京成杯AH 予想メモ


コース形態

中央4場で施行されるコースとしては超トリッキーな分類に当たるだろう。
外回りの2角手前から始まる、いわば三角形コースでの施行。
中山外回りの特徴は3角がほぼ向正面に依存しているので角度が他に比べて圧倒的に緩いこと。4角はやや小回りくらいで普通の部類。
スタートから上り坂&2角まで240mしかないので、外枠が先行するには内に切れ込みに行かねばならず、枠次第ではペースがグッと上がりやすく消耗もしやすい。
そして2角から向正面半ばまで使って一気に下る。そこからは平坦の後、4角終盤から直線急坂手前までまた下り坂となり、隊列形成が済んでいない場合この2角でペースを落とせなくなるため、いくら下り坂の惰性で4角まで一気に進められたとしても急坂でピッタリ止まることも珍しくない。
また、3角も超緩いのでペースダウンして息を入れられないのもポイント。
そのため、一般論としては無理をしなくてもロスなく回れて好位を取りやすい内枠が有利とされている。

TB想定

開幕週なので、まずは様子を見たい。
秋初めの中山は野芝中心なので時計が出やすいので、基本的にはロス無く回るほど利があるので内有利になりやすい。

アスコリピチェーノ 55.5

2歳女王に輝いたものの、3歳ではまだ未勝利。しかし、桜花賞、NHKマイルでともに2着と世代トップマイラーなのは言うまでもない。
ただし、NHKマイルを見る限り不利があったことを加味してもジャンタルマンタルが傑出していた内容で、この馬は明確に彼よりは下の評価を与えざるを得ない。
では、ほかのHNKマイル組はどうだったかというと、3着ロジリオンはパラダイスS、関屋記念でどちらもやや恵まれなかったとはいえ取りこぼしており、5着イフェイオンはクイーンSで7着、7着ディスペランツァは関屋記念9着、12着ノーブルロジャーは米子S4着、13着ダノンマッキンリーはスプリントOPでも勝てていないことを考えれば、彼らよりはアスコリピチェーノのほうが格上ではあるとはいえ、あまりレベルの高くないOP~重賞で通用していないわけではないがイマイチな結果というのはなんともコメントに困る状態である。
しかし、2歳G1を制覇し桜花賞、NHKマイル連続2着の輝かしい実績を持つ馬が対古馬初戦としてハンデG3を選んでくること自体が珍しく、事実上実績最上位と評価しても何も違和感はない。
ハンデ55.5kgはけっして軽くなく、古馬牡馬で59.5kgと同じ扱いである。別定戦では2歳重賞は加味されないからか、ハンデ戦でもあまり重要視していない傾向にあるので、それを除いたとして3歳ではG1連続2着=重賞2勝と扱い、古馬初対戦でいきなり実質60kgはかわいそうと判断してこの斤量にしたのかなと推察する。(ピューロマジックが葵S、北九州記念と連勝してCBC賞に登録したときも55.5kgだったため、説明するとしたらこれが1番整合性がとれる・・・はず)
よって、実績的には最上位で、相手関係としても重賞級は多くないのでこの馬が能力的には1番上と見れるが、上述の通りNHKマイルで不利があったとはいえなんとかゴール前で交わして0.1差つけた3着ロジリオンよりも相手は強力。かつ自身は55.5kgと背負っており、もともと紛れが多い中山マイルであることを考えると、断然人気を背負うほどは堅くはないと結論付けるのが妥当である。
1着候補。

ディオ 57.5

関屋記念の2着は前残り展開に恵まれて4番手から雪崩れ込んでのものであり、そこまで高評価できるものではないが、ダービー卿CT以外では崩れておらず安定しており、ロスの多い立ち回りでなければ上位争いは可能な水準。
関屋記念の振り返りでの予想通り今回は57.5kg。
内枠を引いて好位の内で溜める競馬が出来るようであれば、開幕週で内有利TBならばそれを生かして勝ちきる可能性も十分考えられる。
1着候補。

コラソンビート 54.0

桜花賞の16着は好位から運ぶも脚を繰り出せず力負けである。
阪神JFでは1400路線からマイルに戻してなお3着に好走しており、世代上位であることをアピールしたが、3歳になりこれよりも距離の短いFレビューではエドヴプレが楽に逃げたとはいえ好位の内から交わせず底を見せてしまった感がある。
そのエドヴプレはスピードを生かす競馬で桜花賞5着と好走して満を持してスプリント路線へ転向したが、葵S4着、キーンランドC11着と奮っていない。
よって、古馬との対戦でこれまでよりも相手強化、マイル戻り、54kgと言うほど軽くもない斤量(世代OP勝ちのキャットファイトが52.0なので、Fレビュー2着だけでこれとなると、2歳の戦績を若干考慮してもちょっと見込まれてる感)を考えると、ちょっと買いづらい印象。
見送り。

エエヤン 57.5

ダービー卿CTの2着は離して逃げた割にはスローペースで前残りの展開に恵まれたものであり、高い評価は不要。
それ以外の重賞では基本的に通用しておらず、今回のメンバー的にも逃げ馬が揃っていることを考えると自分の競馬もできなそうなので、今回は厳しい。
見送り。

サンライズロナウド 56.0

関屋記念の6着は前残り展開を考えればほぼ最後方から上がり32.5で追い込んで0.4差、2着ディオと0.2差なら展開や位置取りが向かなかっただけで悪くない。3着ジュンブロッサムと同様の立ち回りで0.1差でもある。
能力的にはスプリントならすでに重賞で通用しているが、マイルでもG3程度の低調な相手関係なら展開次第で通用し得ることを証明した。
今回のメンバーは関屋記念とほぼ同等。立ち回りが展開やTBと噛み合えばチャンスはある。
2着以下候補。

ディスペランツァ 55.0

関屋記念の9着は前残りに恵まれなかったとはいえ、追い上げる脚もサンライズロナウドらに劣り力負けであった。とはいえ、32.8の上がりは使えており全くダメというほどではない。
差しに展開が向けば巻き返す可能性は残すも、今回は開幕週の馬場なので外から追い込むのは難しいように思える。内で脚を貯めてロスなく外に持ち出す競馬など、立ち回りが求められそう。
3着候補。

キャットファイト 52.0

桜花賞は3番手から全く抵抗できずシンガリ負けだった。
アネモネSは最内枠を生かしたロスのない競馬で、他の馬が外を回すロスの大きい競馬にも恵まれて抜け出したものであり、結果的に前残りに恵まれたし、そのおかげで勝負どころでも併されず被されない競馬だった。
阪神JFなどを見ても気難しい面があるように見えるので包まれる競馬はあまりよくなさそう。
よって、逃げる競馬か外枠ならば、軽斤量を生かして..とは思うものの、そもそもアネモネS組のレベルは古馬OP級以上には思えないので、基本的には厳しいのでは。
見送り。

オーキッドロマンス 56.0

パラダイスSの1着は俗に言う「外回し内有利」のTBに恵まれた内容。スローペースで楽に逃げられたのも一因。
クロッカスS、ファルコンSの好走も内有利のTBで逃げか番手の競馬ができて恵まれたものなので、好走には内有利TBは必須である。
ただし、パラダイスSはスプリントのメンバーも混ざるメンバーであったため、マイル路線へはカテゴリ強化で相手は強くなる。
よって、内枠を引いて楽に先行できそうな時のみ抑え程度の評価を与えればよく、それでもセルバーグとの絡みには警戒が必要。
3着候補。

セルバーグ 57.0

中京記念の13着は逃げを打とうとしたが競り合ってハイペースになってしまったので度外視可能。
エプソムCは大外に恵まれず、新潟大賞典は2000であったうえに躓いて逃げられず、などここ3戦は自分の競馬ができなかったことが大きかった。
小倉大賞典のように楽に行ければ1600への短縮も含めて粘り込めるので、他に逃げそうなのはオーキッドロマンスくらいなので、彼さえ制することができれば開幕週を生かした競馬でチャンスははある。
あるいは、無理せず離れた2番手の競馬ができれば、どうかというところ。
そろそろ、意地でも競り合ってくるのを嫌って他が譲って放置してくれそうな気はするが…
1着候補(一発穴)。

ショウナンマグマ 57.0

楽に先行できればしぶとい馬であるものの、テンが速くない。
今回はセルバーグやオーキッドロマンスなど速い馬がいるので、離れた3番手あたりでポツンで収まれない限りは自分の競馬はさせて貰えない可能性が高い。
見送り。

エアファンディタ 58.0

重賞では馬券になれていないが、L2勝、2,3着が1回ずつと実績はある馬であり、通用水準にはある。
ポートアイランドSでは9頭立てという少頭数に恵まれた感はあるが、60.0kgを背負って前残りの流れを後方2番手から上がり最速33.1で追い込んでの0.2差3着は負けて強しである。彼以外は1頭(58kg)を除いて57kgだったので価値はある。道中のポジションはポツンであったことは加味する必要がある。
カシオペアSの5着も60.0kgでほとんどが57.0kg相当のなか0.2差なので着順ほど内容は悪くない。
よって、今回58kgなら常識的な範囲であり、差しに展開が向けば好走の可能性はある。
2着以下候補。

ジューンオレンジ 53.0

混合OPでも足りていないし、低調なマーメイドSでも好位から伸びを欠いているので、ハンデは軽いが基本的には厳しい。
見送り。

カテドラル 58.0

近走は末脚も鳴りを潜めてしまっており、さすがに衰えは隠せなさそうである。開幕週の馬場を考えても基本的には厳しい。
見送り。

タイムトゥヘヴン 56.0

末脚は使えるので追い込みが届く展開ならとは思うが、開幕週のTB的にもそこまで前が全滅するような展開までには考えにくい。
ただ、昨年ダービー卿CTより2kg、今年のダービー卿CTよりも1kg減ったので、このくらいのハンデならそろそろ出番がありそうな気もしなくはない。
見送り。

キタウイング 52.0

近走全くいいところがないので、今回も厳しい。
見送り。

ドルチェモア 55.0

近走全くいいところがないので、今回も厳しい。
見送り。

総評

基本的には実績最上位のアスコリピチェーノから検討するのが正攻法。ただし、斤量も重くどこまで通用するか未知なので、過剰人気するようならば馬券そのものが買いにくくなる。
穴ならやはり先行馬。セルバーグやオーキッドロマンスには注意が必要。

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