海上自衛隊 横須賀教育隊 汗と涙の107日 ~40年の時を超えて~
1984年(昭和59年)10月24日(水) 晴れ
40年前の今日、私は海上自衛隊 横須賀教育隊に着隊した。
朝早く出発するとのことで、前日23日(火)の夜半に東京市ヶ谷の東京地方連絡部(*注1)に出頭し、折畳み式の小さな簡易ベッドで一夜を明かした。
錨のマークが描かれた水色のマイクロバスに乗り込んだ5~6名の若人。
窓の外を眺める彼らの表情は一様に、これから始まる教育隊生活への不安が滲んでいた。
高速を下りると「葉山御用邸前」という信号が目に入った。
まもなく到着か。
着隊後、本人確認等のための簡易な面接が行われ、今日より使うであろう風呂桶を始め、マジックペンやピンチハンガー等が支給された。
受領した支給物品に、氏名および「233-45-1-5」と記入するよう促される。
この番号が私のここでの個体番号なのであろうか。
この日より1週間、10月31日の入隊式まで横須賀教育隊での生活に慣れるためか、客人扱いのような日がな日々を送る。
制服や作業着が貸与されると、着ていった服や持ち込んだ私物はすべて自宅に送り返すことに。
100名以上は居たであろうか、同期となるべき入隊希望者の内、この1週間以内に入隊を辞して去った者も相当数居たようだ。
年を跨いだ2月7日まで、海上自衛隊 横須賀教育隊での練習員課程107日間がいよいよ始まる。
40年前、毎日聞いていた総員起こしのラッパの音、朝の甲板掃除から第4グランドに向かう際の軍艦マーチ、空を舞うトンビの声が今も耳に残っている。
(*注1)現在は地方協力本部に改組