自己魔法は、魔法使いの持っているマナの種類によって変わります。
例えば、ルフィーアという女魔法使いは、炎のマナを持っているので、「フレイム」という自己魔法が使えます。ドラクエで言えばメラ、FFで言えばファイアみたいなものです。
リンクという少年魔法使い(任天堂とは無関係)は、氷のマナなので「フリーズ」、ガンダウルフという老賢者は、万能のマナを持っているので、作中最強の攻撃魔法「マイト」を自己魔法で使えます。
マイトはFFⅥのアルテマ、真・女神転生のメギドのような魔法で、これをMP消費0で使えるので、ムチャクチャ強いです。
ガンダウルフは、終盤のイベント参戦キャラなので別格ですが、ルフィーアは最初から最後までパーティにいるキャラクターです。
そして、中盤のイベント戦闘で覚醒し、自己魔法がフレイムからフレイムボムへとパワーアップします。
このフレイムボムは、ドラクエで言えばメラミ級の威力があります。
つまり、通常攻撃(MP消費0)でメラミが使えるのです。
メチャクチャ強いです。
自己魔法の弱点
ただ、自己魔法にも弱点があります。
自己魔法の属性に耐性を持っている敵には、全く攻撃が通じないことです。
ルフィーアの場合は、自己魔法がフレイム or フレイムボムで、これは炎の属性であるため、炎に耐性を持つモンスター、例えば炎の巨人「マグマン」には、自己魔法による攻撃は全く通用しません。
この場合は、MPを消費して他の属性の通常魔法(マグマンに対してなら、フリーズ)を使えば良いのですが、仮にMPが尽きていた場合は、他のゲーム作品のように「杖で殴る」という行動ができない(魔法使いの通常攻撃は、すべて自己魔法になるので)ため、不利になるかもしれません。
まとめ
上記の弱点はあるものの、耐性を持つ敵にはMPを消費する通常魔法も通じないことを考えれば、これは当然の仕様だと思います。
それよりも、MPが尽きた後の魔法使いに「杖で殴る」以外の通常攻撃のバリエーションを発明したことが、すばらしいと思います。
実は、モンスターメーカーは、通常魔法のシステムも少し変わっていて、町にある魔法ギルドで「MPを消費して、カードに魔法を詰めてもらう」という仕様になっています。
戦闘時に魔法カードを使うと、カードに込められた魔法が発動するというかんじです。
『ダイの大冒険』の「魔弾銃」みたいですね。
このように、魔法について色々と工夫を凝らしたモンスターメーカーという作品、少し難易度は高いですが、『7つの秘宝』については、頑張れば誰でもクリアできるレベルだと思います。
バーチャルコンソール等のアーカイブは一切されていないので、なかなかプレイするのは難しいと思いますが、自己魔法に興味を持ったら、一度はプレイすることをオススメします。