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1985年(昭和60年)2月4日(月) 海上自衛隊 横須賀教育隊 汗と涙の107日 ~40年の時を超えて~

1985年(昭和60年)2月4日(月) 晴れ

いよいよ終わりに近づきました。
この日記も明日くらいでしょうか、書けたとしても。

10月24日に着隊して始まった教育隊での生活。
それは自分にとって、これから始まる自衛隊生活の第一歩でした。
今まで21年間歩んできた道とはまるっきり違うここでの生活は、修業する今日となって、自分にいろいろなことを教訓として与えてくれました。

班長たちから見れば大したことのない訓練なのかもしれませんが、持久走やカッターや、筋力トレーニング、寒い中での執銃訓練、水泳等、自分にとってはどれもこれも、つらく苦しいものだったように思います。
過ぎてしまった今思えば、アッという間に過ぎてしまったこの3か月間でありましたが、日々その訓練の中に身を置いていた時は、そんなことを考える余裕もなく、その日、その日を過ごすことで精一杯でした。

何度もくじけそうになり、なぜこんなつらいことをやらなければいけないのだろう、早く終われば良いなどと考えました。
でもそのたびに、こんなこともできなかったら、これから先何もできないだろう。
もう少しだ、頑張れと自分に言い聞かせながら、自分なりに努力してきたつもりです。
そういうところで、少しずつでも分隊長の指導方針にある『自分に勝つ』ということがどういうことであるか、わかってきたような気もします。

この教育隊で何よりも強く悟ったことは、どんな社会でも同じであろうけれども、要は「自覚」と「やる気」であるということです。
これから先も自分の周りの環境はコロコロと変化があると思います。
でも、如何に環境が変わろうとも、決してその場、その時の雰囲気、あるいは情に流されず、常に自分を確立し、「自覚」と「やる気」を持って接していきたいと思っています。

班長に頂いた"男の修養"は、自分のこの教育隊生活での最高の贈り物でありました。
十人十色とは良く言ったもので、大勢の人間が集まればいろいろな人間が居るものです。
極端な言い方ですが、味方も居れば敵も居ます。
でもどんな状況であっても、この"男の修養"を自分のものにしていければ、何者をも跳ね返すだけの精神力が養えると思います。

自分は強い男になりたいと思います。
肉体的にも、精神的にも、強くなりたいです。
そのためにも、これから続くであろう自衛隊での生活を精一杯頑張っていこうと思います。

この3か月間、本当にありがとうございました。
班長が最初に言った「出会いを大切に」ということを、今思い返します。
自分は、班長に出会えたことを嬉しく思います。
他の班長では、という仮定はわかりませんが、自分の班長が出川班長であったという結果において良かったと思っています。
本当に、ありがとうございました。

術校に行っても、部隊に行っても頑張りたいと思いますので、班長も体に気をつけて、また自分らのような若輩者を指導して頂きたいと思います。

時間的に余裕ができたら遊びに来たいと思います。
その時はぜひとも、班長と一杯やりたいと思います。
よろしくお願いします。

班長コメント:

お前は良い性質をしているようだから伸びて行くと思う。
早く航空士になるよう努力しろ。


あゝ伝統の横須賀教育隊


*日記はこれで終了です。
 ご愛読、ありがとうございました。
 明日は、修業間際に提出した所感を掲載させて頂きます。

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